じじぃの「科学夜話・第2講・ダークエネルギー・宇宙の膨脹が加速!宇宙の雑学」

【宇宙にははじまりがある】宇宙膨張の発見とビッグバン

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=g7NLf9jjVOY

宇宙とは何か vol.06「膨張とホライズン」 松原隆彦

2024年2月20日 note
宇宙の膨張の不思議
宇宙の年齢は、さまざまな観測と研究を積み重ねた結果たどり着いたのですが、簡単に言うと宇宙の膨張のスピードから割り出しました。

遠くの天体は、自分を中心にしてあらゆる方向に遠ざかっているように見えます。その遠ざかる速度を測って、現在の距離を割ります。何年前に自分とその天体が同じ位置にいたのか、さかのぼって考えるわけです。実際には速度が速くなったり遅くなったりするのでそう単純ではありませんが、それらも考慮に入れて138億年という数字が出ています。
https://note.com/pequod_crews/n/na98beaf13a81

『宇宙とは何か』

松原隆彦/著 SB新書 2024年発行

第2講 宇宙の地平

銀河、銀河団、超銀河団 より

天の川銀河は、比較的大きな銀河の1つです。私たちが夜空で見る天の川は、内部から見た姿です。直径を見積もると10万光年以上。中心部分が太った楕円形をしていて、円盤状の部分は渦巻模様が広がっています。
このタイプは「渦巻銀河」とよばれ、宇宙にはたくさんあります。「銀河」と聞くと、このタイプをイメージする人が多いのではと思います。

他にも、渦巻状の模様を持たない楕円形の「楕円銀河」も宇宙にも多くあります。「渦巻銀河」とも「楕円銀河」ともいえない、中間のような形は「レンズ状銀河」です。決まった形を持たない「不規則銀河」もあります。

いずれのタイプであっても、銀河は群れ集まる性質を持ちます。重力が働くからです。銀河同士も引っ張り合って集まってくるので、銀河の団体さんができます。50個から数千個の銀河が集まると「銀河団」になります。その銀河団同士も引っ張り合うので、さらに大きな「超銀河団」が作られつつあります。大きいものほど移動に時間がかかりますから、超銀河団ほどのとてつもないものは、まだ発生の途中という感じです。

銀河の未来とダークエネルギー より

将来、超銀河団は完全に形成されるのでしょうか。
実は、膨脹のスピードが速くなっているため、これ以上は集まれず「銀河団で打ち止めだろう」と考えられています。

膨脹スピードを速めているのは、ダークエネルギーだと考えられています。ダークエネルギーとは正体不明のエネルギーで、集まったりすることなく宇宙空間に均一に存在するものです。

以前は、宇宙の膨脹は徐々に遅くなると考えられていました。星がお互いに引き合う重力に支配され、宇宙膨張は減速するはず、という推測です。

しかし、1980年代の終わり頃から、宇宙の膨脹が加速している兆しがあることが指摘されるようになってきました。ただ、観測によって加速膨脹を証明するまでにはなかなか至りませんでした。

実際に見つかったと発表されたのは1998年および1999年のことです。2つの異なるチームが遠方で起きる超新星爆発を観測・解析するという手法で、どちらも同じように宇宙が加速膨脹していることを示しました。このことは宇宙論の学者だけでなく、物理学の学者たちをも驚かせました。これまでの物理理論では説明できないことが起きているわけです。

ちなみに私もまだ遠方超新星爆発の解析結果が出るより前の1990年代半ばに、加速膨脹を伴う宇宙モデルについて研究していました。当時はダークエネルギーという言葉はありませんでしたが、宇宙を広げようとする持つ何らかのエネルギーがあるはずだというアイデアアインシュタインの頃から出ていたのです。ですから、宇宙の加速膨脹が証明されたときは驚くというより「やはりそうだったか」と感じました。

膨脹スピードを速めるのは、普通の物質には無理です。加速膨脹を説明するには、正体不明のダークエネルギーの存在を考えるしかありません。そうしないとつじつまは会いません。

