じじぃの「かゆみ・オピオイド・実は内臓疾患が原因だった?錯覚の雑学」

かゆみの仕組みを解明

夜も眠れないほど辛い痒みが起きるしくみを解明

2014.05.13 TSUKUBA JOURNAL
Ross教授らとの共同研究により、"痒み"のメカニズムを解明することに成功しました。今まで知られていなかった痒みの伝達に関与する神経(B5-Iニューロン)を発見すると同時に、内因性オピオイドのダイノルフィンが痒みを阻害する神経伝達物質であることを突き止めたものです。
通常は、ダイノルフィンという痒み抑制物質が分泌されることで抑えられていますが、体に異常があるとダイノルフィンの分泌が抑制され、激しい痒みが発現します。
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20140513140938.html

『SUPERサイエンス 五感を騙す錯覚の科学』

齋藤勝裕/著 シーアンドアール研究所 2024年発行

Chapter7 触角の錯覚 より

かゆみと防御反応

かゆみとは?
かゆみは「引っ掻きたくなるような不快な感覚」と定義されますが、実は、かゆみは体を守る防衛反応の1つなのです。皮膚に異物が付いた際に、かゆみを感じることによって、その異常が起きている場所を私たちに知らせ、その異物を掻いて取り除こうとする行動を起こすことから、かゆみは一種の「生体防御反応」であると考えられています。

最近の研究では、「吐き気と吐くこと」に関係する仕組みと、「かゆみと掻くこと」に関係する仕組みが似ていると考えられています。吐き気は「食べたものに異常がある」ことで生じる感覚であり、吐くことで「異物を体の中から除去する」はたらきです。これと同様にかゆみも「皮膚に異常が起こったことによって生じる感覚」であり、掻くことで「異物を皮膚から除去する」はたらきと見れば、かゆみも体を守る防衛反応であることがわかりません。

さらに、かゆみは体の内部の異常を知らせるサインであることもわかってきました。例えば、ガンではその発見に先だって、なかなか治らない「かゆみ」を感じたり、内臓疾患では全身に湧き上がるようなかゆみを感じたりすることがあります。

かゆみの原因
かゆみの原因は外来的なものだけではありません。自分の体の方に原因がある場合もあります。

乾燥肌(ドライスキン)
皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織などに分かれています。表皮の厚さ0.2mm程度ですが、最も外側は何層もの角質細胞がレンガの塀のようにぎっしりと積み重なって「角層」とよばれる構造を作っています。角質細胞の隙間は「セラミド」とよばれる脂質が埋めており、例えばレンガ同士を接着するコンクリートの役割と、水をためる役割を果たしています。

オピオイドによるかゆみ
かゆみの原因は皮膚局所にある場合が多いですが、最近ではこれとはまったく異なる原因で起こるかゆみがあることがわかってきました。
それがオピオイド(麻薬性物質)によって生じるかゆみです。強力鎮痛薬として使用されるモルヒネは、痛みを鎮める作用と同時に、かゆみを起こす作用があることが知られていました。
体の中では、モルヒネと同じ働きをするオピロイドの「β-エンドルフィン」という物質が作られますが、β-エンドルフィンが増加すると強いかゆみが起こります。反対に体内には、かゆみを抑えるオピロイドとして「ダイノルフィン」という物質があり、β-エンドルフィンとダイノルフィンはそのバランスによってかゆみを強めたり弱めたりすると考えられています。

ヒスタミン
なかなか治らないかゆみには「ヒスタミン」が作用していることがあります。皮膚のなかにはヒスタミンを作る細胞が存在しており、その代表が肥満細胞です。肥満細胞が刺激されると、ヒスタミンを分泌しますが、ヒスタミンは、血管にはたらきかけ、強いかゆみを起こします。これが蕁麻疹(じんましん)です。
蕁麻疹のかゆみはヒスタミンが神経にはたらきかけることで生じることから、かゆみの第一選択薬である抗ヒスタミン薬によってかゆみが鎮まります。

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じじぃの日記。

やたらと皮膚がかゆいなあ!

齋藤勝裕著『SUPERサイエンス 五感を騙す錯覚の科学』という本に「かゆみの原因」が載っていた。

5月7日、日本テレビカズレーザーと学ぶ・老化細胞」を観た。

「老化」の原因についての解説だった。

老化は体内臓器の酸化作用や血管の動脈硬化などで起こると思っていたが、老化細胞というのも1つの要因だという。

ほとんどの臓器は何日かの周期で、細胞が新しいものに置き換わっていく。

古い細胞は、老廃物として死んでいくが、そのまま老化細胞として居残ってしまうのがある。

まあ、じっと大人しくしてくれればいいのだが、この老化細胞が悪さをするのだそうだ。

「かゆみ」なんかも、この老化細胞と関係があるのだろうか。

「さらに、かゆみは体の内部の異常を知らせるサインであることもわかってきました。例えば、ガンではその発見に先だって、なかなか治らない「かゆみ」を感じたり、内臓疾患では全身に湧き上がるようなかゆみを感じたりすることがあります」

最近では、かゆみを抑えるオピロイドとして「ダイノルフィン」という薬もあるのだとか。