じじぃの「昆虫学者の警告!世界ドキュ」

NOVA: Lord of the Ants 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=wKbj3ZDmvdU&feature=related
E.O. Wilson: Eureka Moment 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=N7eiK3pTz1A
エドワード・オズボーン・ウィルソン フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
エドワード・オズボーン・ウィルソン(1929年6月10日生)はアメリカ合衆国の昆虫学者、社会生物学生物多様性の研究者、バイオフィリア、コンシリエンスなどの理論提唱者、環境保護主義の支援者。世俗的ヒューマニズムブライト運動の支援、および宗教、倫理への対話的姿勢によっても知られている 。
2007年現在、ハーバード大学比較動物学博物館のペルグリノ名誉教授であり、サイコップおよび世俗的ヒューマニズムを推進するCODESHの会員である。
【経歴】
ウィルソンはアラバマ州バーミングハムで生まれた。自伝『ナチュラリスト』によれば、幼少期はワシントンDCの近郊とアラバマ州モービルの田舎を行き来しながら過ごした。
1956年にハーバード大学で講師となり、1964年には動物学教授となった。1950年代末までにはアリ学の世界的権威として知られていた。同じ頃、フランシス・クリックとジェームズ・ワトソンがDNA分子を発見すると生物学者の関心は分子生物学へ向いた。ワトソンがノーベル賞を受賞した後、自然史研究を切手収集になぞらえ、彼の同僚がハーバード大学で「分子生物学こそ唯一の生物学である」と宣言したとき、ウィルソンは彼らの振る舞いを傲慢と見なして反発した。この経験は進化学や生態学などマクロな生物学分野の発展の必要性を感じさせた。そしてロバート・マッカーサー、エルンスト・マイヤーやロバート・トリヴァース、数学者ウィリアム・ボザートといった同僚との接近、(後に反目することになる)リチャード・ルウォンティンやリチャード・レヴィンズらの招聘へと繋がった。
1996年にハーバード大学を定年退職すると、ペレグリノ特別教授職に就任した。同年、アメリカ・ナチュラリスト協会はE.O.ウィルソン・ナチュラリスト賞を創設し1998年から表彰を行っている。
【人間社会生物学への批判】
ウィルソンは彼の社会生物学的視点への激しい批判を経験した。ハーバードでの同僚の幾人か、たとえばリチャード・レウォンティンやスティーヴン・ジェイ・グールドらは彼のアイディアを科学的にだけでなく、道徳的にも政治的にも間違っていると激しく攻撃した。マーシャル・サーリンズは『生物学の利用と悪用』を著して直接彼を批判した。
ウィルソンの社会生物学的アイディアは多くの生物学者からはおおむね好意的に受け入れられたが、人の行動は文化的な基盤しか持たないという思想を好んだリベラル派と保守派の一部を憤慨させた。社会生物学は「氏か育ちか」論争を再燃させ、彼の科学的な視点は人の本性について幅広い論争を引き起こした。彼は、人は文化と遺伝子両方の影響を受けると何度も繰り返し主張し、たとえば社会生物学を出版した直後には社会生物学を悪用しようとする人々へ警告を発した(Willson,1975b)。また、人の振る舞いや本性は遺伝子によって決定されると主張しているという反対者の批判を歪曲だと反論した。ウィルソンの政治的立場は批判者たちと同じく左派的でリベラルだったが、それでも彼は人種差別主義者、女性蔑視者、優生学者、ジェノサイドや社会的不公平を正当化していると告発された。
最も印象的な出来事は1977年11月に起こった。人種差別に反対する国際協会(The International Committee Against Racism 、この団体はグールドやレウォンティンも所属した左翼的知識人のグループ、「人民のための科学」とも繋がりがあった)がAAASの国際会議で、ウィルソンにコップの水を浴びせ、「ウィルソン、おまえはwetだ!(びしょ濡れだ/完全に間違っている)」と合唱した。
このような批判とこれに対する再反論は、社会学者であるセーゲルストローレがバランスよく詳細に振り返っており、批判者たちの側にも誤解や行き過ぎがあったことがみとめられている。

