じじぃの「謎だらけのミノムシ(蓑虫)・なぜか悲しい愛の極致!生物が子孫を残す技術」

Psychidae 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=k2TbwMHApss
ミノムシ(蓑虫)

「ミノムシ」に関する雑学 2015/09/08 秋から冬の風物詩
ミノムシといえば、秋から冬にかけて木にぶら下がっている姿をよく見ましたよね。
成虫となっても羽や手足もなく、蛹の殻の先端を押し上げるだけで、蛹の中に入っています。
頭部と胸、体の大部分である腹部に卵がいっぱい入っています。
その状態で特殊な匂いを放ち、オスを誘います。
オスは雌を発見すると、ミノの末端から腹部を差し込んで交尾をするのです。
まさしく、子孫を残すためだけに進化してきた形態なのです。
http://kens11.com/2015/09/06/post-871/
『生物が子孫を残す技術―生物界の大胆な愛と性』 吉野孝一/著 ブルーバックス 2007年発行
ミノムシの愛の極致 より
愛の極致(子孫を残すための極端な行為)はミノムシでも見られる。小枝や梢にぶらさがっているあのミノムシ(蓑虫)である。普通、桜や柳などの冬枯れの小枝にくっついていて、北風に揺れている。最近あまり見かけなくなったが、これも都市化に伴う棲息域の環境悪化のなせるわざか。
ミノムシというのは俗称で実はミノガという蛾の幼虫なのである。春までぶらさがったまま、蓑の中でじっとしている。日本にはオオミニガ、チャミノガなど20種類が知られている。多くは暗褐色の翅をもつ蛾で、大きさもせいぜい2.5センチメートルくらいである。ところが蓑から出て飛び回るのはオスだけで、メスは翅も脚も生えず蓑の中に閉じこもったまま一生を送るのである。それでは交尾はどのようにするのだろうか。
寒空に揺れているミノムシに雌雄があるのは当然だが、外観では区別できない。冬を越したミノムシの幼虫は春が来ると餌を求めて動き回る。蓑をしょって歩く姿は何ともひょうきんである。木の葉などを食べて徐々に大きくなる。身につける蓑も心なしか大きくなっていく。
6月初旬、再び小枝にくっついてぶら下がり、蓑の中で蛹になる。蛹化すると雌雄の性差がはっきりしてくる。
オスの蛹は細長くて脚や翅など成虫に対応する構造がハッキリしているが、メスの蛹は卵形でオスにあるような構造は見当たらない。翅や脚が退化しているからである。初夏、オスは午前中に羽化する。暗褐色の地味な色だが翅がしっかりしていて強い飛翔力を持つ。メスはからだ全体がイモムシ状で、羽化といっても翅や脚はなく蓑の下の穴からからだの一部をちょっと出すだけである。これは頭胸部で、これに続く白色の腹部に成熟卵が詰まっている。さらに腹部の1番奥に雌の交尾孔が隠されている。蓑のこんな奥まったところにオスはどのようにして交尾器(ペニス)を挿入するのだろうか。
動くことさえ出来ないメスが子孫を残せる理由は、フェロモンにある。
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一方、メスはオスの発動的な交尾行動とは裏腹に動きは鈍い。イモムシ状だからやむを得ないのかもしれない。それでも目いっぱい蓑のすきまを広げようとうごめき、交尾孔をオスのペニスにあてがい交尾を成功させる。
ところで、結婚を家同士が決めていた頃は、新婚初夜に初めて旦那さんの顔を見たという嘘のような本当の話があった。ミノムシの交尾にも、どこか似たようなところがある。性フェロモンで導かれた2匹はお互い相手の顔を知ることもなく、ただ、ひたすら子孫繁栄のための交尾に終始する。そこには優秀なオスを選ぶというような選択はない。

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どうでもいい、じじぃの日記。
動物を進化の面からみると、人間の進化は環境に対して特殊化していないのだそうだ。
ミノムシ(蓑虫)はガ(蛾)の幼虫だ。
蛾は、子孫繁栄のためだけに極端に進化した。
蓑の中で蛹化するとき、オスは翅と脚が生えてくるが、メスはイモムシのような姿で一生を終える。
「動くことさえ出来ないメスが子孫を残せる理由は、フェロモンにある」
ミノムシのオスはメスが分泌するフェロモンを基に、蓑の中のメスの交尾孔に射精する。
そして、メスは産卵を終え、死ぬ。
なぜか悲しい愛の極致なのだ。