じじぃの「スマートマウス・認知症・記憶のパラドックス!逆説の雑学」

『八重子のハミング』映画オリジナル予告編(100秒ver.)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YO_m9bwdXFo

八重子のハミング


『八重子のハミング』 - 映画.com

https://eiga.com/movie/85043/

人生の幸福度は「82歳以上」が最も高い?高齢者ほど幸せな「エイジングパラドックス」が起きるワケ(和田 秀樹)

マネー現代 | 講談社
●世界で研究が進む「エイジングパラドックス
このように、年をとればとるほど幸福感が高まることを、心理学の世界では「エイジングパラドックス」(加齢の逆説)と呼んでいます。
https://gendai.media/articles/-/108460?page=3

『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』

ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行

第5章 記憶や思考のオーダーメード より

スマートマウス

1999年、プリンストン大学とMITとワシントン大学の研究者からなるジョー・チェン博士のチームが、1個の遺伝子を新たに加えるだけで、マウスの記憶と能力が高められることを発見した。この「スマートマウス」は、迷路を速く抜けられ、出来事をよく覚えられ、多種多様なテストでほかのマウスより良い成績を残した。チームはこれを「ドギー・ハウザー」というてれびドラマに登場する神道の主人公にちなんだ名前だ。

チェンはまず、NR2B遺伝子を調べた。この遺伝子は、出来事同士を結びつける脳の能力をコントロールするスイッチの役目を果たす(これがわかっているのは、この遺伝子を働かなくするとマウスがその能力を失うためだ)。あらゆる学習は、NR2Bを利用している。この遺伝子が、記憶にかかわる海馬の細胞間のやりとりをコントロールするからである。最初にチェンが、NR2Bを欠いたマウスの系統を作ると、そのマウスは記憶障害や学習障害を示した。次に彼は、NR2Bを通常より多く持つマウスの系統を作り、この新しいマウスがほかより優れた心的能力を持つことを見出した。底の浅い容器に水をため、そこにマウスを入れて無理に泳がせると、無理に泳がせると、通常のマウスはランダムに泳ぎまわった。実は水面下に台が隠れているのは数日前には知っていたのだが、それを忘れてしまっていたのだ。ところがスマートマウスは、一度で隠れた台のところへ直行した。

それ以来、ほかの研究室でもこうした結果が確かめられ、さらにスマートな(賢い)系統のマウスが作られている。2009年、チェンはさらに別の系統のスマートマウスができたことを告げる論文を公表した。このスマートマウスの名を「ホビー・J」という(中国の漫画のキャラクターにちなむ)。
ホビー・Jは、新しい事実(おもちゃの場所など)を、それまで一番スマートと考えられていた遺伝子組み換えマウスの系統より3倍も長く覚えていられた。「これは、NR2Bが記憶形成の普遍的なスイッチだという考えを補強するものです」とチェンは述べている。また大学院生のワン・デヘンは、「まるで、マイケル・ジョーダンをスーパー・マイケル・ジョーダンにするようなものですよ」と言った。
    ・
一部の系統のスマートマウスが、通常のマウスに比べて臆病であることも指摘しておかなければなるまい。記憶力がありすぎると、失敗や苦痛もすべて忘れられないので、もしかすると及び腰になってしまうのではないか、と言う人もいる。そうならば、記憶力がありうるのは不利になりうるのだ。

                  • -

じじぃの日記。

ミチオ・カク著『フューチャー・オブ・マインド』という本に、「スマートマウス」があった。

スマートマウスとは、マウスに遺伝子操作を施すことによって記憶能力が著しく高められたマウスのことだ。

陽信孝著『八重子のハミング』という本にこんなことが書かれていた。

若年性アルツハイマー病になった妻を、夫が12年間介護する闘病生活を書いた本だ。
奥さんは20歳で教職に就き、約30年間務めた。
そんな知的な仕事をしてきた人が、アルツハイマー病になるというのも不思議な感じがする。
排泄なんかで、粗相するようになっても、昔聴いた音楽のメロディーを口ずさむのだそうだ。

「記憶力がありすぎると、失敗や苦痛もすべて忘れられないので、もしかすると及び腰になってしまうのではないか、と言う人もいる。そうならば、記憶力がありうるのは不利になりうるのだ」

老人力」という言葉がある。

年取ってボケても、老人力(エイジングパラドックス)でカバーできればいいなあ。