じじぃの「科学夜話・第5講・奇跡的な宇宙・生命誕生・水の特殊な性質!宇宙の雑学」

【ゆっくり解説】地球は生物か?地球=生命体と考える「ガイア理論」を解説!

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=l9V-lX9wOks&t=19s

水の神秘 科学を超えた不思議な世界


地球(ガイア)って、惑星の表面を水が覆っている!なんてすごい!

喉が渇いたら「水」をゴクゴク。本当に当たり前。でもこの当たり前のことが、実は奇跡的なコトなんだと驚くわけです。
https://gaiaup.com/these/earth-gaia-live.html

『宇宙とは何か』

松原隆彦/著 SB新書 2024年発行

第5講 微調整問題と人間原理 より

奇跡的な宇宙

我々の宇宙だけでなく、たくさんの宇宙がある、それも無数にあるという「マルチバース論」が出てくるのには、必然性があると言える背景があります。

単純に言うと、この宇宙があまりにも奇跡的な存在だということです。生命や人間が存在する宇宙は、ものすごく大変な条件を重ねなければできません。

それなのに、現実にこの宇宙が存在するのはなぜかと考えたとき、マルチバースは1つの解決策になります。無数に宇宙があれば、その中に1つくらい奇跡の宇宙があってもおかしくありません。ある意味では、この奇跡的な宇宙への疑問を、安易に解決する方法がマルチバースなのです。

ではどのくらい奇跡的なんでしょうか。今回はその話をします。

測定してはじめて決まる「パラメータ」

自然界には、測定によってはじめて決まる定数がいくつもあります。物理の法則には、こうした物理定数が必ず含まれています。

たとえば、電気力は電子の電荷がどのくらいかによって決まります。電荷とは粒子や物体が帯びている電気の量のことです。電気量を測ると、最小単位の整数倍になっており、その最小単位を電気素量と言います。電気素量はどこで測っても同じです。一定の値が見つかるわけですが、なぜその値なのかという理由は見つかりません。理論上は、その値である必然性がなく、どんな値であってもいいはずです。

重力定数もそうです。
ニュートンが見つけた「万有引力の法則」は、万有引力は2つの物体の質量の積に比例し、距離の2乗に反比例するというものです。この関係における比例定数は重力定数と呼ばれます。重力定数は、測定によって決まったものであって、この値でなければならない理由がありません。
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どうも自然界のパラメータは、この宇宙に生命が誕生するように微調整されているふうに感じます。なぜか我々にとって都合のいい値になっているんです。まるで神様がパラメータを自由に変えることのできる機械を持っていて、生命を誕生させようと細かく調整しているかのようです。パラメータの値には必然性が見つからないため、いまの物理学では説明ができないのです。

これを「宇宙の微調整問題」と呼びます。
宇宙には、測定してはじめてわあるパラメータが、現状見つかっているもので40個あります。そのすべてが、この宇宙を成り立たせるのに微妙な値をなっています。
いくつかのパラメータを見ていきましょう。

もしも光速度が遅かったら

次に光速度です。1秒間に約30万kmという速さです。
仮にこの光速度が遅かったらどうなるか考えてみましょう。日常生活で時間や空間のズレを意識しないのは、光速度があまりに速く、それに比べて我々が遅いからです。移動している人と止まっている人とでは時間がズレますが、あまりにもわずかなので感じません。

光速度を遅くすると、時間や空間のズレが大きくなります。光速度を遅くするほど、相対的な効果が大きくなり、たとえば少し動くだけで、止まっている人との時間が何十秒もズレたりします。

ミクロの世界にあらわれる「プランク定数

プランク定数hもパラメータです。
第3講で出てきましたが、覚えていますか?

