The Evolution of Mammals (Every Mammal Family Explained)
動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=STHu4dESJH0
哺乳類の登場
哺乳類の祖先、まるでトカゲ つながる単弓類と竜弓類の枝
2023/8/21 毎日新聞
哺乳類は、トカゲのような見た目からスタートして、数億年後には母乳で子どもを育てるようになりました。進化の中で「哺乳類らしさ」がどんどん組込まれていったというわけです。体温を一定に保つことができるので、夜でも活発に活動することができます。単弓類はペルム紀という時代に大繁栄して、イノストランケビアは全長4.5メートルほどとサイくらいの大きさになりました。しかしペルム紀の最後に大量絶滅事変が起こり、大型の単弓類が姿を消しました。
https://mainichi.jp/maisho/articles/20230821/kei/00s/00s/006000c
『哺乳類の興隆史――恐竜の陰を出て、新たな覇者になるまで』
スティーブ・ブルサッテ/著、黒川耕大/訳、土屋健/監修 みすず書房 2024年発行
約3億年前に爬虫類の祖先と分かれたグループが、幾多の絶滅事件を乗り越えて私たちに至るまでの、途方もない歴史を描く書。
第1章 哺乳類の祖先 より
20世紀前半、ロバート・ブルームは南アフリカを代表する科学者の1人だった。南アフリカに移ってからはカルー産化石に関する論文を400篇以上著し”哺乳類型爬虫類”を300種以上記載した。ブルームがやって来るまで、カルー産化石の研究はしっちゃかめっちゃかな状態だった。
オーウェンにとってもその優先順位は明らかに低く、恐竜、現生哺乳類の解剖、ビクトリア朝社会への貢献、ダーウィンとの論争のほうが大事だった。かたやブルームはカルー産化石の研究を畢生(ひっせい)の仕事と捉え、漫画本の病的な収集家さながらに事に当たった。カルー砂漠を体系的に調査し、農家や土木作業員と親しくなって骨格化石を見分ける訓練を施した。ブルームの残したレガシーがいかに大きなものかは、土木作業員の子孫(クル^ニー・キッチングの息子ジェームズ)や農家の子孫(シドニー・ルビッジの孫ブルース)が家業を離れ南アフリカ随一の古生物学者になったことからも分かる。現在ではウィットウォーターズランド大学のルビッジらが地元のコミュニティや先住民の学生と緊密に連携し、ブルームの意志を受け継いでいる。
ブルームの大きな功績は、コープが示した盤竜類とペルム紀のカルー産化石と哺乳類とのあいだのつながりを、疑問の余地なく証明したことだ。1905年に「獣弓類」という用語を考案し、カルー産の”哺乳類型爬虫類”の多くをそこに入れ、「哺乳類は獣弓類から進化した」と声高に訴えた。
1909年と1910年にはアメリカを訪問しディメトロドンなどの盤竜類の化石を研究した。そこで盤竜類と獣弓類とのあいだに明白な類似性を見いだし、画期的な論文を著して両グループは近縁であると訴えたわけだ。ブルームの考えでは獣弓類は盤竜類よりも進歩的だった。特にたくましい四肢の付き方が水平から垂直に近づき、おかげで起立時の姿勢が垂直に近づいて、腹部が地面から遠ざかった。この点では獣弓類のほうが哺乳類に近づいていた。要するに哺乳類に至る道筋では、最初に盤竜類が来て次に獣弓類が来るわけだ。