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『世界のドキュメンタリー』 「アリの目で世界を見れば〜ある昆虫学者からの警告〜」 2010年12月2日 NHK BS
制作: Windfall Films & Neil Patterson Productions (アメリカ 2008年)
ハーバード大の昆虫学者、エドワード・O・ウィルソンは、「Biodiversity/生物多様性」という言葉を、初めて公式の文書で用いた人物として知られる。少年時代に小さな昆虫の世界に魅せられたウィルソンは、アリの行動様式の謎解きに取り組むようになる。
アリは食料や敵の所在を仲間に知らせるため化学物質を分泌し、その行動は遺伝子によって決定づけられている。そうした行動を説明するために用いた進化理論を、動物の社会行動の説明にまで適用を広げ、「社会生物学」という新しい学問分野を切り拓く。しかし「ヒト」の行動も含まれると大胆に結論付けたため、世界中で議論を巻き起こすことになる。
やがてウィルソンは、生物多様性の重要さを世に知らしめるスポークスマンになることを決意。「ハイチは世界的に豊かだった生物多様性を失ったため、最貧国となってしまった」などと、途上国の貧しさの理由が生物多様性の損失にあると指摘し、先進国の責任を説く。老いてなお精力的に自然保護活動に励むウィルソンの人生を通じて、人間も動物の一員だという世界観と、生物多様性のもつ意味を静かに語りかける。
友人であるハリソン・フォードがプレゼンターをつとめる。(副音声では、ハリソン・フォードのナレーションを聞くことができる。)
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/101008.html
『養老先生と遊ぶ』 養老孟司/監修 新潮ムック 2005年発行
虫をめぐる冒険 (一部抜粋しています)
「好きに理由なんか要りませんよ。子どものころからいつの間にか目が虫を追っていたんです」
確かにチョコが好きで餡こが嫌いな甘い物好きもいるけれど、理由は聞いてもしょうがなかったりする。
「虫をとっているときだけは、誠心誠意集中するから、本業が虫とりだという気さえ最近はするんです。虫とり好きは、自分のことを『虫屋』って呼んでますけどね。だれになにを言われようと虫をとり続けますよ」
と、いきなり鼻息の荒い養老先生。
虫とりのおもしろいところを教えてもらえますか?
「虫とりをするその土地の気候、地形、植生、そういったことを全身で把握できるんです。つまり、虫っていうのは『自然』の一部をこちらに見せてくれるものなんです」
虫は、彼らが棲んでいる自然をわかりやすく表わしているというのだ。例えば、長い間同じ場所の虫を定点観測すれば、その土地の自然がどのように変化したか、それもわかる。
「虫の多様な種類の広がりを知れば知るほど、自然の尊さが実感できると思うんです。多様性や、自分の力の及ばない自然の偉大さを知る、ということは、他人に対しての優しさや想像力にも結びつくものなのかもしれない。どんなにすばらしいロボットやロケットを作っても、いまだに人間はハエ一匹だって作り出せないんですよ。生物の命は作り出すことはできない。そんなことは虫を見ていたらわかることなんです」
小さい頃から「虫」を見続けたことは、養老先生の「観察眼」や自然への態度に大きな影響を及ぼした。
「だからね、『子どもがなにしでかすかわからない』なんていう親がいたら、虫とりやらせとけ、って言うようにしてます」

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どうでもいい、じじぃの日記。
12/2、再放送だったがNHK BS 世界のドキュメンタリー「アリの目で世界を見れば〜ある昆虫学者からの警告〜」を観た。
大体、こんな内容だった。 (手抜きしている)
今年の10月、名古屋で開催されたCOP10生物多様性条約第10回締約国会議」に参加していた、ハリソン・フォードがこの番組の主人公エドワード・O・ウィルソンについて簡単に紹介するところから始まる。
ウィルソン博士は、初めて公式の文書で「Biodiversity/生物多様性」という言葉を用いた人物だ。
博士は少年時代に小さな昆虫の世界に魅せられて、アリの行動様式の謎解きに取り組むようになった。
なぜ、他の虫でなく、アリだったのか。
ウィルソン博士、「アリはたくさんいて、興味深かったからです」
13歳のときアラバマ州で新種のアリを発見したのがきっかけだった。
世界中のアリを探して歩いた。メキシコ、キューバニューカレドニアギニア・・・。
アリたちが食べ物や敵の所在を仲間に知らせるため、どのように情報を他のアリに伝達しているのか、つきとめようとしました。
何らかの化学物質が関わっていると考えました。食べ物を見つけたアリがお尻から分泌物を出してサインを残します。
ヒアリは10〜20種の分泌物を出すことが分かりました。アリにオレイン酸を付けると他のアリはそのアリを傷ついたアリとしてゴミ捨て場に捨てにいくのです。
ウィルソン博士はあらゆる動物の根源は何か、に挑戦しました。そしてこのアリの行動を「ヒト」の行動も含まれると結論づけたのです。
ヒトの行動は遺伝子で決定されるのではなく、環境のほうが大きいとする考えが主流になっていた時代、世界中で議論を巻き起こすことになったのです。
このウィルソン博士の考えを支持した人物にノーベル医学生理学賞を受賞したDNA二重らせんの発見者ジエームス・ワトソンがいました。彼は人種差別的発言をした人です。
「ヒト」の行動がウィルソン博士が言うようにどこまで遺伝子によって束縛されているのだろうか。
とにかく、ウィルソン博士が「生物多様性」を最初に言い出した人物なのです。
ずっと、昆虫の世界を研究してきた博士が最後に言った言葉。
ウィルソン博士、「今度、生まれ変わったら微生物学者になりたい」
じじぃの感想
アリに魅せられたウィルソン博士がアリと「ヒト」を同じように捕えたというのは飛躍しすぎではないだろうか。
アリが賢い動物であることは分かるが。