じじぃの「ビル・エモット!日本への提言」

環境車の安全に日本案 国連採用、世界標準に 2010年1月1日 NIKKEI NET
ジュネーブ=藤田剛】自動車の世界標準を決める国連の専門組織は2010年3月に国際協定を改正し、ハイブリッド車や電気自動車の安全基準を新設する。31日までの交渉で、日本の提案した基準がほぼそのまま世界標準に採用されることが固まったトヨタ自動車の「プリウス」、ホンダの「インサイト」などは現行仕様のまま世界各国で販売できるため、シェア拡大の追い風となりそうだ。
 国連欧州本部にある「自動車基準調和世界フォーラム」が安全基準を新設する。同フォーラムには日米欧や中国など53ヵ国・地域が参加。各国はここで決まった基準に合わせて国内基準を策定する。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100102AT2M3100U31122009.html
『週刊ダイアモンド 総予測 2010』
ビル・エモット 規制緩和と高福祉は両立可能 特別インタビュー (一部抜粋しています)
−−では、具体的にどうすればよいというのか。
 なにも難しいことを言っているわけではない。マーケットキャピタリズムソーシャリズムを加味した経済運営を目指す鳩山政権の所信表明演説の中身そのものは高く評価できるので、後はそこからぶれないことだ。
 具体的には、まず既得権益を突き崩し富の再配分を目指すこと。その意味で、郵政問題は真逆の対応を取ろうとしている。むしろやるべきことは、公正取引委員会独占禁止法執行能力の抜本的な強化とセットで、既得権益化している分野が多いサービスセクターでさらなる規制緩和を進め、内需を活性化させることだ。電力しかり、通信しかりである。
 そして同時に、社会的なセーフティセット(安全網)を拡充することだ。この点は、欧州に学べることが多いはずだ。
−−欧州の教訓とはなにか。
 英国、特にトニー・ブレア前政権の内政上の成果から学べることはたくさんあると思う。ブレア氏は政権末期はひどい不人気だったが、あれだけ長く首相の座に居ればやむをえない部分もあるし、そもそも支持率急落の主因はイラク戦争だった。
 内政に目を転じれば、市場主義志向でありながら、同時に社会主義と平等性を目指すことは不可能ではないと示した人物だ。
 一例を挙げれば、1999年の最低賃金制度の再整備とその後の引き上げだ。当時、私は「エコノミスト」(英国の週刊誌)の編集長であり、最低賃金の引き上げは企業経営者の雇用意欲を削ぎ、失業率の上昇を招くだけだと警鐘を鳴らしたのだが、結果として、そのような事態には陥らなかった。
 私は、日本は最低賃金の引き上げを不況下でも検討したほうがいいと思う。確かに失業率は上昇するかもしれないが、それ以上に貧困層の賃金水準の改善を通じた、所得の再配分効果が期待できることは英国の経験が証明ずみだ。
 また保護され恵まれた正社員という労働者グループと劣悪な環境に置かれた非正規社員という未保護労働者グループに分かれてしまっている労働者市場の2層構造の解消も急務だ。これは、社会正義の実現のためであることはもちろん、内需活性化という点からも非常に有効な改革だ。
−−あなたは小泉政権下の2006年1月に出版した著書『日はまた昇る』(草思社)で長期的には日本の先行きについて楽観視していたが、今も日本は復活すると信じているのか。
 まず率直にいって、あの題名がやや時期尚早だったことは認める。ただ『日はまた昇る』の中で私が掲げた日本復活の諸条件は、実現不可能なことではない。その諸条件とは、つい先ほど私が語ったことにほかならない。 今の日本では、構造改革あるいは改革という言葉は、格差拡大を連想させ、忌避(きひ)される言葉なのだろうが、それは日本にとって不幸な話だ。社会主義の観点から失業者や低賃金労働者に対して安全網をより効果的に整備し、福祉を立て直すことは、規制緩和や撤廃と両立可能だ。そこを誤解している議論が、世界景気の悪化の影響を受け始めた以降の日本には特に多過ぎるきがする。その誤解を解くことは、鳩山政権の責務だ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
2010/1/2は新聞が正月で休みだ。
1日の新聞に、今後の2010年の予想が各紙に載っている。各紙(3紙)では日本が中国にGDPで抜かれ、これからの日本について悲観的なことを書いている。
新聞なので誌面の記事では具体性が欠ける。私の知っている識者たちはどんなことを言っているのか、気になって本屋に行った。
『週刊ダイアモンド 総予測 2010』に「ビル・エモット 規制緩和と高福祉は両立可能」が載っている。
エモット氏はアメリカの大統領選の最中に「アメリカの次期大統領は誰か」という質問に「オバマ」と応えていた。
リーマン破綻からの金融危機の直後に出版されたエモット氏の『世界潮流の読み方』を読んでから、まだそれほど日が経っていない。
『世界潮流の読み方』では中国とインドがこれからの世界に重要な国になるだろうとしつつ、インドについて多くのページが割かれていた。この本で初めて超低価格の自動車「タタ・ナノ」を知った。
そのエモット氏が日本について提言をしている。
「1999年の最低賃金制度の再整備とその後の引き上げだ。当時、私は「エコノミスト」(英国の週刊誌)の編集長であり、最低賃金の引き上げは企業経営者の雇用意欲を削ぎ、失業率の上昇を招くだけだと警鐘を鳴らしたのだが、結果として、そのような事態には陥らなかった」
がある。
エモット氏は実際の経験で、「最低賃金制度の再整備とその後の引き上げ」に反対だったのは自分の考えが間違いだったことを率直に認めて、提言しているのである。
話は変わって
1日の日本経済新聞に「環境車の安全に日本案 国連採用、世界標準に」が載っていた。
まだまだ、日本も捨てたもんじゃない。