じじぃの「科学・芸術_447_おいしさの秘密・焼肉」

地球ドラマチック 人はなぜ調理するのか 11月29日 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=Vul4tMFrPek
おいしそう!

お肉の焼き方にまつわる科学 2017年7月〜8月 松阪牛の長太屋
●美味しさの秘密はメイラード反応
お肉に焼き色がついたとき、こうばしい香りが漂いますよね。
この食べ物が焼けたときに表面が茶色く変化する現象を、科学的に「メイラード反応」と呼ばれています。
タンパク質と糖が反応して褐色物質を生み出します。これが食べ物のこうばしさや風味となる源です。
また、全体に焼き目をつけることで肉汁を逃がさないようにコーティングをして、お肉の旨みを閉じ込めることができます。
http://www.matsuzaka-gyu.com/blog/policy/1616
地球ドラマチック 「“食”を科学する!〜人はなぜ調理するのか〜」 2014年11月29日 NHK Eテレ より
【語り】渡辺徹 (2012年 アメリカ)
肉を焼くとアミノ酸と糖が化学反応を起こして結合することで新しい分子になります。
おいしそうな茶色の焼き目が出来、香ばしい匂いを発生する。肉に限らずコーヒー豆やチョコレートも同様です。
肉の大部分は水分。長時間焼くことで水分がなくなり、パサパサになる。肉を一晩塩水に漬け、焼く前にたっぷりと水分を含ませることでしっとりとした仕上がる。
調理は人類の進化に欠かせなかった。調理された生ものは消化しやすくなり、そのことが人類の進化に影響を及ぼした。人間だけが調理する生き物である。
人間と比べて類人猿の胸郭は大きくせり出している。胸郭が大きいということは消化器官も大きいということ。人間には類人猿のような大きな消化器官はなくなった。
また、類人猿は生ものを食べるので噛むのに時間がかかる。
人間の脳の進化は約180万年前から始まった。しかし、人間が調理をしたという証拠は最も古いものでも40万年前のものしかない。
人は調理のために、より高度な道具を使うようになり、火を扱うようになったと考えられている。火を通すことで、消化にかけるカロリーをセーブすることができ、カロリーを大量に消費する「脳」に回すことができる。調理の恩恵を受け、人間の脳は3〜4倍大きくなった。
また、たき火を囲んで調理をする間、仲間と話をするようになり、コミュニケーション能力を高め、より多くの子孫を残す時間ももたらした。
調理によって人間の生き方はがらりと変わりました。
肉を焼くとメイラード反応(アミノ酸と糖で起こる化学反応)が起きます。
食べ物の大半は水でできています。ステーキを焼くと肉の中では水が沸騰しているんです。

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『「おいしさ」の科学 素材の秘密・味わいを生み出す技術』 佐藤成美/著 ブルーバックス 2018年発行
肉のおいしさ より
肉のおいしさを決める要因には、色や形状、香りなどの調理前に感じるものと食感や味、香りなど調理後口に入れて感じるものがあります。たとえば、肉を購入するとき、赤くて適度な脂肪の入った肉をおいしそうと感じます。肉が焼けるときのにおい、口に入れたときの肉のやわらかさやジューシーさ、さらには口に広がるうま味を私たちはおいしいと感じています。
肉の味は、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5種類の基本味に加え、肉独特の味やコクで作られています。コクは、それ自体は味はありませんが、うま味などほかの味に濃厚さや広がりをもたせるものです。
味の中心になるのは、主にアミノ酸であるグルタミン酸核酸関連物質であるイノシン酸によるうま味です。筋肉中のグリコーゲンが分解されてできた乳酸が酸味になり、グルコース-6-リン酸という糖などが甘味になります。食肉は解体後、熟成させてから出荷されます。そのときにできたアミノ酸やペプチド、核酸関連物質などに加え、脂肪が肉特有の味やコクになっていると考えられています。さらに、複雑な味のバランスをとる成分ができることもわかっています。
うま味物質のグルタミン酸イノシン酸は生体内の代謝に必要な成分です。これらは生命を維持するのに有利な成分であるため、私たちはうま味と感知して好んで食べているのかもしれません。