じじぃの「単為生殖・iPS細胞・処女懐胎のパラドックス!逆説の雑学」

「iPS細胞からつくった精子卵子で新しい命を誕生させていいの?」よくわかる!iPS細胞 vol.4

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yHUfuC2yZDE&list=PL_ytIZDMhhuaYsmw6C4n_pqA9XyUVMu63

胎盤細胞の分化過程を模倣するモデルの構築


ヒトのナイーブ型iPS細胞から胎盤細胞を作る ~体外での胎盤発生モデルの構築に成功~

2021年4月8日 CiRA(サイラ)
ヒトのナイーブ型iPS細胞から初めて栄養外胚葉(TE) の作製に成功し、さらにその先の胎盤細胞へ続く細胞群への分化も確認できた。
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/210408-000001.html

『ヒトはなぜ病み、老いるのか―寿命の生物学』

若原正己/著 新日本出版社 2017年発行
iPS細胞から生殖細胞をつくる より
精子卵子などの配偶子のもとになる細胞は始原生殖細胞と呼ばれ、生殖腺の中に出現する。この始原生殖細胞は、名前に生殖細胞という字が入っているが原理的には体細胞だ。生殖腺の中で、始原生殖細胞がさまざまな段階を経て最終的に減数分裂をおこない、完成した配偶子(精子卵子)が出来上がる。

もしiPS細胞から始原生殖細胞を作り出すことができれば、死ぬべき細胞である体細胞と不死の細胞である生殖)細胞の壁の1つが乗り越えられることになる。

京都大学の斎藤通紀教授のグループは、マウスのiPS細胞から精子卵子のもとになる始原生殖細胞を作り出した。さらに、作り出された始原生殖細胞をもとに精子卵子を作り出すことにも成功している。その精子卵子を受精させマウスのES細胞と混ぜて子宮に戻すときちんとしたマウスが生まれてきた。2016年には、マウスの体細胞から作られたiPS細胞から大量の卵細胞がつくられ、精子と受精させて借り腹のマウスにいれることにより、多くのクローンマウスを作ることにも成功している。

ひとことで言えば、体細胞から新個体を作り出したということなので、これは実に驚くべき新技術なのだ。

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じじぃの日記。

若原正己著『ヒトはなぜ病み、老いるのか―寿命の生物学』という本に、「iPS細胞から生殖細胞をつくる」があった。

オスを必要とせずメスだけで子供を産む「単為生殖」の不思議

スミソニアン国立動物公園で生まれたアジアン・ウォータードラゴンの卵を見て飼育係は驚いた。なぜなら卵を産んだメスはオスに出会ったことがなかったからだ。遺伝子検査の結果、2016年8月24日に孵化した子供は、オスなしで生まれたことが確認された。

このようにメスだけで子供を作ることを「単為生殖」という。

女の体細胞の性染色体構成はXX型で、男の体細胞の性染色体構成はXY型だ。
しかし、性に関する生物の進化はさまざまだ。

集団で生活する「カクレクマノミ」は、集団の中で最も大きい個体がメス、2番目に大きい個体がオス、3番目以下は性的に成熟しない状態。 メスが死んだり集団からいなくなった場合、今までオスだった個体がメスに性転換する。

「ミズオオトカゲ」はオスがいない状態に置かれると、単為生殖でオスが生まれる。
実は、今まで2元(陰陽)で捉えられていた性別を、今ではグラデーション(多様性)で考えている研究者もいるのだとか。

もともと、X染色体にはY染色体よりも多くの遺伝子があり、Y型がなくなっても生殖は可能なのだ。

iPS細胞は、人間を探究する唯一無二のツールであることがわかってきた。ヒトにはヒト遺伝子の特殊性がある。マウスなどの動物実験とは違う独自のふるまいがiPS細胞でわかってきた。

処女懐胎」が現実のものとなろうとしている。