じじぃの「チューブワーム・口・肛門を持たない深海動物の暮らし!共生の雑学」

【ゆっくり解説】深海の謎の生物?「チューブワーム」とは何者なのか?を解説/熱水噴出孔周辺に生息する、和名ハオリムシの不思議な生態とは

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=Ffrx3uStqZw

チューブワーム


寒さ、乾燥、高熱、放射能などのストレスに強い生物が辺境にいる

生命科学DOKIDOKI研究室
チューブワームは、地上の動物のように他の動物や植物を食べて栄養にしているわけではありません。
チューブワームのからだにはエラがついていて、ここから海水中の酸素と、熱水噴出孔から出てくる硫化水素というイオウの化合物をとり込んでいます。チューブワームの体内には、イオウ酸化バクテリアという特殊な微生物が寄生していて、取り込んだ硫化水素を利用して二酸化炭素からデンプンをつくり、その一部を栄養としてチューブワームに提供しているのです。
https://www.terumozaidan.or.jp/labo/technology/12/02.html

『「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ』

鈴木正彦、末光隆志/著 中公新書 2023年発行

第4章 依存しきって生きるには――口を持たない深海動物の暮らし より

熱水噴出孔と硫化水素

原始地球の環境は、高温で酸素が少なかったと考えられています。現在の地球は酸素にあふれていますが、今でも原始地球環境に似田場所が存在します。それは深海に存在する熱水噴出孔周辺です。

そこには、チムニーと呼ばれる煙突があり、その先から熱水がゆらゆらと噴出しています。熱水噴出孔によって、熱水の温度は様々で、20~400℃くらいの差があります。ただし、深海のため水圧が高いので、400℃の熱水でも沸騰しません。さらに、深海の海水は冷水なので、400℃の熱水噴出孔でも少し離れると生物にとって適温になります。熱水噴出孔周辺では熱水が急激に冷却されるので、熱水に溶けていたレアメタルが析出し蓄積します。そのため、排他的経済水域EEZ:海岸線から約370キロメートルの範囲)にある熱水噴出孔は、新たな資源域として注目されています。

チューブワームの食生活

熱水噴出孔から少し離れた領域に奇妙な生物が定着して生息しています。筒棲管のなかに生息するチューブワーム(ハオリムシ)です。種類によって、その大きさは違いますが、大きいものでは2メートルにもなります。
チューブワームは岩に固定された筒のなかで生きているので、移動しません。たとえば、水深2500メートルのガラパゴスリフトにおいて、巨大なジャイアントチューブワーム(ガラパゴスハオリムシ)が発見されています。リフトとは、海底にある大きな割れ目のことです。ガラパゴスリフトにある熱水噴出孔では、ジャイアントチューブワーム以外にも、大量のシロウリガイが発見されています。
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チューブワームはゴカイの仲間で環形動物ですが、なんと、その成体には、口、消化管、肛門がありません。
チューブワームは、一体どのように栄養分を獲得しているのでしょうか。また、硫化水素の害をどのようにして防いでいるのでしょうか。

実は、チューブワームのトロフォソーム細菌のなかには、硫黄酸化細菌が共生細菌として生息しています(細胞内共生)。

硫黄酸化細菌は、硫黄水素を酸化して得られたエネルギーでATPを合成し、それを用いて、二酸化炭素から炭水化物などの生体有機物を合成して増殖します、要するに、硫黄酸化細菌は硫化水素と酸素があれば生きていけるのです。硫黄酸化細菌が合成した有機物をチューブワームも利用するので、チューブワームは何も食べなくても成長することができるわけです。

チューブワームは、口がなくても、エラから硫化水素や酸素を吸収できます。化学合成独立栄養生物である硫黄酸化細菌を共生させることで、チューブワームは従属栄養生物(動物的生き方)kら独立栄養生物(植物的生き方)になったことになります。これは、光合成独立栄養生物であるシアノバクテリアと共生することで、独立栄養生物になった植物とほとんど同じです。貧栄養の深海では、従属栄養では繁栄することが困難なので、植物化の道を選んだのでしょう。

ただし、共生している硫黄酸化細菌の重さがチューブワームの体重の半分近くになるといわれているほど、チューブワームは大量の硫黄酸化細菌のを共生させています。植物が共生させている葉緑体はこれほど多くはありません。硫黄酸化細菌による化学合成は、葉緑体によろ光合成よりも有機物の産生効率が悪いからだと思われます。

実はチューブワームも、幼生のうちは口を持ち、食物を摂取します。ゴカイの幼生に似た形態です。しかし、摂食する必要のない生体になると、口などの消化器官を二次的に失ってしまいます。不必要な器官を形成するためにエネルギーを消費するなんてことは、浪費にすぎないからです。

また、チューブワームの卵のなかには共生細菌が存在しません。つまり、共生細菌はチューブワームの卵に母系遺伝されないのです。そのため、チューブワームは幼生初期に口や消化管を通じて自力で栄養物を取っています。幼生が硫黄酸化細菌を摂食し、それらが共生細菌になっている可能性が高いのですが、実際のところはまだよく分かっていません。

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どうでもいい、じじぃの日記。

「実はチューブワームも、幼生のうちは口を持ち、食物を摂取します。ゴカイの幼生に似た形態です。しかし、摂食する必要のない生体になると、口などの消化器官を二次的に失ってしまいます。不必要な器官を形成するためにエネルギーを消費するなんてことは、浪費にすぎないからです」

動物とは何か?

動物とは、動くもので、口、消化管、肛門を持つ生き物。

チューブワームは動かない。

幼生のときは消化管を持つが、成体なると消化管がなくなってしまう。

成体なると、硫黄酸化細菌という共生細菌が消化管の代わりをやってくれるのだという。
分類上では、一応消化管もどきを持っているので動物らしい。

まあ、チューブワームは謎が多い生き物らしい。

チューブワームを知るのに重要なキーワードは「共生」らしい。

身体に小槌を持っていれば、勝手にお金が入ってくるようなものか?