出動!子供科学博士 (36)その「かたち」には意味がある 〜形の科学〜 動画 YouTube
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ミツバチの巣
『ケプラー予想』 ジョージ・G・スピーロ/著 青木薫/翻訳) 新潮社 2005年発行
12球のパズル ケプラー予想の誕生 より
ケプラーは、天体に関する大きなスケールの問題だけでなく、小さなスケールでの自然のしくみにも興味をもっていた。
蜂は六角形のパターンをもつ巣を作り、それぞれの小部屋に床面は3つの四辺形でふさがれている。したがってすべての蜂は(巣の一番端の小部屋に入った者を別とすれば)、側面を挟んで6匹の蜂と隣り合い、さらに床面に挟んで3匹の蜂と隣り合うことになる。部屋の天井は開け放しになっている。なぜなら、宮廷数学者ケプラーがいみじくも指摘したように、もしも天井をふさいでしまえば、蜂は集合住宅の自室から出られなくなるからだ。ケプラーはこの構造に興味を惹かれ、蜂の巣が六角形のパターンになるのはなぜだろうかと考えた。ケプラーによれば、その理由は3つあった。彼の議論にはいくつか穴があるものの、しかしその論法は段階を踏んだみごとなものである。
ケプラーはまずはじめに、六角形は平面を隙間なく敷き詰めることの図形だと述べた。しかし平面を敷き詰めるだけなら正方形と三角形でも用は足せる。なぜ六角形なのだろうか? その答えは、正方形と三角形は六角形よりも面積が小さいため、蜜を蓄える空間が狭くなるからだ、とケプラーは言うのである。しかし、この大学者は、ここでちょっとごまかしをした。というのは、これら3つの図形の面積を比較するためには共通の尺度を決めなければいけないが、かれはそれをやっていないからだ。なんといっても、大きな三角形のほうが小さな六角形よりも面積は大きくなりうるのだから。おそらくケプラーがここで言いたかったのは、周囲の長さが等しい正方形、正三角形、正六角形を比較すれば、面積が一番大きいのは正六角形だということだろう。あるいは、同じ面積をもつ正三角形、正方形、正六角形のなかで、壁の周囲の長さが最小になるのは正六角形だと言いたかったのかもしれない。
いずれにせよ、次にケプラーは、蜂の巣が六角形になる第2の理由に進んだ。ケプラーによれば、蜂にとって一番住み心地が良いのは円形の部屋である。そして平面を隙間なく敷き詰める3種類のタイルのなかで一番円に近いのは、鋭角をもたない六角形である。それゆえ六角形は、三角形および四角形よりも優れているというのだ。しかし、居住性や貯蔵空間の広さや建築資材を節約できることが集合住宅を作る際に指針になるというなら、蜂はなぜ丸い巣を作らないのだろうか? つまるところ、同じ面積をもつ六角形と円では、円形の部屋のほうが壁を作るのに必要な蜜ろうは少なくてすむのだから。
蜂の巣が六角形になる理由としてケプラーが挙げた3番目のものは、それ自体が3つの部分からなっている。第1に、六角形の部屋なら、隣り合う蜂たちのあいだで壁作りを協力し合えるということだ。隣り合う2匹の蜂が、それぞれ自分の側から壁を作っていけばいいのである。それに対して円形の小部屋を作ろうとすれば、どの蜂も自力ですべての壁を作り上げなければならない。第2の理由として、六角形では壁が平面になるため、壁が円形にカーブしている場合よりも蜂の巣は安定し、壊れにくくなるとケプラーは主張した。第3の、おそらくはもっとも説得力のある理由は、円形の小部屋のあいだには隙間ができて冷たい水が入り込んでしまうが、それは避けるべきだというのである。しかし、実を言えば、ここでケプラーは最初の議論をふたたびもち出している。求める図形は平面を隙間なく敷き詰めるものでなければならないというのは、出発点の条件だったからである。しかし、ともかくもこれだけの理由があれば、造物主が蜂に六角形のパターンを刷り込んだ理由は十分に説明できるだろう、とケプラーは考えた。彼はこの問題についてはこれぐらいで切り上げることにしたが、六角形が「美しく、完璧で、高貴」だという点については、ひとこと述べておくべきだと考えたようである。
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『もっと「話が面白い人」になれる雑学の本』 竹内均/編 知的生きかた文庫 2012年発行
ミツバチの巣の一つひとつの穴はなぜ六角形? より
常識的に考えると、丸い穴(巣)がいちばんつくりやすいように思えます。実際、ヘビの巣穴も、カエルの冬眠用の穴も、アリの巣も、たいていの動物の巣穴は丸い穴です。
それなのに、なぜミツバチの巣の一つひとつが六角形かというと、この形が狭い空間でびっしりつくるには、いちばん合理的だからです。丸い穴だと穴と穴の間に隙間ができますが、六角形だと密着して無駄がありません。六角形はミツバチだけではなく、アシナガバチ、スズメバチもそうですから、チャンスがあったら観察してみるといいでしょう。ただ、スズメバチに刺されると七転八倒の苦しみ、下手をするとショック死することもありますから、下手に近づくのは危険です。
ただ不思議なのは、女王バチがいない状態でミツバチに巣をつくらせると、丸い巣穴になってしまうのです。おそらく、女王バチが六角形のための情報を何か出しているのではないでしょうか。
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どうでもいい、じじぃの日記。
ぼけっと、『もっと「話が面白い人」になれる雑学の本』を見ていたら、「ミツバチの巣の一つひとつの穴はなぜ六角形?」があった。
このミツバチの巣の構造はハニカム構造といって、飛行機の翼や人工衛星や建築物に多く採用されている。
ドイツの天文学者ケプラーはこのミツバチの巣の六角形に興味をもっていて、論文を発表している。
「おそらく、女王バチが六角形のための情報を何か出しているのではないでしょうか」
このミツバチの巣の六角形もまだ未解決なままだ。