じじぃの「たらい回しゼロ・救急車!スパモニ」

救急搬送36回断られ呼吸困難の男性が死亡 埼玉・久喜 (追加) 2013.3.5 MSN産経ニュース
埼玉県久喜市で1月、呼吸困難の症状を訴えて救急搬送された同市内の男性(75)が、25病院から計36回受け入れを断られ、通報から約2時間半後に死亡していたことが5日、久喜市などへの取材で分かった。
久喜市などによると1月6日午後11時25分ごろ、1人暮らしの男性が「呼吸が苦しい」と自ら119番通報した。自宅に到着した救急隊員が埼玉県東部や茨城県など周辺の25病院に救急搬送先を照会したが、「処置困難」「ベッドが満床」などを理由に受け入れを断られたという。
翌7日午前1時半ごろ、37回目の照会で茨城県内の病院への搬送が決まり、約20分後に到着したが、男性は病院で死亡が確認された。男性は当初、会話が可能な状態だったが、搬送先が決まるまでの約2時間10分の間に容体が悪化したとみられる。
問題を受けて久喜市は救急患者の受け入れに努めるよう周辺病院に要請した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130305/crm13030512060004-n1.htm
shisatu-houkoku2006.7.28
*フランス SAMU
フランスの救急制度は医師が中心である。救急電話を取るのも、事故現場に向かって走るのも、救急患者に最初に手を触れるのも、常に先頭に立つのは医師である。その方がはるかに救命率が高いことは、世界中の多くの事例研究や実績によって証明されている 。 しかも、医師が一刻も早く現場に到着するために、高速自動車やヘリコプターが使われる。救急車は後から遅れてきても構わない。それは患者の搬送手段であって、医師の移動手段ではないからだ。医師はもっと高速の、別の手段を使って救急車よりも早く現場に行き、そこで最初の治療を行う。それによって患者の容態をひとまず安定させ、それから病院へ送り込む。救急車は、そのときまでに到着すればいいのである。
 このようなフランスの救急制度はSAMUと呼ばれる公的機関によって遂行されている。SAMU(サミュ:Service d' Aide Medicale Urgente)とは日本語にすれば緊急医療救助サービスとでもいえようか。その設置は1986年の法律で決められた。 SAMUの構造はフランス全国を自治体単位によって105の区域に分け、それぞれの地区を担当する独立の支部を置いている。その中で最も大きな組織がパリ支部で、「サミュ・ド・パリ」と呼ばれる。
 パリのSAMUは大きな大学病院に本拠を置く。ほかのSAMUも原則として病院に拠点を置いている。各拠点には救急発動の指令センターがある。センターには特殊訓練を受けた交換手と専門の救急医が24時間待機していて、無料の救急電話「ダイヤル15」が掛かってくるのを待っている。パリの場合は、このセンターに交換手と医師を合わせて常に10人近いスタッフが詰めている。
 救急要請の電話がかかってくると、まず交換手が出て相手の名前、事故の場所、患者の症状など一通りのことを聞く。その後は医師が電話を引き継いで専門的なことを聞く。もとより全ては秒単位で行われる。
 ここに詰めている医師は「メディカル・ディスパッチャー」と呼ばれる。その判断によって次の対応策が決まる。最も簡単な場合は、かかってきた電話で医学上のアドバイスをするだけで終わることもある。しかし問題が難しい場合は近所の開業医に往診を依頼する。それができないときは救急車を派遣するが、それには必ず医師が乗って行く。
 さらに事態が切迫し、生命の危険が想定されるときは、医師をのせた高速自動車を走らせ、それを追って救急車を送り出す。距離が遠い場合はヘリコプターに医師をのせて送りこむこともある。
 また死傷者が何人も出るような大災害の場合は、何台もの高速車や救急車を走らせる。担当区域の車や医師だけで間に合わない場合は、近隣のSAMU支部へ応援を依頼する。
