じじぃの「カオス・地球_321_LIFESPAN・第6章・老化細胞の除去・ワクチン」

カズレーザーと学ぶ5月7日<不老不死研究の最前線/若返り食材/改造T細胞/脳オルガノイド/アンスロボット/見逃し配信/再放送>2024年5月7日 LIVE FULL

動画 tver.jp
https://tver.jp/episodes/ep7dnw9pa1

「老化細胞除去ワクチン」って?がんは治る!?その秘密は私たちの体の◯◯にあった!|#03 順天堂大学 南野徹先生

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=lhU8PWU2rNE

老化細胞(ゾンビ細胞)の除去で若返り


老化細胞(ゾンビ細胞)の除去、ワクチンで成功

2022.3.9 Beyond Health
●老化細胞を選択的に除去
ワクチンと言えば、新型コロナウイルスやインフルエンザなど、感染症の予防を目的としたものが思い浮かぶ。
ところが最近、臓器などにたまった老化細胞を除去するワクチンが、抗老化研究者や医療界で話題になっている。加齢や肥満などによって内臓脂肪に蓄積した老化細胞を取り除き、動脈硬化アルツハイマー認知症などの病気の改善、早老症の治療にも役立つ可能性があるという。どういうワクチンなのか。老化細胞除去ワクチンの開発に取り組み、昨年末、開発の成功が発表された順天堂大学大学院医学研究科循環器内科の南野徹教授に、その特徴と実用化までの道筋を聞いた。
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00043/030300009/

LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界

【目次】
はじめに――いつまでも若々しくありたいという願い
■第1部 私たちは何を知っているのか(過去)
第1章 老化の唯一の原因――原初のサバイバル回路
第2章 弾き方を忘れたピアニスト
第3章 万人を蝕(むしば)む見えざる病気
■第2部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)
第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法
第5章 老化を治療する薬

第6章 若く健康な未来への躍進

第7章 医療におけるイノベーション
■第3部 私たちはどこへ行くのか(未来)
第8章 未来の世界はこうなる
第9章 私たちが築くべき未来
おわりに――世界を変える勇気をもとう

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『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』

デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント/著、梶山あゆみ/訳 東洋経済新報社 2020年発行

第6章 若く健康な未来への躍進 より

未来の選択肢③免疫系を活用するワクチン

2018年、スタンフォード大学の研究チームが、マウスの乳がん、肺がん、および皮膚がんの発症率を大幅に下げる予防接種を開発したと発表した。
まず、放射線で不活性化した幹細胞をマウスに注射する。その後、人間のある種のワクチンと同じように、追加免疫を獲得させるために2度めの接種をする。これによってマウスの免疫系は、通常なら感知できないようながん細胞を攻撃できるようになるのだ。がんの免疫療法はほかにも開発されており、さらに大きな前進を遂げつつある。その1つが、第1章でも取り上げた「免疫チェックポイント阻害薬」だ。PD-1やPD-L1と呼ばれる阻害剤を用いると、がん細胞の隠れ蓑が剥がされる。おかげで、免疫系のT細胞がそれを見つけて破壊できるようになるという寸法だ。

また、「キメラ抗原受容体発現T細胞療法(CAR-T[カーティー]療法)」は、患者自身のT細胞を改造して体内に戻し、がん細胞をやっつけるという治療法である。わずか数年前であっても、退院して身近の整理をするしかなかったようながん患者の命が、今ではこうした免疫療法によって救われ始めている。なかにも、すっかり元気を取り戻した人もいる。

がん細胞を死滅させるのに免疫系が使えるのなら、同じことが老化細胞にできると考えてもおかしくはないだろう。事実、一部の科学者はそれに取り組んでいる。バック加齢研究省のジュディス・キャンビージと、バルセロナ大学のマヌエル・セラーノがそうだ。2人によると、老化細胞はがん細胞と同じように、「ここにゾンビ細胞はいませんよ」という小さなタンパク質の標識を掲げている。それによって、免疫系に認識されないようにしているという。

2人が正しいとすれば、その標識を取り除いて、老化細胞を破壊する許可する免疫系に与えることができるはずだ。今から数十年先には、赤ん坊に各種のワクチンを打つだけでなく、中年を迎えたときに老化の予防注射をするのが普通になるかもしれない。

老化はリセットできる

生物の若さを取り戻す場合、歯磨き粉で磨くようなわけにはいかない。とはいえ、最初のやり方、つまり傷ついた古いDVDを新しいプレーヤーに入れるという方法は、すでに試されている。オックスフォード大学教授のジョン・ガードンが、初めてこれを成功させたのは1958年のことだった。ガードンはカエルの未受精卵から核を取り除き、成体のカエルの体細胞の核をそこに移植した。すると、卵からは無事にオタマジャクシが生まれたのである。その後、1996年には、エジンバラ大学イアン・ウィルムットとその研究チームが、ヒツジの卵子の核を(別のヒツジの)乳腺細胞の核に置き換えた。その結果がドリーである。ドリーが誕生すると、クローニングは危険だとして世間で議論が過熱した。この議論のせいで、一番肝心な点がかすんでしまった。何かというと、老いたDNAであっても、再び若くなるための情報を保持しているということだ。

以後、バッシング的な議論は下火になり、世界の関心は別の方向に向いている。今やクローニングは、家畜や競走馬、さらにはペットを再生するためにも行なわれるようになった。2017年には、クローン犬1匹を4万ドルという「お買い得価格」で注文できるようにもなっている。少なくとも、アメリカの歌手バーブラ・ストライサンドはそうやって、亡くなった愛犬サミー(巻き毛のコテンドテュレアール犬)のクローン2匹を手に入れた。サミーが死んで細胞を提供したのは14歳のときであり、人間でいえば75歳くらいの年齢にあたる。それでも、クローニングには何の支障もなかった。

こうした実験はきわめて重要なことを告げている。つまり、老化はリセットできるということだ。DVDのひっかき傷は取り除かれ、元の情報が甦る。エピゲノムに雑音が生じるプロセスは、けっして一方通行ではないのだ。

しかし、クローンにならずに体をリセットするにはどうしたらいいのだろうか。