確か、古典力学量子力学の境目をあらわすという……。

そうです。古典力学で説明できる身のまわりの世界と、古典力学が通用しないミクロの世界、その境目を決めているのがプランク定数です。その値は6.62607015 × 10-34m2 kgs-1です。10-34という小さな因子が含まれていますから、とても小さな値であることは直感的に理解できるかと思います。プランク定数はごく小さい値のため、原子ほどのミクロの世界に踏み込まない限り古典力学で説明できてしまうんです。

基本定数から得られるプランク尺度

ここまで話した重力定数光速度プランク定数の3つは、物理学の中でもっとも基本的なパラメータです。3つとも物理法則と密接な関係があることがおわかりでしょう。重力定数一般相対性理論光速度特殊相対性理論プランク定数量子論を特徴づける定数となっています。

この3つの定数の単位はすべて、長さ、質量、時間という3つの単位の組み合わせでできています。そこで、3つの定数をうまく組み合わせることによって、長さだけの単位を持つ量、質量だけの単位を持つ量、時間だけの単位を持つ量を作ることができます。

そうして得られた量は、それぞれプランク長さ、プランク質量プランク時間といいます。

生命に都合のいい水の特殊な性質

生命に不可欠な「水」にも、微調整が働いているように思われます。

水は我々のまわりに満ちあふれているので、その存在はごく当たり前です。でも、その性質を調べると実は水が特殊な存在であることがわかります。

まず、氷が水に浮くというのがすごい。これはまったく当たり前ではないんです。普通は液体が個体になると密度が高くなり、沈みます。水以外の物質はみんな沈むんです。それなのに、氷だけはなぜか体積が増えて、密度が薄くなって浮きます。

そのおかげで生命が生き続けることができ、進化しました。
池でも海でも、凍るところを想像してみてください。氷が沈むということは、底の力から凍っていきますね。すると、水の中に生きているものたちは上へ押しやられます。えさもなくなるでしょうし、水が全部凍ってしまったら、もう生きる場所がありません。

一方、上から凍っていくのでは、氷がフタのようになって下の方は凍りにくくなります。4℃の水が一番重いので、海の底は4℃になります。表面が凍っていても、生き物たちはその下で生きていくことができるのです。

もともと、我々の祖先は水の中で生きていました。どんなに寒い時期でも、水の中で生きられたからこそ、長い時間をかけて進化を遂げたのです。

水は他の物質に比べて圧倒的に比熱が大きいという特徴があります。熱をためこむ力が大きい。つまり、温まりにくく冷めにくいということです。内陸では季節による温度差が激しく、沿岸では温度差が少ないのは、海が熱をためこんでいるからです。

もし、水の比熱がこれほど大きくなければ、地球の環境は激変するでしょう。温度差が激しくなり、生命にとって厳しい環境になります。

表面張力がやたらと大きいという特徴もあります。水をコップのふちギリギリまで入れても、水が盛り上がってこぼれませんよね。こんな盛り上がり方をする液体は他にありません。人間の体の大部分は水でできています。水の表面張力が大きいおかげで、生命維持に不可欠な細胞の活動がスムーズにいっています。そして、水の比熱の大きさが体温調節にも役立っています。

このように、身近な水1つをとっても、宇宙の微調整を感じさせられます。

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じじぃの日記。

松原隆彦著『宇宙とは何か』という本に、「生命に都合のいい水の特殊な性質」というのがあった。

「水は我々のまわりに満ちあふれているので、その存在はごく当たり前です。でも、その性質を調べると実は水が特殊な存在であることがわかります」

SDGsの大切な課題――すべての生き物から切り離せない水。
ローマ帝国のあるところ水道あり」。水は豊かさの象徴だった。

ちょっと古い本(2006年発行)だが、ウェスト・マリン著『水の神秘 科学を超えた不思議な世界』に、こんなことが書かれていた。

「古代神話は水を生きている直感をもつ存在として描いているが、水は生物学的には生きている形態と呼ばれる条件を満たしておらず、したがって現代科学では、水は生きていると考えられていない。従来の考えにとらわれない生命の定義に従えば、水は生きているかもしれないし、そうでないかもしれない。水の直感に関する疑問には、一致した基準の答えはないようである」

「このように、身近な水1つをとっても、宇宙の微調整を感じさせられます」

水は生きているかもしれないし、そうでないかもしれない。

信じるか信じないかはあなた次第です!