 このように緊急電話を受け、その内容を判断し、対応策を考え、指令を出すーーその全てが救急専門の医師によって行われる。その指示を受けて行動するのも医師である。フランスの救急態勢は医師を主体として動いているのだ。
 余談ながら、フランスの国土は日本の約1.5倍である。日本にも全国に130か所ほどの救命救急センターがある。この救命救急センターで緊急要請の電話を受け、医師が直接対応し、判断を下すのがSAMUのやり方だと思えばいいであろう。いずれにせよフランスでは、日本の今のやり方とは全く異なる救急体制が取られているのである。
http://www.koiwai.org/sisatu040121/shisatu-houkoku2006.7.28.html
スーパーモーニング」 2010年5月6日 テレビ朝日
【レギュラー出演】 やくみつる東ちづる、玉川徹、鳥越俊太郎赤江珠緒、その他
玉川 フランス緊急取材“たらい回しゼロ”を実現する医療システム

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5/6、ぼけっと、テレビ朝日スーパーモーニング』を観ていたら「玉川 フランス緊急取材“たらい回しゼロ”を実現する医療システム」をやっていた。
日本では、救急車で運ばれた妊婦などが救急搬送受け入れ先が見つからず、いくつもの病院から受け入れを拒否され死産してしまったとかよく聞くが、フランスではゼロなのだそうだ。
日本とフランスではどう違うのか。
テレビ朝日キャスタの玉川さんがフランスに出かけて取材したのを解説する。
パリと日本の比較
人口  パリ 約300万人   東京 約1300万人
救急車     15台         229台
フランスで
玉川 日本では「たらい回し」があるが。
回答 過去にはあった。今は効率のいい救急制度が確立されている。患者からの緊急の要請に対して医者が判断する。救急車が必要かどうか、医者が判断して決めるので15台で十分足りている。
玉川 日本では病院を選ぶのは救急車だが。
回答 コールセンターの医者が受け入れ先の病院を探す。救急車には医師が同乗する。
玉川さんのぶつぶつ。医者に必要ないとされた患者が本当に必要なしでいいのでしょうか?
玉川 どんな患者だったのか。
回答 感染症の患者だった。患者に直接、薬局で薬を買うように処方箋を書いて渡した。
フランスでは医者がパリ市内で24時間、自分で車を運転してぐるぐる回っている。SAMU(サミュ)から連絡を受けた車でぐるぐる回っている医者に連絡が行くようになっている。
SAMUは医療部門の調整を行う。コールセンターがあり、それに応じて調整をしてどの病院に送ればいいかということを判断する。
コールセンターには特殊訓練を受けた交換手と専門の救急医が24時間待機していて、無料の救急電話「ダイヤル15」がかかってくるのを待っている。パリの場合は、このセンターに交換手と医師を合わせて常に10人近いスタッフが詰めている。
スタジオで
玉川 例えば、僕が胃が悪く、SAMUにかかったら77ユーロ(9600円)取られる。後でほとんど戻ってくる。
フランスでは、自己負担をして、後で戻ってくるので実際はゼロになる。
共済保険 --- 非営利団体なので個人負担がない。後で戻ってくるシステム。(日本の健康保険のようなもの)
民間保険 --- 営利目的なのでお金がかかる。
日本の119番にあたるものがフランスのSAMUである。まず、SAMUに連絡が行き、緊急を必要としない場合はSOSメドサン(民間の24時間往診サービス)へ連絡が行く。
SAMU、SOSメドサン、かかりつけ医、お互いがカバーし合って患者のたらい回しを防いでいる。
フランスでは一般に「かかりつけ医」の診療を受け、一般の病院にいく。糖尿病などの場合、「かかりつけ医」に登録する。登録したことで7割負担してくれる。
じじぃの印象
日本は医療水準は世界のトップクラスなのだという。
しかし、「たらい回し」はよくない。