じじぃの「感染症・結核・なかなか完治しないのはなぜですか?病気の雑学」

結核の現状


高齢者における結核~知識、予防、そして対応?

2023年10月10日 社会福祉法人 恒心福祉会
結核の現状
近年、結核の患者数は減少傾向にありますが、結核の新患者数のうち半数以上が70歳以上の高齢者であることが指摘されています。
結核菌が体内に入ってから感染が成立するまでは、約2ヵ月かかると言われています。
また、感染者のうち発病するのは1~2割であり、発病する人の約8割が感染後2年以内に発症すると報告されています。
令和3年の日本全国の結核の新患者数は11519人で、70歳以上の新登録結核患者は63.5%を占めています。
https://koushin.or.jp/%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%B5%90%E6%A0%B8%E3%80%9C%E7%9F%A5%E8%AD%98%E3%80%81%E4%BA%88%E9%98%B2%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%80%9C/#i-3

『人が病気で死ぬワケを考えてみた』

森皆ねじ子/著 三笠書房 2023年発行

1章 「感染症」その1 「細菌」にパラサイトされて死ぬということ…「抗生物質」がない時代は連戦連敗だった! より

なぜ結核は長らく「日本人の死因1位」だった?

結核は、抗生物質が普及する1950年ごろまで、ずーっと長いこと、日本人の死因第1位でした。

実は、結核菌自体はそこらへんに普通にいます(スラリとして細長い細菌です。ピンク色に染まっていて、不謹慎(ふきんしん)だけどキレイ)。その結核菌が吸い込まれると、人の肺の上のほうにくっつきます。なぜ上のほうにつくのかは不明ですが、菌によって育ちやすい「好みの場所」があるようで結核は、肺の上のほうが好きみたいです。
すると、もちろん白血球たちが寄ってきて、結核菌を食べます。結核菌は素直に食われます……が、このままでは終わりません。
なんと! 結核菌は、一番体の大きい白血球であるマクロファージの中で、殺されるどころか、

ぬくぬくと暮らしはじめ&しかも増殖します。

マクロファージは一番大きい白血球でこれより大きい戦士はいないので、とって食うこともできない。まわりはどーにもできません。
しかたないので、

囲い込む。

ほかの元気なマクロファージくんたちを集めて、さらに大きいおくるみをつくって囲い込みます。
上手くいけば、おくるみの中でマクロファージごと死んでくれて、白いチーズボールみたいになって肺に残ります。しばらくはこれでもちます。
このとき、チーズボールのまん中は腐った状態。専門用語で乾酪壊死(かんらくえし)といいます。健康診断のレントゲンでチェックするのもこれです。
ところが……マクロファージの中で抑えきれず、結核菌が生き残ってしまうと、しだいにおくるみが大きくなる&結核菌が中からおくるみを食っていって……

腐った中身がパン!! 大出血!!

となり、肺に穴があいて呼吸ができなくなって死にます。もしくはゲホッと血を吐いて、血がのどにつまって窒息で死にます(時代劇や昭和初期のドラマでは、沖田総司や薄幸の美少女が咳をしたら手に血が……肺病か……って描写がよくありましたね)。

結核は、長い――――い時間をかけて我々を殺しにきます。

おくるみでキープする期間が長く、結核にかかったまま何十年も生き続けることができるのはこのせいです。

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じじぃの日記。

結核の治癒率は50%程度。

結核が疑われる人の介護では、室内の換気を十分に行い、咳・くしゃみの際にはN95マスクを着用することが推奨されています。

トホホのホ。