じじぃの「繁殖干渉・人間が絶滅してもダニは残り続ける!生物学入門」

The 27th First Annual Ig Nobel Prize Ceremony (2017)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yNwLfRpNHhI

ダニ

バイオレンスなアリ、ジェントルなダニ…昆虫学者が魅了されるムシたちの壮絶なるサバイバル交尾

2017/11/19 週プレNEWS
オスとメスの生殖器が逆転し、メスにペニスが生えた新種を発見――。今年、「イグ・ノーベル賞」の受賞した北海道大学の吉澤和徳氏(農学研究院准教授)の研究成果はあまりに衝撃的だった(前回記事参照)。
今回は、ヒアリ&マダニ騒動で忌避される存在となったアリとダニを中心に、ムシたちの交尾をめぐる特殊な生態に迫る。ナビゲーターは昆虫学者のお二人、ダニ博士の島野智之氏(法政大教授)とアリ博士の村上貴弘氏(九州大准教授)だ。
村上 確か“交尾ガード”をするダニもいましたよね?
島野 ハダニですね。普段は葉っぱの上でのんびり暮らしているんですが、メスは1回交尾すると精子の貯蔵タンクが満杯になるので、2回目以降の交尾は無効になります。するとオスが精子を渡しても産卵には生かされないので、オスは処女メスを確実に獲得することが重要になってくる。そこで交尾ガードを行なうんです。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw3079283

『これからの時代を生き抜くための生物学入門』

五箇公一/著 辰巳出版 2020年発行

生物学と未来 より

人間が絶滅しても生物は残り続ける

地球に生命が誕生してから38億年の歴史があり、この長い生物進化の歴史の中で、地球上の生物が大量に死滅する大絶滅が5回あったとされます。それらの絶滅の原因は、地質変動や隕石の衝突による気候変動とされます。
絶滅が起こったとき、その時点の種の90%近くが消滅することもおかしくはありません。そして、新たなる環境に適応する種が進化を始め、新たなる生物多様性が創り上げられていきます。
    ・
細かい種分化の例を挙げてみましょう。笹の葉に巣を作るスゴモリハダニというダニがいるのですが、このダニには近縁な2種が存在し、2種とも同じ笹の葉に生息します。狭い葉の上で、2種間は微妙な葉上の環境の違いによってすみ分けています。
しかし体の構造もそっくりの近縁の2種が近接して生息しているので、2種間には交雑が起こる可能性があります。場合によっては雑種ができて、遺伝的に同化してしまいます。あるいは、繁殖干渉といってお互いの卵子の受精を妨げてしまう現象が起きて、どちらかが滅んでしまうのです。いずれにしても種間交雑はお互いに集団を持続させる上で好ましくない結果を生みます。
そこで、彼らはお互いに同種を間違わないように体の一部分の長さを少しだけ異なるように進化させました。

この2種のダニは、お尻の方に交尾器があり、オスとメスがお尻の先を交接することで交尾が成立します。そのとき、オスとメスの体の長さが一致しないと交尾できません。2種間で、一方の種がオス・メスの体長をもう一方の種に対して、微妙に短く進化させたのです。

    ・
この体長の微妙な違いによる種間交雑の回避、すなわち生殖隔離の機構は最近発見されました。まさにダニの種分化のための涙ぐましい努力というわけです。こんな微妙な差に気づいた研究者の努力も涙ぐましいですが(笑)。

                  • -

どうでもいい、じじぃの日記。
繁殖干渉・・・ある生物種の繁殖が近縁種に邪魔されること。雑種形成や結実率の低下により、邪魔された種が減少する。ある害虫のオスを人為的に不妊にして放虫し、防除する手法に適用されている。
  彼らの交尾は2~3日間に及び、メスの陰茎の根元に生えたトゲトゲが、挿し込んだ際に内側から碇のようにはたらき、抜けるのを防いでいます(痛そう・・・)。
  これは、産卵や妊娠・育児が大変なメスにとっては、良い子供を残せるように優秀なオスを相手に選んだ方が有利だから、オスはがんばらないと相手にしてもらえないのだ、という風に考えることができます。
       https://blog.miraikan.jst.go.jp/articles/2017091511.html
だそうです。