じじぃの「科学・地球_249_生態学大図鑑・隕石が地球に衝突(6500万年前)」

How Many Mass Extinctions Have There Been?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=aO9mOAKXvJs

地球上で今まで「大量絶滅」が5回あった

現在は地球史上6度目の大量絶滅期にある!って、『〈正義〉の生物学』を読んで知る

2020年8月30日 正多面体クラブ
知ってました?
・現在は地球史上6度目の大量絶滅期にある。
地球は約46億年前に誕生しましたが、地球が生命で満ち溢れる世界になったのは約5億年前。(詳細は⇒地球史年表 - Wikipedia
そして、現在までに地球上の生物種の大多数が絶滅する「大量絶滅」が5回あった。
その5回を書き出してみると…
ガンマ線バーストで85%が絶滅… オルドビス紀末 約4億4400万年前
②急激な気候変動で82%が絶滅… デボン紀後期 約3億7220万年前 F-F境界
③火山活動で大気が有毒に92%が絶滅… ペルム紀末 約2億5100万年前 P-T境界
④急激な地殻変動で76%が絶滅… 三畳紀末 約1億9960万年前
⑤巨大隕石の衝突により70%が絶滅… 白亜紀末 約6550万年前 K-Pg境界
https://polyhedra.cocolog-nifty.com/blog/2020/08/post-6ab491.html

生態学大図鑑』

ジュリア・シュローダー/著、鷲谷いづみ/訳 三省堂 2021年発行

6500万年前、何かが地球上の全生物の半分を殺した 大量絶滅 より

【主要人物】ルイス・アルバレス(1911~1988年)

地球史にはこれまで5度の、きわめて多くの多細胞生物が比較的短期に死滅した時期があった。このような大量絶滅は、単細胞微生物に比べて化石として検出しやすい多細胞動物と植物の大量消失によって定義されている。
バックグラウンドの(通常の)絶滅率は、1年あたり1~5種である。化石の記録は100万年ごとに海洋動物の2~5科が絶滅していることを示している。だが大量絶滅時には、それをはるかに上回る絶滅が起こり、それは必ず2つの地質年代を画する。科学者はそのイベントのすべての要因を理解しているわけではないが、いくつかの要因を認めている。火山活動の活発化、大気や海外の組成の変化、気候の変化、海水面の上昇と低下、大陸の地殻運動、隕石の衝突などが原因になりうるとされている。いまは6度目の大量絶滅時代に入っており、それは人間活動に起因すると考える科学者もいる。

恐竜の絶滅

5度の大量絶滅のうちで最も解明が進んでいるのは、最も解明が進んでいるのは、最も現代に近い6600万年前頃のものである。地質学者はK-Pg境界と呼ぶが、それは白亜紀の終わり古第三紀の始まりを区分する大量絶滅だけらである。この絶滅の原因が地球外からもたらされた可能性は、すでに1950年代に指摘されていたが、その後のヨーロッパと北米大陸での2つの発見までは、まともに受けとめられなかった。
1980年に、物理学者のルイス・アルバレスとその息子で地質学者ウォルター・アルバレスを含みイタリアの科学者チームが、白亜紀と古第三紀の地層の境目に粘土層を見つけ、分析すると、地球にはまれだが小惑星には普通に見られるイリジウム鉱石が含まれることがわかった。この発見から、白亜紀末に起こった大量絶滅の原因は、破壊的な隕石の衝突によるものとする「アルバレスの仮説」が導かれた。衝突地点は謎のままだったが、11年後に、メキシコのユカタン半島で直径170kmに及ぶ巨大なクレーターが見つかり、その年代が大量絶滅の時期にまでさかのぼることがわかった。
科学者たちの合意は、巨大彗星もしくは小惑星が地球に衝突し、放射線爆発と高さ100mを超える破壊的な巨大津波が発生したということである。放射線が近隣の動物を殺し、巨大津波はメキシコ湾岸地域を壊滅させた。
しかし、主な被害はよりゆっくり襲来した。煤(すす)と塵(ちり)の厚い雲が大気圏に広がり、数年にわたって太陽光を遮った。植物はもはや光合成ができなくなって死に絶え、サンゴ礁の藻類も全滅し、地球規模で食物連鎖が破壊された。衝突の衝撃で大気に硫酸が放出され、酸性雨となって海洋を酸化させ、海洋生物を死滅させた。ほぼ同時期に、巨大な火山噴火が南インドの50万km2を溶岩で埋めつくしてデカン高原を作り、気候と大気をさらに変化させた。
このK-Pg境界イベントは、飛べない恐竜を絶滅させたことでもよく知られている。恐竜ばからか、体重が25kgを超えるほぼすべての四足動物が死に絶えた。例外はワニで、おそらくは変温動物(冷血動物)であるため、長時間食べなくても生き延びることができたからだろう。一方、恐竜は恒温動物(温血動物)で、その代謝を支えるためには長く絶食することができなかった。光合成ができなくなった多くの植物種が滅び、植食恐竜の食物が激減し、肉食恐竜もまた餌が不足して飢えた。それに対して、光合成に依存しない菌類が増加した。
海洋では、貴重な食物資源である植物プランクトンがやはり光合成ができなくなって死に絶え、それを食べていた動物も絶滅した。絶滅した動物には、ベレムナイト(現生のイカに類似)やアンモナイトなどの頭足類、モササウルス(海洋生物を捕食)や鰭竜(きりゅう)類などのような海生爬虫類が含まれる。