じじぃの「感染症・新型インフルエンザに人は勝てるのか?抗生物質と人間」

セス・バークレーHIVとインフルエンザ ー ワクチンの戦略 動画 TED
https://www.ted.com/talks/seth_berkley_hiv_and_flu_the_vaccine_strategy/transcript?language=ja
インフルエンザウイルス

インフルエンザ患者の異常行動400件 注意呼びかけ 2017年11月27日 NHK
インフルエンザの患者が突然、走り出してマンションから転落したり暴れたりする異常行動が8年間に400件余り起きていたことが厚生労働省の調査でわかりました。厚生労働省は、患者を極力1人にせず、高層階に住んでいる場合は窓や玄関を施錠するなどの注意点をまとめ、全国の自治体に通知しました。
厚生労働省によりますと、インフルエンザの患者が「タミフル」や「リレンザ」などの治療薬を服用したあとに異常行動を起こすケースが相次いで報告されていますが、薬との因果関係はわかっておらず、服用していなくても異常行動が起きたケースもあるということです。このため厚生労働省は、薬の服用のあるなしにかかわらず注意が必要だとしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171127/k10011236971000.html
抗生物質と人間―マイクロバイオームの危機』 山本太郎/著 岩波新書 2017年発行
あとがき より
ヨーロッパによるアフリカの植民地化がなければ、この時(1918年)のインフルエンザ流行は、まったく違ったものになっていただろう。
一方、イギリスの植民地であったインドでは、大規模な物資の戦時徴用が行われ、食糧を含めた物質が不足するなかでスペイン・インフルエンザ流行が起こった。その結果、インドの穀物生産量は大きく低下し、価格は高騰した。インドは世界で最もスペイン・インフルエンザによる死者の多い国となった。2000万人のインド人が、このインフルエンザのために死亡した。これも、感染症の流行や被害の大きさに、社会的要因が関与した一例である。そして、社会状況が異なれば、流行の様相も異なったものであった可能性を示す事例となっている。
こうした事実は、まさに、スペイン・インフルエンザが、第一次世界大戦末期の「その時」でなく、別の時に流行していたならば、流行の様相やその被害は一体どうなっていただろうかという疑問を筆者に抱かせるものになった。例えば、産業革命以前、それよりもっと以前の農耕が始まった頃、あるいはさらに以前の狩猟採集の時代のアメリカに、ヨーロッパに、あるいはアフリカに、スペイン・インフルエンザが流行したとすれば、……。流行の様相(感染の広がりや致死率)は、全く異なったものになっていたのではないかと思う。それを支持する疫学的事実もある。
スペイン・インフルエンザ流行の初期、ウイルス自体の毒性(症状や致死率)は必ずしも高いものではなかった。しかし、このウイルスが、流行の起点となったアメリカからヨーロッパへ持ち込まれ、フランスからドイツ、またアルプスやピレネー山脈を越え、イタリアやスペインへと拡大していく過程で、その病原性は大きく変化した。時はまさにアメリカが、国是であった欧州への非介入主義を捨て、ヨーロッパ戦線への参加を決めた時であった。多くの兵士が病原体とともに大西洋を渡り、兵舎や塹壕といった人が密集する環境は、流行拡大に対する格好の土壌を病原体に提供した。
流行はあたかも津波が数次に分かれて岸辺を襲うように世界を襲った。
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感染症と文明』(山本太郎/著)では、歴史のなかの感染症を概観した。幾つかのことが明らかになった。第1に、文明がなければ、私たちがいま直面する多くの感染症、特に乳幼児期に多く見られる急性感染症はヒト社会には定着しなかっただろうこと――急性感染症がヒト社会に定着するには数十万規模の人口が必要となる――。第2に、感染症は、文明を崩壊させるほどの大きな影響を与えることがある一方で、他の文明からその文明を守る役割を果たすこともあったこと。文明は、まさに感染症の「ゆりかご」であった、と書いた。
その上で、人類は、感染症との闘いに勝利するかと自問した。そして最後に、病原体の適応とは何かと問いかけ、感染症(あるいは感染症を引き起こす病原体)との共生が求められているのではないかと書いた。
鍵となったのは、ヒトは、最終的に感染症に勝利することはできないだろうという認識だった。それは、『感染症と文明』を書く過程で強固なものになっていった。だとすれば、私たちにできることは何か。それを、前著では、感染症との最終的な闘いではなく「共生」だろう、と書いた。最終的には感染症に勝利することはできない以上、それは理論的帰結が導く唯一の答えだと考えたからである。だからこそ、そこでいう共生は、完全な共生ではなく、むしろ、私たちにとって「心地よいとはいえない妥協の産物」に違いないと書いた。だとしても、それが目指す道であると。

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どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本をよく見ている。
インフルエンザウイルスでの死亡者数の約9割が高齢者だ。年寄りは肺炎を起こしやすくなる。
免疫力がないことが一番の原因らしい。
昔の人は食料事情が悪かったためにあまり長生きできなかったが、現代人と比べて免疫力は高かったらしい。
文明度が高くなるにつれ、人の免疫力は落ちていくのだろうか。