じじぃの「人の死にざま_1566_ルネ=モーリス・ガットフォセ(科学者)」

アロマテラピー (Travel the Problem HPより)

ルネ=モーリス・ガットフォセ ウィキペディアWikipedia)より
ルネ=モーリス・ガットフォセ(フランス語: Rene-Maurice Gattefosse、1881年 - 1950年)は、フランスの調香師、香料及び香粧品の研究者、経営者である。
父のルイ・ガットフォセが経営するガットフォセ社で働き、精油の輸入と合成香料の輸出を行う事業に関わり、合成香料の研究を行った。父の会社を引きついで、元々の事業から皮膚や美容分野に事業をシフトさせ、香料や精油(エッセンス)の医療への利用に興味を持って研究した。
1937年に、精油の医療面での利用を扱った本Aromatherapie ? les huiles essentielles hormones vegetales (アロマテラピー、芳香療法)を発刊し、同年に精油と芳香物質の「消毒・防腐・殺菌」の特性にテーマを絞り、Antiseptiques essentiels を発刊した。精油の医療への利用を科学的に研究した初期のひとりで、現在精油による療法を指す「アロマテラピー」は、ガットフォセが命名したといわれる。
香料及び香粧品化学を中心に多数の論文がある。その他に考古学、先史学、哲学、また超能力やアトランティスなどの秘儀的なテーマに興味を持ち、研究を行っている。歴史エッセイやSF小説も出版した。

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脳には妙なクセがある 池谷裕二/著 扶桑社新書 2013年発行
香りの刺激は直接脳に届く (一部抜粋しています)
香りを積極的に生活に取り込むものに、たとえばアロマテラピーがあります。
アロマテラピーという言葉は1920年後半にフランスのルネ=モーリス・ガットフォセによって初めて導入されています。
彼は研究室で化学実験をしている最中、爆発事故を起こし、手に大火傷(やけど)を負いました。しかし、偶然にラベンダーオイルが火傷の痕(あと)に触れ、治療効果のあることに気付きます。一般的にはこれが、アロマテラピーが産声をあげた瞬間だとされています。
もちろん、それ以前にもアロマ植物は医療などの現場に使われてはいました。古いところでは古代中国で使われた香料がそうです。また、古代エジプトでは死体の腐敗防止に、古代ローマでは入浴に、植物由来の天然化合物が活用されています。アロマと人類の付き合いはずいぶんと長いのです。
いわゆる「薬」(生薬や漢方薬)に比べれば、アロマの科学的解明は遅れているといわざるをえませんが、最近では少しずつ、アロマの効能や有効成分について、科学的アプローチによる検証が始まっています。
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ところで、ヒトには五感があります。みる(視覚)、かぐ(嗅覚)、味わう(味覚)、肌で感じる(皮膚感覚)からなっています。この中で「嗅覚」だけは特殊です。
解剖学的に説明すれば、嗅覚以外の4つの感覚は、脳の大脳皮質に届くまでに「視床」という中継点を通る必要がありますが、嗅覚の情報は視床を経由せずに大脳皮質や「扁桃体」に送られます。
思い切った言い方をすれば、「香りの刺激は直接大脳に届く」ということになります。睡眠中でさえも嗅覚情報は脳に届きます。とりわけ、嗅覚系に近い脳部位の1つに「偏桃体」があります。ここは感情に関係した重要な脳部位です。これこそがアロマテラピーの心理効果をここまで高めている理由なのでしょう。
ちなみに、さまざまな調査結果を丁寧に調べてみますと、アロマの心理効果は男性よりも女性により強く現れることがわかります。