じじぃの「国際標準化戦争」

追跡!AtoZ「ニッポンは勝ち残れるか 激突 国際標準戦争」 8月8日 NHK
【キャスター】鎌田靖 【ゲスト】日本規格協会主幹 原田節雄 【語り】小谷公一
世界最先端の技術を投入した日本の薄型テレビが、海外に輸出できない…。
そんな事態が現実のものとなろうとしている。ヨーロッパの巧みな戦略によって、「国際標準」の一部が変更されたからだ。
1995年のWTO発足以降、国際標準は、輸出や政府調達の条件としてルール化された。そして、100年に一度と言われる不況の今、その覇権を巡る競争は一層激しさを増している。国際標準を決めるのは各国の投票。しかし、標準化を国益の源泉と掲げる欧州勢を前に、日本は苦戦を強いられてきた。
そうした中、数々の失敗から学び、巻き返しを図る日本の企業連合がある。1100キロボルトという世界一高い“超高圧”の送電技術を30年がかりで開発。東京電力を中心に、多くの企業が結束し、巨大な電力インフラ市場を持つ中国やインドへの進出を夢に国際標準化を目指す。立ちはだかるのは欧州の列強企業。日本チームは、先手必勝の“秘策”や、海外に積極的に“協力者”を作るなど、知略を駆使して悲願達成に向け奮闘する。果たして日本はどこまで巻き返せるのか?ルールをめぐる国際的な闘いの最前線を徹底追跡。
http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/090808.html
どうでもいい、じじぃの日記。
8/8、NHK 『追跡!AtoZ』 「ニッポンは勝ち残れるか 激突 国際標準戦争」を観た。
薄型テレビの標準規格は日本だろうと思っていたが、ヨーロッパ(EU)が標準規格になっていた。
国際標準の組織として国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議 (IEC)、国際電気通信連合 (ITU) がある。
日本の携帯電話、薄型テレビは世界貿易機構は(WTO)が定めた「国際標準」にならなかった。EUが「国際標準」になってしまった。
EUの国は国と国との間で統一しなければいけないことが多く、国際標準になりやすい。「国際標準」になるとライセンス料が入ってくる。日本はライセンス料を払って輸出しなければならなくなった。冷蔵庫は測定方法が「国際標準」にならなかったために8割も輸出が減った。
日本(東芝、日立、三菱)が開発した超高圧送電システム(UHV)は1000兆円の巨大市場である。
「国際標準」にするためにIECに開発した電圧1100KVを標準電圧として登録しなければばらない。
すでに標準電圧に指定されている中に1050KV、1200KVがあった。しかし、1050KV、1200KVはまだ技術が確立されていない幻の標準電圧だ。
日本が開発したUHVをインドに商談したところ、インドは1200KVを採用するという。どこか、うしろ立てがいるに違いない。
ドイツだった。ドイツはEUの市場で「国際標準」を最も多く持っている。コピー機で決められたA4、B4版の規格を持っているのもドイツだ。
ドイツはEU内でUHVの主導権を握ろうとしていたのだ。160年の歴史を持つシーメンスが1200KVを押していたのだった。
シーメンスの責任者の言葉。「重要なのは最も標準化したものを選ぶことです」
ドイツが「国際標準」で得られるライセンス料はGDPの1%になる。
2009年の3月にUHVの「国際標準」が投票によって決まる。
日本の逆襲が始まった。
中国は日本の技術1100KVを導入することに決めていた。
日本は群馬県にあるUHV施設に各国の担当者を招待し見せた。中国の担当者に根回して中国のUHV計画を各国にアピールするように説得した。
投票結果の読みは5分5分である。
3月の投票日。日本は勝った。なんと反対していたドイツ、スエーデンが賛成に回ったのだった。
日本規格協会の原田節雄氏のコメント。
中国の存在が大きい。中国のやることに反対すると、これからの商談に影響すると判断したのだろう。
原田節雄氏のキーワード。
1.「味方を作れ」
2.「標準化のプロ育成」
3.「国の支援」
番組の最後に、川崎にある企業(東芝?)が出てくる。3次元ディスプレー。医療分野などに大きな市場が見込まれる。
担当者の言葉。「国際標準の国際会議への旅費が工面できなくてねえ」
国際会議への旅費に500万円ぐらいかかるという。