じじぃの「カオス・地球_319_LIFESPAN・第5章・老化を遅らせるサプリメントNMN」

カズレーザーと学ぶ5月7日<不老不死研究の最前線/若返り食材/改造T細胞/脳オルガノイド/アンスロボット/見逃し配信/再放送>2024年5月7日 LIVE FULL

動画 tver.jp
https://tver.jp/episodes/ep7dnw9pa1

アボカドとブロッコリーのあえサラダ


   

若返り成分として人気の成分「NMN」って?


AL-FOODS株式会社の業界唯一の植物由来NMN「ブロッコリーNMN(R)」が商標登録完了。機能性表示食品制度対応・海外向けのプレミア需要素材として引合い増!

2024.04.18 1 AL-FOODS株式会社のプレスリリース
●若返り成分として人気の成分「NMN」って?
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、私たちの体内にも存在する加齢によって減少していく物質で、ビタミンB3の代謝物の一種です。
NMNは体内でエネルギーを生み出すのに欠かせないNAD+という補酵素にすばやく変換されます。NMNを摂取することで、長寿遺伝子(酵素サーチュイン)が活性化し、細胞やミトコンドリアの機能低下やインスリン抵抗性の改善効果などがあると報告されています。
https://www.atpress.ne.jp/news/392037

LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界

【目次】
はじめに――いつまでも若々しくありたいという願い
■第1部 私たちは何を知っているのか(過去)
第1章 老化の唯一の原因――原初のサバイバル回路
第2章 弾き方を忘れたピアニスト
第3章 万人を蝕(むしば)む見えざる病気
■第2部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)
第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法

第5章 老化を治療する薬

第6章 若く健康な未来への躍進
第7章 医療におけるイノベーション
■第3部 私たちはどこへ行くのか(未来)
第8章 未来の世界はこうなる
第9章 私たちが築くべき未来
おわりに――世界を変える勇気をもとう

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『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』

デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント/著、梶山あゆみ/訳 東洋経済新報社 2020年発行

第5章 老化を治療する薬 より

NADを増加させるNRとNMN

現在はアイオワ大学の生化学部長を務めるチャールズ・ブレナーはビタミンB3の一形態であるNR(ニコチンアミドリポシド)が、きわめて重要なNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、エネルギーを産生する補酵素の一種。体内の細胞で起こる化学反応に不可欠な物質)の前駆体の1つであることを2004年に発見した(前駆体とは、生化学反応において特定の生成物のまえの段階にある一連の物質をいう)。そしてのちには、NRがNADを増加させ、結果的にSir2(サーチュイン、SIR1からSIR7まである)酵素の活動を高めることで、酵母細胞の寿命を延ばせることを見出した。NRは牛乳に微量が含まれるだけで、かつては希少な化学物質だった。今や機能性食品として毎月トン単位で販売されている。

一方、NRとは別の前駆体に狙いを定める研究者たちもいた。私たちもそちらのグループだ。

その前駆体はNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)と呼ばれている。これは、人間の細胞内でもつくられているし、アボカド、ブロッコリー、キャベツなどの食物にも含まれている。体内では、NRがまずNMNに変換され、次にそれがNADに変わる。

NRかNMNを入れた飲み薬を動物に与えると、体内のNAD濃度はそれから2~3時間で約25%上昇する。まるで、それまで絶食か相当な運動をしていたかのような上がり方だ。

今井眞一郎は同じガレンティ研究室にいた友人だ。2011年に今井は、NMNがNAD濃度を回復させることで、高齢マウスの2型糖尿病のいくつかの症状を治療できることを示した。その後、ハーバード大学の私の研究室メンバーが高齢マウスにNMNの注射を1週間続けただけで、ミトコンドリアが若いマウスのものと比べて遜色なく機能するようになることを見出した。

