『科学の謎』 未解決ファイル 日本博学倶楽部 PHP文庫 2008年発行
オスからメスへ、メスからオスへ コロコロと性転換する魚のミステリー
・性転換が自由にできる魚たち
魚の中には変わった生態を持つものがいる。
その魚は卵巣と精巣の両方を持ち、自由に性転換するのである。ハゼ類、ハナダイ類など世界で約300種類が知られていて、それらはメスからオスへ、またはオスからメスへと性別を変化させる。
たとえばクロダイは、幼魚期にはすべてオスだが、大きくなるにつれ、メスに性転換する魚が出てくる。体が大きいほうが卵をたくさんつくれるので、小さいときはみんなオスで精子を提供し、大きくなるとメスになり、卵を産むのである。
一方、ベラ科のキュウセンのようにメスからオスに変わる魚もいる。これは、一匹のオスが多くのメスを独占する魚に多いパターンだ。小さいときはメスとして卵を産み、大きくなったらオスになる。そして、多くのメスを従えて、卵を産ませるのである。
そんな性転換をする魚のなかでも、一番面白いのは環境によってメスからオス、オスからメスへと自由に変わる魚たちだろう。
たとえば、ベラ科の魚類のなかには、個体が置かれている環境によってメス、オスのどちらにでも変わる魚が多く存在している。
それらの魚は大きなオスがハーレムをつくって、多くのメスを従えているが、何かの理由でこのオスがいなくなるとグループ内で一番大きいメスがオスになる。ただし、もといたオスが戻ってくると、先ほどオスになった魚は再びメスになる。なんとも不思議な現象だ。
こうした性転換は、子孫を多く残すために行っていると考えられている。
・わかっているのはホルモンが働いていること
では、性転換を行う魚の体内ではどのようなことが起こっているのだろうか。そのメカニズムはまだ完全に解き明かされているわけではない。しかし、最近の研究によって、その一部が明らかになりつつある。
研究によってわかったのは、魚の性転換のけん引役となっているのは、どうやら性ホルモンだということだ。
メスは卵形成に必要なエストロゲンというメス性ホルモンをつくるアロマターゼという酵素の活性が強い。ところが、性転換が起こる状況に置かれると、アロマターゼが急激に抑制され、エストロゲンが減少。すると、卵がみるみるうちに消失し、卵巣がどんどんしぼむように小さくなっていく。その後、すぐにオス性ホルモンであるアンドロゲンの働きが強まり、精巣が出来上がるといいう仕組みである。
逆に、オスからメスに性転換するときには、アンドロゲンが減少し、精巣が縮み、エストロゲンが増加し、卵巣が出来上がる。
現在わかっているのはここまでである。
先述したベラ科の魚類の一種のように環境でメスからオスに変わる魚は、自分より小さなメスがいることを目で確かめることを契機に性転換していくとされているが、こうした視覚刺激がどのような影響を及ぼしているのか、わからない。
魚の性転換の謎のベールを解き明かすためには、さらなる研究が必要なのである。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
『生き残る生物 絶滅する生物』 泰中啓一／吉村仁 日本実業出版社 2007発行
第4章 次世代に残す最適な子孫の数は （一部抜粋しています）
・03 性転換する魚たち
●あぶれオスをなくす魚の性転換
ほとんどの有性生殖をする生物は、オスとメスの区別がはっきりしています。しかしクマノミやホンソメワケベラなどサンゴ礁に棲む魚たちは、容易に「性転換」を行なっています。性転換とは、環境条件によって性が転換することです。
イソギンチャクとの共生で知られるクマノミでは、「一夫一妻」の婚姻システムをとり、ペアで棲むことが多いです。そして、大きい方が必ずメスです。小さいときはオスとして育ち、やがて大きなメスと夫婦になります。しかし、ペアであるメスが死ぬと、自分がメスへと性転換し、今度は小さいオスと夫婦になります。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
魚の性転換〜子孫を残すための戦略〜 るいネット
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=158303
どうでもいい、じじぃの日記。
水族館でよく見るクマノミ。イソギンチャクの中でいつもツガイでいる。「一夫一妻」なんだ。
ツガイのメスが死んでしまうと自分がメスへ「性転換」してしまうのだという。
そんなに簡単に「性転換」してもいいのかね。
『科学の謎』の本に「わかっているのはホルモンが働いていること」がある。まだ、どういうきっかけで「性転換」するのかは分かっていないらしい。
「子孫を多く残すため」。まぁそうだろうな。
じじぃが我を考えて思うに、「子孫を多く残すため」はエッチをすることと思うんだが。
果たして、クマノミもエッチしたいがために「性転換」するのだろうか。
