じじぃの「人の死にざま_1343_ジェームズ・サムナー」

酵素でダイエット!!脅威の酵母菌で酵素を作る②
http://www.youtube.com/watch?v=v_qJed_uSx0
What are Enzymes - How Do They Work? 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=vTQybDgweiE
ジェームズ・サムナー

ジェームズ・サムナー ウィキペディアWikipedia)より
ジェームズ・バチェラー・サムナー(James Batcheller Sumner, 1887年11月19日 - 1955年8月12日)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州カントン出身の化学者で、1946年のノーベル化学賞受賞者である。
17歳のとき、事故で左腕半分を切断した。1910年にハーバード大学卒業。1912年にハーバード医療学校で生化学を学び、1914年に博士号を取得。その後コーネル大学医学部の助教授となった。コーネル大学では酵素の単離に取り組み、ウレアーゼを結晶化することに成功した。しかしながら今まで多くの人が失敗してきたことであったので、すぐにその業績は認められなかった。1926年になって低分子量の酵素も結晶化できるということを示して業績が認められ、そのかどで1929年に教授に昇進した。1937年にはグッゲンハイム研究奨励金を与えられ、5か月にわたってスウェーデンのセオドア・スヴェドベリのもとに滞在した。同年、ジェームズ・サムナーと同様の方法でロックフェラー研究所のジョン・ノースロップペプシンの結晶化に成功した功績でシェール勲章を得た。ノーベル化学賞を1946年に受賞し、1948年には国立科学アカデミーの会員となり、1955年ニューヨーク州バッファローで没。

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『カラー図解EURO版 バイオテクノロジーの教科書・上巻』 インハート・レンネバーグ/著、小林達彦/監修、田中暉夫・奥原正國/訳 ブルーバックス 2014年発行
バイオの歴史:酵素の発見 (一部抜粋しています)
人類の夜明け以来、酵素反応は認識され利用されてきた。古代ギリシャ人の詩人ホーマー(ホメロスとも呼ぶ)はイチジクの汁を添加するとミルクが凝固することを記している。人類は子牛の胃から取れる”レンネット”をチーズ製造に使い、また射止めた獲物はしばらく吊るしておくとおいしくなることを学んだ。しかし、酵素の本格的な研究は18世紀末にようやく始まった。
1つの化合物が別の化合物によって分解を受ける現象は一般に”発酵”と言われ、19世紀初頭には、発酵素(ferment)という特定の化合物による化学変化と考えられた。1814年、ゴットリーブ・キルヒホッフ(Gottlieb Sigismund Constantin Kirchhoff, 1764―1833)は、発芽中の穀粒はでんぷんを糖に変える物質を含んでいることを見つけた。
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組織化した発酵素は、神がすべての生物に生命力を吹き込むという生気論の最後の砦の1つであった。したがって、当初、有機化合物は生命力をもつため実験室ではつくれないと考えられていた。しかし、フリードリヒ・ヴェーラー(Friedrich Wohler, 1800 - 1882年)が無機物質から尿素を合成したことで、この考えは間違っていることが証明された。彼はベルセルリウスへの書簡に「私はもうこらえられないので、あなたに言います。ヒトやイヌの腎臓を必要としないで尿素がつくれます。シアン酸のアンモニウム塩が尿素です」と書いている。
1897年になってようやくリービッピ(Liebig)とパスツール(Pasteur)論争に決着をつける実験がドイツのエドゥアルト・ブフナー(Eduard Buchner, 1860 - 1917年)によっておこなわれた。彼は発酵が生細胞の関与なしで可能かどうか知るため、酵母を大きな乳鉢に石英砂と珪藻土とともに加え乳棒で破砕した。得られた全量を丈夫な粗布に包み油圧プレスで押しつぶした。酵母そのものをまったく含まない酵母に存在するすべての化合物を含む溶出液を、高濃度の糖液に加えて一夜放置したところ、やがて活発な発酵が始まり、二酸化炭素が産生されたのである!
酵母の生細胞がなくてもアルコール発酵がおきる現象を初めて観察したのである。チマーゼという酵素によって糖が二酸化炭素に変換されるという革新的な発見により、彼は1907年ノーベル化学賞を受賞した。発酵が生細胞なしで可能であることを示したのは、パスツールの死の2年後であった。パスツールとリービッピは、彼らなりに正しかった。発酵は微生物によって引きおこされるが、化学変化に実際に携わるのは微生物に含まれる酵素である。酵素は試験管内で、つまり、生細胞外で同じ結果を与えうるのである。
次の発見はまさにセンセーショナルであった。酵素が結晶化したのである! 1926年、米国コーネル大学ジェームズ・バチェラー・サムナー(James B. Sumner, 1887 - 1955年)は初めてタチナタマメから結晶状のウレアーゼを抽出し、それがタンパク質の性質を示すことを明らかにした。1930〜1933年には、ニューヨーク州ロックフェラー研究所のジョン・ノースロップ(John Howard N.op, 1891 - 1987年)が消化酵素を結晶化し、長い論争の末、酵素はタンパク質であるという結論で決着した。サムナーとノースロップは1946年、共同でノーベル化学賞を受賞した。