小泉進次郎氏、自民党総裁選に「真剣に考えて判断していきたい」…党内では出馬へ期待広がる
2024/08/18 読売新聞
小泉氏は横浜市内で開かれた県連会合に出席後、記者団の取材に答えた。
新総裁に求められる資質に関しては「改革を逆戻りさせてはいけない。そこは非常に重要だ」と強調した。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240818-OYT1T50072/
『疑う力』
真山仁/著 文春新書 2024年発行
世の中で“常識”とされていることは、本当にそうなのか。「資本主義が限界を迎えている」「日本は分断されている」「地球温暖化は悪」…。「正しいを疑う」を座右の銘としてきた社会派作家が、自分らしく生きるヒントを考える特別講義。
第2章 分断された民主主義 より
波風を立てれば、政治への関心が動く
日本人が政治に関心がないのは、特に不満がないからでしょう。
渇望感も危機感もない。
こういう話題になると、「だから日本も徴兵制を敷くべきだ」と言い出す人がいます。兵役を経験させれば、政治への関心が高まるだろう、と。
ですが、これは最悪の手段です。
韓国の徴兵制が引き合いに出されたりしますが、事情がまったく違います。韓国は休戦しているだけで今も戦争状態が続いています。
私の提案は、高校卒業後に、2年間の青年海外協力隊活動を義務付けたらどうかというものです。
以前、アフリカの最貧国ニジェールで、協力隊員の人たちを大勢取材しました。
担当地域によっては、トイレは自分で穴を掘り、用を足している。食事は現地の人と同じものを手で食べる。
日本人が考える貧困とは桁が違います。
そういう経験を通じて、若者たちは「日本という国は……」と、考えるようになります。
満たされすぎていることに気づく一方で、携帯の電波も届かないし電気も通っていないような場所での暮らしを「可哀想」「みじめだ」とも思わなくなる。
同じ時代に同じ地球に生きている人たちのために、自分には何ができるのかを考え始めると同時に、彼らの中にある生きる力にも気づきます。
ただ、残念なことに、日本では協力隊員の帰国後の受け皿がほぼありません。
いい経験を積んだと張り切るほど、「意識が高すぎる」などと煙たがられる。
面倒なやつだと邪魔者扱いされて、ノイローゼになる人もいると聞きました。
非常に残念な話ですが、この状況からヒントを見出すことができます。つまり、波風を立てることを好まないのが日本人社会というのなら、あえて波風を立てれば、政治への関心が生まれるのではないでしょうか。海外に出て刺激を受けた人が増えれば、状況を変え得るほどのパワーが生まれる可能性はあります。