じじぃの「独特なニッチ・なぜパンダはタケばかり食べるのか?生態の雑学」

野生のパンダ


気候変動と絶滅の危機にある動物たち

WWFジャパン
●絶滅危機の原因は?
パンダは、もともとタケの群生する、険しい山地の森でしか生きられないため、その環境が失われたり、変化すると、一気に絶滅の危機が高くなるのです。

実際、気温や気候の変化による影響を受け、生育や発芽ができなくなるタケが出てくる可能性も指摘されており、これが大規模な竹林の減少や消滅につながるおそれがあります。
そうなれば、野生のパンダは生きるすべを失い、絶滅に追いこまれることになります。
https://www.wwf.or.jp/campaign/50th/climate_animals.html

生態学大図鑑』

ジュリア・シュローダー/著、鷲谷いづみ/訳 三省堂 2021年発行

生態学的プロセス より

ウルトラ・スペシャリスト
きわめて特殊な生態的ニッチを占めているジャイアントパンダの食物は主にタケだ。
タケは低タンパク質、高セルロースの栄養に乏しい食物源で、パンダが消化できるのは食べた量のほんの一部でしかない。そのためパンダは毎日12.5kgもの大量のタケを食べなければならず、1日に14時間も食物を探さなければならない。パンダがなぜそれほどまでタケに依存するようになったのかは不明だが、一部の動物学者は、タケは存在量が多く確実に頼れる食物資源であり、パンダは巧みな捕食者ではないからだとしている。

パンダが食べるタケの部分は季節によって異なる。晩春にはタケの最初に伸びてくる緑色のシュートを好んで食べるが、その他の季節には、葉を、茎しか手に入らない冬には茎を食べる。パンダはタケの茎をうまく扱うために、顎のたくましい筋肉と第六の指を進化させている。
消化管は肉食性だった頃の祖先からほとんど変わっていないので、大量の植物材料を効率よく処理するのは不向きだが、腸内の細菌叢(そう)が消化を助ける。

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じじぃの日記。

生態学大図鑑』という本に、「ウルトラ・スペシャリスト」という記事が載っていた。

「タケは低タンパク質、高セルロースの栄養に乏しい食物源で、パンダが消化できるのは食べた量のほんの一部でしかない。そのためパンダは毎日12.5kgもの大量のタケを食べなければならず、1日に14時間も食物を探さなければならない」

タケはほかの動物が食べなかったから

パンダが山奥にすんでいるのは、人間が増えて高地に追いやられたから。

ほかの動物との競争をさけた結果、タケをよく食べるようになった。

ニッチとは

生物学では、ある生物が生存競争などを経た結果、適応した特有の「生息場所」(生態的ニッチ=適所)という意味で使っている。

・パンダは高地に移住し、笹を主食にすることで「棲み分け」と「食い分け」を実現し適所を確保した。

・コアラはユーカリの木に移住し、毒素がある葉を主食にすることで適所を確保した。

「やりすぎ絶滅」

これしか食べないなどは滅びやすい。狭いニッチな場所だけで生きると、病気で滅びやすい。