じじぃの「人の死にざま_1368_ジョン・ノースロップ」

⑨消化酵素 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=ta0QmRk4wPM

ジョン・ノースロップ

ジョン・ノースロップ ウィキペディアWikipedia)より
ジョン・ハワードノースロップ(John Howard Northrop, 1891年7月5日 - 1987年5月27日)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ヨンカーズ出身の生化学者。1946年のノーベル化学賞受賞者として知られる。
1915年、コロンビア大学で博士号を取得。第一次世界大戦では米陸軍の化学戦部隊でアセトンとエタノールを発酵によって製造する研究を行っていた。この研究がきっかけで酵素について学ぶこととなった。
1919年には胃の消化酵素ペプシンの単離、結晶化に成功し、それがタンパク質であると同定した。さらに1938年にはバクテリオファージの結晶化に世界で初めて成功。それが核酸とタンパク質の混合物であることを示した。彼の業績としてはトリプシン、ペプシノーゲン、キモトリプシン及びカルボキシペプチダーゼの結晶及び単離が挙げられる。酵素を解析するには不純物のない純物質を取り出す必要があり、また構造を知るためには結晶をX線回折して調べる必要がある。そのため、彼の研究は酵素の構造解明に一役買ったといえるだろう。

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『からだの中の外界 腸のふしぎ』 上野川修一/著 ブルーバックス 2013年発行
小腸の消化力 (一部抜粋しています)
子どもの頃に、”おなか”をこわすと――下痢や腹痛を起こすと、「消化によいものを食べなければ」と、母親が米からおかゆをつくってくれて食べさせてくれたものである。
日常的なことではないが、僧侶が荒行の途中で数日間の断食を行なった後は、米がほんの少し入った薄いかゆを食べるという話がある。絶食状態から急に炊き立てのおにぎりを食べさせすると、死んでしまうからだと教えられた。実際には、そう簡単にいのちを落とすことはないだろうが、腸の働きが低下すると食物を分解する消化酵素の力も落ちるため、食物をからだに吸収しづらくなり、腸が驚いて働かなくなることに注意を促すものだろう。
植物成分中のたんぱく質や脂質、糖質などを分解する酵素を「消化酵素」と呼ぶ。消化酵素の代表的なものを図(画像参照)に示す。
消化酵素の存在は、19世紀半ばには知られていたが、その性質が明らかとなったのはアメリカのジョン・ノースロップ(1891〜1987年)がペプシンを結晶化し、これがたんぱく質であることを証明してからのことである。ノースロップはさらに、トリプシンやキモトリプシンなどについても単離、結晶化の研究を行い、消化酵素の本体がたんぱく質であることを明確にした。その業績により、1946年にノーベル化学賞を受賞している。
自然界に見出された酵素のなかで、ごく初期の研究の対象が食物の消化に関わる消化酵素であったことは、私たちが生きてゆくためにこの酵素が必須であることを示唆している。消化酵素が生命維持に不可欠であることは、当時の研究者も気づいていたのだろう。