What is the world wide web? - Twila Camp 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=J8hzJxb0rpc
ティム・バーナーズ＝リーが示す次のウェブ 動画 TED
https://www.ted.com/talks/tim_berners_lee_on_the_next_web?language=ja#t-5899
『New Scientist 起源図鑑』 グレアム・ロートン、ジェニファー・ダニエル／著、佐藤やえ／訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2017年発行
ネットはいつから世界をつなぐようになったのか より
インターネット元年というものがもしあるとしたら、それは1961年だろう。当時の通信システムは、ある場所から別の場所への直接的な伝達だった。電話には2つの電話機の間の物理的な電話線がなくてはならず、無線通信は、ある地点から別の地点へ同報通信だった。しかし直接接続はきわめて非効率だ。インターネットが実現した背景には、コンピューターはもっと良い方法で接続できるはずだという考えがあった。それはマサチューセッツ工科大学の技術者、レナード・クラインロックの研究成果だ。彼は、コンピューターの大規模ネットワークに最適な形でデータを渡す方法のことを、1961年には考え始めていたのだ。
クラインロックが考えたのは、ある地点から別の地点へメッセージ全体を直接送る代わりに、メッセージを細かく切り刻み（パケットにして）、それぞれをネットワークに流して自由な経路を選ばせる、というものだった。宛て先のコンピューターは、すべてのパケットが到着してからメッセージを組み立て直すのだ。
「パケット交換」は専用の電線を使うよりかなり効率が良く、柔軟であることがわかった。もし、どこかの2台のコンピューター間の接続がダウンしたら、パケットは別のルートをみつけるだけでよいのだ。
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初めての送信は、あまりうまくいかなかった。「ログイン（login）」という単語を送っている最中に、クラインロックのコンピューターがクラッシュしたのだ。そんなわけで、第１号のメッセージは「ログイン」の「ロ（lo）」だけだった。それから１時間ほどして、単語全体を送るのに成功。これが1969年10月29日のことである。
1973年には、アーパネット（ARPANET）はハワイからアメリカ全土をカバーし、ロンドンまで達していた。拡大するにつれ、ARPANETの制御ソフトはその仕事に耐えられないことがわかってきた。そこで、ヴィント・サーフとロバート・カーンという2人のコンピューター科学者が改良版を開発。インターネット・プロトコルをアップデートして、TCP/IP（トランスミッション・コントロール・プロトコル／インターネット・プロトコル）というまとまったルールを作り上げたのだ。そこには、コンピューターが互いを特定する方法から転送エラーの検出まで、あらゆることが細かく定義されていた。
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1982年にはアメリカの国防総省が省内の全ネットワークにTCP/IPを採用。翌年にはARPANETも続いた。その間に電話会社のAT&Tは、TCP/IPのUNIXコンピューター言語のバージョンを開発し始めていた。そして何よりも重要なことだが、同社はそのコードを誰でも使えるパブリックドメインで公開した。
この寛容な行為が、インターネットの普及に大きな影響を及ぼしたことは間違いない。これにより、UNIXで動くあらゆるコンピューターがオンラインにできるのだ。これが1989年のことだ。そのすぐ後二インターネットの爆発的な広がりが起きたのは、決して偶然ではない。
同じ年には、もう一つの重大な展開があった。当時、ヨーロッパで最大のインターネットノードは、ジュネーブ近郊の欧州原子核研究機構（CERN）にあった。そこにいた若手のコンピューター科学者がティム・バーナーズ＝リーである。彼はインターネット上で文書を見たり共有したり接続したりするためのシステムがないことに不満を感じていた。これらの問題を解決するためにバーナーズ＝リーが作ったのが、ワールドワイドウェブ（WWW）というシステムソフトだ。そこには歴史上初めてのウェブブラウザ―が入っていた。またハイパーテキスト転送プロトコル（HTTP）という、ハイパーリンクを作るための手続き書も含まれていた。彼はそれを使って初めてのウェブサイトを構築し、オンライン上の「info.cern.ch」に置いた。
WWWは、インターネットというハードウェアが研究室を抜け出すために必要なソフトウェアだった。インターネットは基幹施設が整備されるとともに、猛烈な勢いで広まった。1993年にインターネットで伝えられる情報は、世界を飛び交う情報の１％でしかなかったが、今日ではほぼ100％に近づいている。
