じじぃの「人間の社交性と嗅覚の関係・愛のホルモン・オキシトシン?ゾンビでわかる神経科学」

 アリのフェロモン (waka.kindai.ac.jp HPより)

ソフトコンピューティング研究室 近畿大学
●アントシステムアルゴリズム
アリはえさから巣に向かう時、自分の通った道筋にフェロモンを残します。他のアリはフェロモンの道筋があればそれを辿り、フェロモン情報と次の位置への距離情報によって道を選択しながら最終的に短距離間のアリの行進が完成するというアイデア利用
http://www.waka.kindai.ac.jp/tea/kohmoto/gakka/softcomputing.htm
人格障害と嗅覚能力に関連性、豪研究 2012年09月26日 AFPBB News
脳の前頭葉にある眼窩前頭皮質は、衝動や計画性、社会規範に沿った行動などをつかさどる部位として知られている。またこれまでの研究で嗅覚信号の処理でも重要な役割を担うことが示唆されているが、正確な機能は明らかになっていない。
ただし研究は、嗅覚能力が低いことがすなわち人格障害を表すものではないとしている。また統合失調症パーキンソン病アルツハイマー病などで嗅覚障害が現れることがあるという。
http://www.afpbb.com/articles/-/2903949
『ゾンビでわかる神経科学』 ティモシー・ヴァースタイネン、ブラッドリー・ヴォイテック/著 鬼澤忍/訳 太田出版 2016年発行
においは生ける屍の魂を好む (一部抜粋しています)
嗅覚が脳の認知領域と直接つながっているからといって、人間は外界と交流する際に嗅覚を一次性感覚として利用するわけではない。その栄誉に浴するのは視覚と聴覚だけのようだ。実際、人間の嗅覚はほかの動物よりもかなり劣ると考えられている。イヌ科の動物とくらべるとそのひどさが際立つ。だからこそ、人間は数千年をかけてイヌを訓練して家畜化し、狩りを手伝わせるようになったのだ。人間がにおいを頼りにバッファローを見つけようとしたら、どれだけの時間がかかるだろう!
だが、鼻を使って何かを見つけることが、私たちは本当にそんなに苦手なのだろうか? 2007年、『ネイチャー・ニューロサイエンス』という専門誌である有名な実験が報告された。カリフォルニア大学バークレー校の研究者が実に驚くべき事実を発見していた。嗅覚にしか頼れないよう強いられた人びと(目隠し、耳栓、手袋を着用させられている)が、芝生につけられたかすかなにおいを警察犬とほぼ同じように追跡できたのだ。
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人間の社交性と嗅覚の関係は論争の的になっており、いまだに解決されていないが、ほかの動物ではもっとはっきりした結びつきがある。ほとんどの哺乳類は、鼻孔のなかの小さな穴に鋤鼻器(じょびき)という受容体がある。分子を検知するこのちっぱけな受容体はフェロモンにとても敏感だ。フェロモンとは、植物や動物がコミュニケーションをとったり行動を変化させたりするのに使う化学伝達物質である。もう少しいうと、フェロモンは動植物界全体で利用されていて、交尾中のラットの内分泌系を調整したり、蟻が歩いた跡を仲間に知らせたりするのに使われる。
フェロモンにもさまざまなタイプがあって、動物では雌雄選択や交尾に影響したり、攻撃性を高めたり、さらには社会的交流を変化させたりする。人間がどこまでフェロモンの影響を受けるかは、まだはっきりしていない。だが、いくつかの一連の研究によって、人間のもつ信頼感や社交性はある種の神経ペプチド(タンパク質に似た、神経作用を変化させる小さな分子)を用いて操作できることが示されている。たとえば、バソプレシンという神経ペプチドがラットの社会的行動にどう影響するかを示した研究がある。バソプレシンがラットの嗅覚受容体に到達するのを遮断すると、ラットがたがいに仲間を認識する能力は低下する。つまり社会的に盲目となり、コロニー内で自分以外は誰が誰だかわからなくなってしまう。たったひとつの化学物質を遮断するだけで、母親と赤の他人の区別がつかなくなる事態を想像してほしい。
私たちもまた、社会的行動に対する神経ペプチドの影響を受けやすいかもしれない。近頃、多くの通俗的な新聞や雑誌で、オキシトシンという化学物質が注目を集めている。
これは出産の際に脳で分泌されるホルモンだ(実際、ギリシャ語の「速やかな出産」を語源とするオキシトシンは、出産を早めるために母親に投与されることもある)。社会的行動にオキシトシンの果たす役割についてはいまだに論争がある一方、多くの興味深い証拠から、オキシトシン・スプレーの鼻への注入が信頼を高めていることがわかる。それは「向社会的」行動と考えられている。だが、ちょっと待ってほしい。それだけではないので! オキシトシンは自分の属する社会集団の内部で仲間意識を高めたり車騎的行動を増やしたりすると思われるが、外部にいる者への攻撃性を強めることにもなる。したがって、今度誰かがオキシトシンを「愛のホルモン」と呼んだら(メディアでそう呼ばれることが多いのにはいらいらさせられる)、その相手をひっぱたき、いまのはオキシトシンのせいだといってやるといい。

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どうでもいい、じじぃの日記。
「フェロモンは動植物界全体で利用されていて、交尾中のラットの内分泌系を調整したり、蟻が歩いた跡を仲間に知らせたりするのに使われる」
人間の社交性と嗅覚の関係は論争の的になっていて、まだ決着がついていないのだそうだ。
嗅覚は、人間の間でも仲間意識を強める作用があるような気がする。
脳内物質オキシトシンはセックスと関係があるらしい。気持ちが良くなるのはそのせいだとか。