じじぃの「謎だらけのウーパールーパー・再生能力!ヒトはなぜ争うのか」

Mexican Axolotl (Ambystoma Mexicanum) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=neugaQkE_GE
ウーパールーパー

独チームがウーパールーパーのゲノム解読 再生能力の謎解明へ 2018.7.2 産経ニュース
ウーパールーパーの名前で親しまれているアホロートルのゲノム(全遺伝情報)を解読したと、独マックス・プランク研究所などのチームが英科学誌ネイチャーに発表した。
塩基配列はヒトの10倍を超える約320億塩基対で、高い再生能力や進化の謎を解明する手掛かりが得られると期待される。
https://www.sankei.com/life/news/180702/lif1807020004-n1.html
『ヒトはなぜ争うのか―進化と遺伝子から考える』 若原正己/著 新日本出版社 2016年発行
ヒトと野生動物を分けるもの より
チンパンジーでは、時間がたつにしたがって大人の形、大人の形質が発達するが、ヒトの場合は、時間がたっても大人の形質があまり表れない。それを発生における異時性の違いと考える。
ヒトは、今述べた頭蓋骨の発達以外でもさまざまな発達が相対的に遅く、年齢を重ねても大人の形質があまり表れずに子どものままとどまっている。しかし、生殖機能は特に遅れることもなく発達する。それに対して、チンパンジーは体が著しく速く発達するので、時間とともに大人の形質がどんどん出現し、チンパンジーらしくなる。
このように体の発達の程度が遅いか速いか速いかの組み合わせはいろいろあるが、ヒトのように体の発達が相対的に遅く、生殖の仕組みは普通に発達する異時性の組み合わせをネオテニー幼形成熟)と呼ぶ。
つまり、ヒトはネオテニーの傾向が非常に強い。それがヒトの特徴なのだ。ヒトが人になっていったのはネオテニー的な特徴があったためだ、と考えることができる。
水族館で人気のウーパールーパーは、メキシコサンショウウオという両生類のネオテニー個体だ。体つきは子ども(幼生)なのに、性的には成熟して子どもを作ることができる大変面白い動物だ。
ウーパールーパーの1番の特徴は鰓(えら)を持っていることだ。鰓があるということは水中生活をしている。つまり幼生の状態だ。ウーパールーパーは子どもの状態(幼形)のまま、生殖活動を行うことができることで有名だ。
実は、私が現役の時に研究していたエゾサンショウウオも、このネオテニーを行うことができる日本で唯一の動物としてたいへん貴重な動物だ。エゾサンショウウオは北海道全域に生息するサンショウウオだが、ネオテニーの個体群は、登別温泉の近くにあるクッタラ湖だけに生息していることが明治時代に発見された。しかし、その後、クッタラ湖に養殖魚が導入されたために全部喰われてしまい、このネオテニーの個体群は絶滅してしまった。残念ながら今は生存していない。しかし、このネオテニーという現象は生物学的にも大変貴重なものだから、私たちはエゾサンショウウオネオテニーを是非再現させたいと思い、いろいろな研究を積み上げてきた。
両生類の変態は甲状腺ホルモン(チロキシン)によって促進されるから、甲状腺の働きを抑制する薬品で幼生を処理するとその変態を抑制することができる。そうすると幼生はいつまでも変態することなく、幼形のまま(鰓をもったまま)水中で生活する。しかし、体の中では生殖細胞がどんどん発達し、卵子精子ができてくることがわかった。つまり、体細胞と生殖細胞の発達は別の仕組みで支配」されていることが確かめられたので、ネオテニーはありうることだと実感した。

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どうでもいい、じじぃの日記。
再生能力が高い動物といえば、プラナリアを思い浮かべる。
サンショウウオに属するウーパールーパーも、高い再生能力を持っているらしい。
例えば、イモリの足を切ると、イボのような再生芽ができて、そこから新しい足がニョキニョキと生えてくる。
これらの動物は、体のあちこちに幹細胞と呼ぶ特殊な細胞が存在している。欠落が生じると幹細胞から分化が再出発する。
7月2日の新聞に、「独チームがウーパールーパーのゲノム解読 再生能力の謎解明へ」が記事が載っていた。
ウーパールーパー塩基配列はヒトの10倍を超えるのだという。
この膨大な遺伝子情報の中から、再生に関係する遺伝子が特定されようとしているのだ。
失った手や足が再生される時が意外と早く実現するのかもしれない。