ダークエネルギーは宇宙全体のエネルギーの68%ほどを占めると考えられています。
というのも、宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎを解析して、宇宙に存在するはずの総エネルギー量を調べることができています。宇宙全体に全部でこのくらいの量のエネルギーがないとおかしいというのがわかるんです。

ここで、アインシュタインの方程式E=mc2で明らかになったように、質量とエネルギーは本質的には同じです。宇宙中の元素を質量エネルギーに変換してみると、宇宙に存在するはずの総エネルギー量の5%にしかならないのです。残りの95%がダークマターダークエネルギーです。正体不明の物資、ダークマターを観測と理論によって見積もると27%ほどになります。残りの68%がダークエネルギーというわけです。

ダークエネルギーは空間あたりのエネルギー量が一定です。空間が増えれば、その体積に比例してエネルギー量が増えます。つまり、宇宙が膨脹すれば、ダークエネルギーも増える。それによって膨張を加速させているのです。

計算結果によれば、宇宙の膨張が減速から加速に転じたのはおよそ50億年前ということもわかっています。そこからどんどん加速しているわけです。

宇宙の将来にはいくつかの異なる可能性がありえますが、その中には際限なく加速していって、遠い将来には銀河団同士が引きはがされてしまい、銀河団はバラバラになってしまう可能性もわずかながらあります。

銀河団がバラバラになった次は、銀河がバラバラになって……。最終的に星もバラバラになりますか?

その前に星の寿命がくるので、それはなさそうです。燃え尽きちゃうのが先です。

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じじぃの日記。

松原隆彦著『宇宙とは何か』という本に、「銀河の未来とダークエネルギー」というのがあった。

ダークエネルギーは空間あたりのエネルギー量が一定です。空間が増えれば、その体積に比例してエネルギー量が増えます。つまり、宇宙が膨脹すれば、ダークエネルギーも増える。それによって膨張を加速させているのです」

「計算結果によれば、宇宙の膨張が減速から加速に転じたのはおよそ50億年前ということもわかっています。そこからどんどん加速しているわけです」

宇宙は、約138億年前に誕生して以来あらゆる方向へ膨張を続けている。
ハッブル定数」と呼ばれる、現在の宇宙の膨張速度を分析することにより宇宙の年齢を推定できる。

宇宙の膨張が減速から加速に転じたのはおよそ50億年前らしい。
   
宇宙の膨張速度は、いつ、どのように変化したのでしょうか。この問題を調べるためには、近傍の星から遠くの星まで、様々な距離の星を観測することが必要です。いろいろな距離にある星を観察することは、それぞれの距離に応じた過去をみることに相当するからです。
この観測のために使われるのが“Ia型超新星”です(図2)。Ia型超新星は、軽い星が燃えた後にできる白色矮星からできます。白色矮星が、もうひとつの星と互いの周りを周回する連星だった場合、自分のまわりにガスを取り込み、太陽質量の1.4倍になると超新星爆発を起こしIa型超新星になります。

ではIa型超新星を使って、どのように宇宙の膨張速度を測るのでしょうか。
https://www2.kek.jp/ja/newskek/2005/julaug/darkenergy.html

宇宙の膨張速度は光速を超える

光速を超えるものは存在しない、というのは物体に対して適応され、相対論的因果律が保たれますが、時空の膨張には当てはまりません。「光速よりも早い速度は存在しない」は正しくは、「光速を超えて情報を伝達する物体は存在しない」ということであり、時空の膨張が光速を超えるのはいっこうに問題ないのです。
https://mond.how/topics/36iaucfg1gk4gsa

ダークエネルギーは、物質ではないので光速を超えても問題ない。

のだそうです。

備考.
ダークエネルギーは、一般相対論ではアインシュタインが導入した「宇宙定数」として、量子力学では理論的に存在が予想される真空エネルギーとして説明されています。