A mission for the Rosalind Franklin rover
火星隕石ALH84001の中に微生物状の物体が
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火星から南極に飛来した隕石が地球外生命体探しの道筋を示した理由
2022年05月07日 カラパイア
●南極は隕石天国
今から1700万年ほど前、巨大な岩石が火星に衝突し、破片を撒き散らした。破片は秒速4.8キロという猛スピードで吹き飛び、火星の重力を振り切って、宇宙の旅に出た。
そして1万3000年前、そのうちの1つが地球に到達し、南極横断山脈にあるアラン・ヒルズというY字の尾根に落下した。
●火星から飛来した隕石に生命の痕跡か?
その後、ALH84001はさまざまな研究者によって検査されてきたが、1996年にNASAジョンソン宇宙センターのデビッド・マッケイが驚愕の発見をする。その中から炭酸塩鉱物と小さな虫のような構造が見つかったのだ。
マッケイらは、この微細構造は大昔のバクテリアの化石であると推測した。もしも本当なら、地球外生命の存在を示す証拠がついに見つかったことになる。
https://karapaia.com/archives/52312481.html
『生命と非生命のあいだ』
小林憲正/著 ブルーバックス 2024年発行
第6章 地球外生命から考える地球生命 より
火星の「芋虫」から始まったアストロバイオロジー
1996年8月7日、その後の火星探査のみならず、地球外生命研究の方向をも一変させる発表が、NASAのダニエル・ゴールディン長官によって行われました。日本でも多くの新聞やテレビがトップニュースとして報じましたので、ご記憶の方もいらっしゃると思います。
それは米国の研究チームが「ALH84001」とよばれる隕石中に、生命の痕跡を発見した、というものでした。1984年に南極のアランヒルズで発見されたその隕石は、内部に閉じこめられていたガスの分析から、火星から飛来したものであることがわかっていました。その中に生命の痕跡があったということは、火星に生命が存在していたということになります。
この火星隕石を観察したのは、デビッド・マッケイ(1936~2013)らの研究チームでした。彼らが電子顕微鏡で見つけたのは、微生物の化石と思われる芋虫状の構造(図、画像参照)とヴァイキング計画では見つからなかった有機物(多環芳香炭化水素)などでした。それらを総合して、「生命の痕跡」と判断したのです。
この発表に対しては、支持する意見や、生命の痕跡とはいえないと反対する意見など、数多くの議論がありました。代表的な反対意見は、微化石のサイズが1μmもなく、地球の微生物に比べて小さすぎる、というものでした。しかしにちに、地球にもそのような微小なバクテリア(ナノバクテリア)が見つかり、生物なのか非生物なのかが論争になりました。したがってサイズだけで火星生命の痕跡ではないと否定するのは難しそうです。なお、その後の2022年には、理化学研究所の加藤真吾らが古細菌(アーキア)の中に微小なもの(ナノアーキア)を発見し、培養することに成功しています。
火星隕石中の生命の痕跡については、いまだ評価は分かれ、定まっていません。しかし、さらにくわしく調べるには火星探査が必要であるということでは、意見は一致しました。NASAは新たな学問領域の名称として「アストロバイオロジー」を掲げ、1998年にNASAアストロバイオロジー研究所(NAI)を設立して宇宙と生命の問題に積極的に取り組むことを表明しました。欧州でもこれに呼応して、2001年に研究者ベースでアストロバイオロジーを推進するための組織として「欧州アストロバイオロジーネットワーク協会」(EANA)を設立しました。
なお、NASAはアストロバイオロジーを「宇宙(地球も含む)における生命の起源・進化・分布と未来を探る」と定義しています。それまで「圏外生物学」とよばれていたものとはほぼ同じですが、あえて「未来」を加えたところが新しいといえます。
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じじぃの日記。
小林憲正著『生命と非生命のあいだ』という本に「火星の『芋虫』から始まったアストロバイオロジー」があった。
「火星隕石中の生命の痕跡については、いまだ評価は分かれ、定まっていません。しかし、さらにくわしく調べるには火星探査が必要であるということでは、意見は一致しました」
火星起源の隕石「ALH84001」に、微生物の化石と思われる芋虫状の構造体が。
確かに「イモムシ」みたいです。
欧州宇宙機関(ESA)とアメリカ航空宇宙局(NASA)は2024年5月16日付で、ESAの火星探査計画「ExoMars(エクソマーズ)」における火星探査車「Rosalind Franklin(ロザリンド・フランクリン)」のミッションに関する覚書に署名したことを発表しました。
(https://sorae.info/space/20240522-rosalind-franklin.html#google_vignette)
このESAとNASAが計画している火星探査車は2028年にアメリカから打ち上げられる予定だ。
日本でも、火星衛星探査計画(MMX)が進行中です。
火星衛星探査計画(MMX : Martian Moons eXploration)は、2026年度の探査機打上げを目指し、研究開発が行われています。
火星は、フォボスとダイモスと呼ばれる2つの衛星を持っています。火星衛星の擬周回軌道(QSO: Quasi Satellite Orbit)に入り、火星衛星観測・サンプル採取を行います。観測と採取を終えた探査機は、サンプルを携えて地球に帰還するというシナリオを描き、検討を行っています。
(https://www.mmx.jaxa.jp/)
かつて、火星に生き物がいた、のかなあ。