【台湾有事と日本の安全保障】石破元幹事長に問う 日本が目指すべき外交と安全保障 2024/8/15放送<後編>
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『夕刊フジ』2024年8月15日発行
「ポスト岸田」の条件 次期衆院選、財政金融政策、対米関係、安全保障…崖っぷち自民 より
岸田文雄首相が14日、自民党総裁選への不出馬を表明したのを受け、「ポスト岸田」争いの号砲が鳴った。若手から重鎮まで複数の候補が意欲を見せ、推薦人20人の確保に向けて動き始めている。ただ、次の総裁には、党の信頼を失墜させた「政治とカネ」問題のケジメや、次期衆院選に向けた「選挙の顔」としての資質、同盟国・米国の新大統領との関係構築、株大暴落を繰り返さない財政金融政策、有事勃発を見据えた外交・安全保障手腕など、数多くの条件が求められる。1億2000万人を超える国民の運命を託せるのは誰なのか。
「今回の総裁選挙では、自民党が変わる姿、『新生自民党』を国民の前にしっかりと示すことが必要だ」
岸田首相は14日の記者会見でこう語った。LGBT法の拙速な法制化や、派閥裏金事件への対応などで、党内外の支持を失った張本人だが、党が直面する問題は理解しているようだ。
現時点で、「ポスト岸田」候補として名前が挙がるのは、世論調査で人気が高い石破茂元幹事長(67)と、党の刷新感が期待される小泉進次郎元環境相(43)、保守層の支持が厚い高市早苗経済安保相(63)、党実務を仕切る茂木敏充幹事長(68)、前回総裁選にも出馬した河野太郎デジタル相(61)、中堅・若手を中心に待望論がある小林鷹之前経済安保相(49)らだ。
次期総裁の条件の中で、まず国民的人気はどうか。
産経新聞・FNN(フジニュースネットワーク)が7月20、21両日に実施した合同世論調査で、「次の自民党総裁に誰がふさわしいか」を聞いたところ、トップは石破氏(24.7%)で、2位は小泉氏(12.1%)、3位は高市氏(7.5%)、4位は河野氏(7.0%)と続いた。
外交・安全保障政策も注目される。
茂木氏は、安倍政権時代、経済再生担当相として、トランプ米政権のロバート・ライトハイザー通商代表と日米貿易協議に臨み、「タフネゴシエーター」と呼ばれた。第4次安倍内閣から第1次岸田内閣では外相を務めた。
高市氏は松下政経塾時代、米国会議員のスタッフを経験している。保守政治家・安倍晋三元首相の遺志を継承し、経済安全保障上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る「セキュリティ・クリアランス(SC)」制度の法制化を成し遂げた。
石破氏と河野氏には防衛相経験がある。石破氏は7日に出版した新著『保守政治家 わが政策、わが天命』(講談社)で、現在の自衛隊を「国防軍」に改めて憲法に明記すべきなどと記している。
唯一の同盟国・米国との関係も重要だ。特に、11月の大統領選に向けて、民主党のカマラ・ハリス副大統領と、共和党のドナルド・トランプ前大統領が接戦を演じている。
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経済政策も注目される。
石破氏、茂木氏、河野氏は、金融緩和と財政出動、成長戦略の「3本の矢」による経済政策「アベノミクス」とは一線を画す。日銀は7月の追加利上げで、金融緩和策から方針転換した。
石破氏は7日のロイター通信のインタビューで、「金融緩和という基本的な政策を変えないなかで徐々に金利のある世界を実現していくのは正しい政策だ」と語った。
茂木氏は「日銀は段階的な利上げの検討も含めて、金融政策を正常化する方針を明確に打ち出すことが必要」と発言した。河野氏も海外メディアの取材に、円安対策としての利上げに言及している。
一方、高市氏は主宰する勉強会にアベノミクスの指南役、本田悦朗元内閣官房参与を講師に招いた。過去に円安のメリットや、大規模金融緩和継続を訴えるなど安倍氏の経済政策姿勢を踏襲する。