じじぃの「人の死にざま_258_武者小路・実篤」

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あの人に会いたい 小説家 武者小路実篤
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実篤記念館ウェブ
http://www.mushakoji.org/
『20世紀命日大事典』 蕪木和夫/著 風塵社 1999年発行
4月9日−武者小路実篤 (作家)
自然主義を旨とする白樺派を代表する作家。そして私にとっても忘れ難い人である。というのも10代の頃、死の恐怖にさいなまされてどうしようもない無気力状態に陥っていた時、武者小路の文学に出会い、とりあえず救われたことがあったからだ。
高らかに謳いあげる生命賛歌の文学。我は天をめざして伸びてゆく杉のように生きる也。自殺を徹底的して否定した彼の文学は日々、生きることへの感謝が息ずいていた。
しかし、日向に理想の村。その名も新しき村を開いたあたりから苦労知らずの公家の出のお坊ちゃまとずいぶんとその甘さが叩かれもした。
私自身も10代から20代に傾倒していた頃の武者小路イズムはかなり抜け落ちてしまっている。
けれども円満大成型の作家らしく、92歳での天寿はいかにもその生きざまを実践した武者小路実篤らしくあったように思う。

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『人間臨終図巻 下巻』 山田風太郎著 徳間書店
武者小路実篤 (1885-1976) 92歳で死亡。 (一部抜粋しています)
昭和49年、89歳の武者小路実篤はPR誌「うえの」7月号に、ゴッホの自画像について次のような文章を書いた。
「彼はその画をかいた時、もう半分気がへんになっていたろうと思うほど神経質な顔になっていたように神経質な顔をして、この顔を見ればもう生きていられないような、神経質な顔をしていた。僕はこれでは生きていられないと思った。実に神経質な顔をして、もう生きていられないほど神経質な顔をしていた」
翌50年、90歳の彼は、同じく「うえの」5月号に次のような文章を書いた。
「児島が、電車で死をとげた事を知った時も、僕は気にしながら、つい失礼してしまった。児島にあえば笑ってすませると思ったが、失礼して、今日まですごして来たわけだ。もちろん逢えば笑ってすませることだろうと思う。児島とあえば笑ってすませるのかも知らないが、児島の事を思うとつい笑ってすまない顔をしてしまうかも知れない。児島は逢えば笑ってすませると所と思うが」
また。
「僕は人間に生れ、いろいろの生き方をしたが、皆いろいろの生き方をし、皆てんでんにこの世を生きたものだ。自分がこの世に生きたことは、人によって実にいろいろだが、人間には実にいい人、面白い人、面白くない人がいる。人間にはいろいろな人がいる。その内には実にいい人がいる。立派に生きた人、立派に生きられない人もいた。しかし人間は立派に生きた人もいるが、中々、生きられない人もいた。
    ・ (同じ文章が続く)
皆、人間らしく立派に生きてもらいたい」
脳髄解体。――――
正宗白鳥武者小路実篤は、前者は厭世主義の、後者は楽天主義の、同じレコードを一生まわしつづけた人であった。それでいて双方とも、読む者を飽かしめなかったのは。それがホンモノであったからだ。
が、さしもの楽天主義の歌も、これでは1回転ごとに針がもとにもどるレコード化した観がある。
昭和50年春、夫人がガンで入院した。彼は妻のいない朝食のテーブルで箸を持ったまま、母親を失った子供のように涙ぐんでいた。
昭和51年1月25日、妻の見舞いへ病院に行ったが、そのあと倒れた。脳出血であった。妻は2月にはいって死んだ。
だれもそのことことを知らせなかったのに、実篤は以来食事をとらなくなり、ものをいわなくなった。そして4月9日夜、娘2人、孫7人に囲まれてこの世を去った。

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武者小路実篤の言葉
「仲良きことは美しきかな」
「君は君、我は我なり。されど仲よき」
「この道より我を生かす道はなし、この道を行く」

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