じじぃの「未解決ファイル_81_人間がいなくなった地球」

The Day After (Attack Segment) 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=7VG2aJyIFrA
都市伝説 アインシュタインの予言 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=uU7nKQiNdLU
『自然はそんなにヤワじゃない―誤解だらけの生態系』 花里孝幸/著 新潮社 2009年発行
生態系は誰のためにあるのか (一部抜粋しています)
先日、「アフター・デイズ」というDVDを観た。2008年にドイツでつくられた作品で、ある日、地球上からすべての人間がいなくなったら地球はどうなるか、という疑問に対して、科学的な知見に基づいた予測をし、それを映画化したものである。
それによると、人がいなくなると、まもなく発電施設が泊り、それまで夜がなかった都市部でも、暗闇が夜を支配するようになる。民家の建物が朽ち、自由になったペットたちが野生化する。地面をコンクリートが覆っていた都市部では、道路のコンクリートがひび割れし、そこで植物が根を張るようになる。ビルのコンクリートにもひびが入り、中の鉄筋がさびるようになり、ビル群が倒壊を始める。そして、ついには都市部も樹木に覆われるようになるのだ。また、河川が流れる都市では、上流のダムの決壊によって洪水が起き、都市は崩壊して沼地が復活する。このような過程を経て、地球上で人類が生活していた痕跡が、しだいに失われていくのである。
DVDの中で述べられた、「自然の生態系を取り戻すには、ただ人間が地球から立ち去るだけでいいのだ」ということばが私の心に刺さった。また、「人間は1万年をかけて世界中の木を伐採してきたが、人間がいなくなればたった500年で森が復活する」ことが強調されていた。
この作品を観終わった私の感想は、「生物たちはとてもタフだ」、ということである。これは、第3章で私が使った言葉と同じだ。先に話題にした、「山が攻めてくる」という農家の方の言葉も、そのことを表している。
今、人間が地球生態系を大きく変えて様々な環境問題を生んでいる。しかし、個々の生物種を考慮せず、生態系全体をひとつの生命体のように考えてみると、人間の働きなどはたいしたことではないのである。生態系は大変柔軟で、人間によって変えられた環境にいかようにも適応して、自らの姿を変えるのである。そして、虎視眈々と人類が地球から立ち去るのを待っているようにも思えてくる。
生態系は、ある意味、とても冷淡な存在なのかもしれない。現在の生態系に適応できなくなった生物種を、容赦なく切り捨てる。もちろん人類も例外ではない。したがって、われわれは、人類が地球生態系から見放されないように努力しなければならない。人類が生態系に大きな影響を与え続けていると、変化した生態系の中で生きていけなくなるだろう。すなわち、生態系に見放されるのである。
われわれは「生態系保全」という表現を使っているが、これは、壊れやすい地球生態系を守るということではなく、人類が生態系からはじき出されないようにするということなのである。私が「生態系は人類のため」と言ったことには、その意味がある。
ここで、「アフター・デイズ」の最後の言葉が私の脳裏によみがえった。
「地球には人間はいらない。だが、人間には地球が必要なのだ」

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どうでもいい、じじぃの日記。
作家の立松和平さんが亡くなって、もうすぐ1ヵ月になろうとしている。(2010年2月8日死亡)
独特の語り口で、自然と人間の生き方を話す人だった。
立松さんのこの「アフター・デイズ」の感想はどんなだったのだろうか。
「自然に見守られて、だから私たちは、こうやって生きていられる・・・・」
とか、聞こえてくるようだ。
「地球には人間はいらない。だが、人間には地球が必要なのだ」
立松さんの言っていたことが重く思いだされる。

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【集う】立松和平さんを偲ぶ会(3月27日、東京都港区の青山葬儀所 2010.4.13 MSN産経ニュース
■常に時代と人間を見据えていた
「君は今、どこを旅しているのだ。和平さん、君の人生は旅であった。小説の旅を、和平さんとぼくは40年にわたって並走してきた。20代のころ、作家としては惨めだった。惨めさを共有した唯一の友人だった」
偲ぶ会実行委員会委員長の作家、北方謙三さんは弔辞でこう語りかけた。いつもの威風堂々とした姿はない。その背中は、迷子の少年のように小さく、不安げで、寂しそうだった。
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/100413/acd1004130816006-n1.htm