2016年、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学にある私のもう1つの研究室が、同じ大学の薬理学教授マーガレット・モリスと共に、メスの肥満マウスとその子マウス(糖尿病になりやすい)にNMNを投与する共同研究を行なった。すると、2型糖尿病の1つのタイプをNMNで治療できることがわかった。また、本拠地であるハーバード大学の研究室では、NMNが高齢マウスに若いマウス以上の持久力を与えられることを発見した。このとき、しまいには例の「2017年マウス用ランニングマシンの大いなる悲劇」を引き起こしたわけだ。このせいで、ミニ・ランニングマシンの距離追跡プログラムの設定を変更せざるを得なくなる。というのも、高齢のマウスが、いや、どんなマウスであれ、3キロ近く走るとは誰も想定していなかったからだ。

NMNは、たんに高齢マウスをウルトラマラソンのランナーに変えるだけではない。私たちはマウスにNMNを与えて、平衡感覚、強調運動能力、俊敏さ、体力、記憶力を調べたこともある。NMNを使ったマウスと使わないマウスとの違いは目を疑うほどだった。人間ならとっくにシニア割引を受けられるようなマウスが、『アメリカン・ニンジャ・ウォーリアー[訳注 日本のテレビ番組『SASUKE』のアメリカ版]』の挑戦者に変貌していたのである。ほかの研究室の研究によれば、腎臓損傷、神経変性、ミトコンドリア病、およびフリードライヒ運動失調症を防ぐ効果もNMNにはある。フリードライヒ運動失調症は遺伝病で、元気に動き回っていた20歳の若者に車椅子生活を余儀なくさせてしまう。

NADを増強分子による生殖能力回復の可能性

NAD増強分子は、マウスの様々な病気を治す効果をもつとともに、老年期に与えてもマウスの寿命を延ばすことができる。また最新の研究からは、NAD増強分子が人間に対してもにたような健康効果を(マウスとまったく同じではないにせよ)もたらすことができると強く示唆されている。
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留学生は続ける。「母もNMNのサプリメントを飲んでいるんですが……」。確かにそうだった。ほかの学生も、その家族も、何人か同じようにしている。「それがですね、あの……」。ここで一段と声をひそめる。「母のがまた始まったんです。つまりその……周期が」

何の周期かに気づくのにしばらくかかった。
閉経期の女性では、月経周期がかなり不規則になることがある。だから、最後の月経から1年が過ぎないと、たいていの医師は閉経と断定しない。

閉経後なのに出血があるとしたら心配だ。がんや、類線維腫や、感染症の徴候かもしれないし、薬の副作用のおそれもある。

「ちゃんと病院で診てもらった?」
「はい、どこも悪いところはないそうです。普通の生理と変わらないようだ、って」
それは面白い。「わかった。でも、もっと情報がいるな。お母さんに電話して、もう少し質問してみてくれる?」
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月経が再開したとか、ウマが生殖能力を取り戻したというのは、あくまで事例証拠にすぎないし、また同様の事例の数も少ない。それでも、衰えた卵巣の機能を回復させる力がNAD増強分子にあるかもしれないと、示唆している点でじつに興味深い。それに、化学療法剤で卵子をすべて破壊されたマウスや、すでに閉経した高齢のマウスを使った実験では、NMNによって生殖能力が甦(よみがえ)ることが実際に確認されているのだ。ちなみに、同じ実験結果は複数回得られており、別の2つの研究室の別々の研究者によっても再現されている。にもかかわらず、あまりにも議論を呼びそうな結果であることから、研究チームのほぼ全員が発表しないことに賛成した。私だけが例外だった。研究論文は今もって未発表のままである。

私たち生物学者は何かを見落としているに違いない。それも重要な何かを。そう思えてならない。

ジョナサン・ティリーは、生殖生物学の分野で何かと物議を醸す研究者である。そのティリーが2004年、ヒト幹細胞は卵巣にも存在し、高齢になっても新しい卵子をつくり出せると主張した。この説には異論も多いものの、仮にそれが真実なら、高齢のマウスや化学療法剤を投与されたマウスでさえ生殖能力を取り戻せる理由が説明できそうだ。