じじぃの「人の死にざま_1700_キューブラー・ロス(精神科医)」

キューブラー・ロス

キューブラー・ロスによる5段階モデル(死の受容モデル)と、それへの代表的な批判について 2016年1月19日 KAIGO LAB
精神科医エリザベス・キューブラー・ロス
エリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Kubler-Ross;1926〜2004年)は「死」に関する科学的な認知を切り開いた精神科医(終末期研究の先駆者)として、人類史に名を残している人物です。彼女が切り開いた終末期医療は、今、世界中の多くの医学部で必修科目となっています。
特に1969年に、彼女によって出版された『死ぬ瞬間』は、世界的なベストセラーとなりました。今でも本書は、サナトロジー(死学)の基本テキストとして、世界中で読み継がれています。
以下に、キューブラー・ロスによる5段階モデル(死の受容モデル)を示します。内容は、分かりやすさのために、KAIGO LAB のほうで加筆・修正しています。
http://kaigolab.com/care/7018
エチカの鏡 「人生の終わりを考える」 2010年9月19日 フジテレビ より
【司会】タモリ高島彩(フジテレビアナウンサー) 【ゲスト】石田衣良、田村淳、森公美子、優香
余命告知後、人はどう生きる? 「生と死」。
それはある日、突然告げられる命の期限。「余命3ヵ月です」
主な死因別死亡数の割合 (2008年:厚生労働省
悪性新生物(がん)  30.0%
心疾患         15.9%
脳血管疾患      11.1%
肺炎          10.1%
毎年約10万人のがん患者が余命告知を受けている。もはや余命告知は、いつあなたに降りかかってもおかしくない問題となっている。余命告知を受けたら何を考え、残された時間をどう生きるのか? 患者がたどる5段階の心情とは?
高島 皆さんは余命告知をされたいですか。
石田 言われないと困りますよね。家族がいるから。
タモリ 言われないと困るでしょう。
高島 まず、余命告知とはどういうものなのかを調べました。
映像に東京都板橋区にある日本大学板橋病院が出てきた。
日本大学板橋病院 呼吸器内科の高橋典明医師が告知について説明する。
高橋医師、「タイミングでどうやってしゃべるかというのは、担当の主治医の判断につきると思います」
アメリカでは一般的に病気の開示、それに対する処方が告知されているが、日本では病院や現場の医師の判断に委(ゆだ)ねられている。
高橋医師、「余命に関してはいきなりご本人に伝えるとショックを受ける場合が結構あり、ご家族、ご身内の方とかに告げて、ご本人にどう言うかということを相談したうえで、話すことが多いと思います」
医療機関における告知の現状 (2006年:厚生労働省
本人    26.6%
家族    90.8%
番組スタッフ、「余命期間は何を根拠にしているのですか」
高橋医師、「臨床試験とか、統計とか、期間としてはあやふやな期間ですので、その幅はさまざまでバラつきが結構あると思います」
番組スタッフ、「余命告知はどのようにして話すのですか」
高橋医師、「『夏の終り』とか、数値として直接話さないように、私としては心がけています」
余命告知されると人は何を考えるのか?
東邦大学医療センター大森病院 緩和ケアの大津秀一医師が説明する。
番組スタッフ、「余命告知をされた人はどんなふうになっていくのですか」
大津医師、「私の経験から言いますと、すぐ受け入れるっていうのは難しいわけですね。まず、やっぱり驚いて、ちょっと呆然(ぼうぜん)としてしまったりとか、言われた言葉をしっかり覚えていない人が多いですね」
アメリカのキューブラー・ロス医師が患者と面談してまとめた『死ぬ瞬間』によると、余命告知など伝えられた人の精神状態は5つの段階を辿るということが言われている。
  余命告知後、患者が辿る精神状態
  1       2       3        4        5
 否認  →  怒り  →  取引  →  抑うつ  →  受容
          (医師、神、仏など「何かにすがりたい」)
ゲストの森さんの場合は、夫が2006年のバイク事故で余命3日と診断されたが、今は障害は残っているが元気に暮らしているとのこと。
映像に余命告知を受けた3組のケースが出てきた。
生前葬を行った鍵谷さん(男性・65歳)、延命拒否をした高橋さん(男性・38歳)、母親と2人で生活している山下さん(女性・52歳)。
鍵谷さんは胃がんで3ヵ月から半年の余命告知を受けた後、11ヵ月間生きぬき、亡くなった。高橋さんは肺がんで半年の余命告知を受けた後、4人の子供と妻がいる自宅で療養し、2年間生きぬき、亡くなった。山下さんの場合は胃がんで3ヵ月の余命告知を受けたが、3年半を経ても元気にしておられる。
タモリ 偉いお坊さんが死ぬときに、「死にたくない」「死にたくな〜い」「死にたくなんかない」と言って死んだらしいよ。
(爆笑)
  うちの父が死ぬときは心筋梗塞だったんですけど、母が言うには死を全部言ってたんですって。「あっ、右足が冷たくなってきた」「それがジワジワ上がってくる」「神経が動かなくなってきた」「左側にきた」「ジワジワ上がってくる」「上がってくる、上がってくる」「手にきた、手にきた」。「お父さん、いいから黙って」。「ドキドキする!」「初めて死ぬからドキドキする!」と言ったんですって。
(爆笑)
  それで、パッと目を開いて、「これが死ってやつか」と言って死んでいったんですって。
タモリ 見事ですね。