じじぃの「未解決ファイル_311_ハッブルの法則・宇宙の加速膨張」

What is the Universe Expanding Into?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kV33t8U6w28

宇宙は70億年前に加速膨脹し始めた


宇宙の起源と未来を解き明かす新プロジェクトSuMIRe発足

IPMU-カブリ数物連携宇宙研究機構
1998年に宇宙の膨張が加速していることが発見されました。宇宙の膨張はアインシュタイン一般相対性理論理論で予言されたことですが、あくまで重力による現象なので、宇宙の膨張は基本的に地表から真上に投げたボールの運動と同じはずです。つまり重力に引っ張られて徐々に減速するはずです。

ところが徐々に減速してきたボールが最近(約70億年前)逆に加速し始めたということになります。つまりなぜかエネルギーが増えている訳です。これは宇宙が膨張するとともにエネルギーが湧き出していることを意味し、ダークエネルギーと名付けられました。

これが本当だとすると宇宙の約73%がこの未知の不可思議なダークエネルギーで占められていることになります。あまりに衝撃的な発見なので、アインシュタインが間違っているのではないかという説すら出ていて、世界中で注目を浴びている謎です。この謎を解明するために欧米で厳しい競争になっています。
一方、遠方の銀河から光が届くのには何十億光年とかかるため、遠くを見ることは過去の宇宙の姿を見ることになります。このことを使って、本計画では約400万個の遠方銀河の分布を分光器で正確に調べることで、宇宙の膨張の歴史を解明します。その結果宇宙の膨張の加速の原因であるダークエネルギーの正体に迫り、ひょっとするとアインシュタインの間違いが見つかる可能性もあります。また今までの膨張の歴史から未来を予測することも出来るようになります。もし宇宙の膨張の加速がどんどん進んでいるようだと、将来宇宙の膨張速度が無限大になり、宇宙は無限に引き裂かれて銀河も星もいずれは原子までばらばらになってしまうビッグ・リップという未来が予想されることになります。
https://www.ipmu.jp/ja/node/478

『数学的な宇宙 究極の実在の姿を求めて』

マックス・テグマーク/著、谷本真幸/訳 講談社 2016年発行

私たちの宇宙は膨張している より

最終的に人々をビッグバンのアイデアに振り向かせることになったのは、新しい理論的研究ではなく、新しい観測結果だった。すでに銀河の存在を確立していたエドウィン・ハッブルは、次の目標として、宇宙に散らばる銀河がどう分布し、どう動いているのかを明らかにしようと考えた。前章で見たように、天体がどれだけの速度でこちらに向かってきているのか、あるいは遠ざかっていっているのかを明らかにするのは、容易なことが多い。なぜなら運動によってその天体のスペクトルがずれるからだ。虹色を構成する色の中で最も振動数(周波数)が低いのは赤なので、銀河が私たちから遠ざかっているとすると、そのスペクトル線はすべて赤色の方向にずれる。この現象は「赤方偏移」と呼ばれ、その大きさは遠く遠ざかっている銀河ほど大きい。逆に銀河がこちらに近づいているときには、スペクトルは高振動数側にずれる。すなわち、「青方偏移」する。
銀河が単にでたらめに動き回っているだけであれば、観測されるスペクトルは、赤方偏移青方偏移が半数ずつを占めると期待される。しかし驚いたことに、ハッブルが測定したほとんどすべての銀河は赤方偏移していた。なぜすべての銀河が私たちから遠ざかっているのだろう? 銀河は私たちを嫌っているのだろうか? 彼らに何かまずいことでも言ってしまったのだろうか? ハッブルはさらに、地球からの距離 d が大きい銀河ほど、遠ざかる速度 v も大きいことを発見した。ハッブルが発見したこの関係は次のように表される。

v = Hd

これは現在、「ハッブルの法則」として知られている。ここで、H はいわゆるハッブルパラメーターと呼ばれるものだ。ハッブル自身は1929年の論文で、(自分の名前の頭文字であるHを使わず)謙虚に K と書いている。興味深いことに、ジョルジュ・ルメールは、注目されなかった件の1927年の論文で、彼の発見した膨張宇宙解がハッブルの法則を予言することを示していた。宇宙膨脹により、宇宙のすべてのものが別のすべてから遠ざかっているとしたら、遠くの銀河はハッブルの法則に従って遠ざかっているように私たちからは見ることを、ルメールはすでに示していたのだ。
銀河がまっすぐ私たちから遠ざかっているとしよう。するとその銀河は、過去に遡ると、私たちのすぐそばにあったことになる。それはどれくらい過去だろう? 銀行強盗の車が走り去っていくのを観察しているとすると、その車がいつ銀行を発ったのかは、銀行から車までの距離を車の速度で割ることで推測できる。これと同じことが遠ざかる銀河にも適用でき、ハッブルの法則を使うと、どの銀河に対しても d/v = 1/H という同じ答え(!)が得られることが分かる。現在の観測値を使うと、これは 1/H ≒ 140億年だ。
したがってハッブルの発見は、多くの物質が一点に集まって高密度になるという何か劇的なことが、約140億年前に起きたことを示唆している。なお、より正確な値を得るには、車または宇宙が犯行現場を去ってからどの程度、加速/減速/定速巡航したかを考慮に入れる必要がある。実は、現在の観測結果とフリードマンの方程式を使ってこれを行うと、必要な補正は非常に小さく、数パーセントにすぎないことが分かる。

私たちの宇宙はビッグバン後、最初の半分の時間を減速膨張して過ごし、残りの半分の時間を加速膨脹して過ごしたため、補正はほとんどキャンセルされてしまうのだ。

                        • -

おバカな、じじぃの日記。
ハッブルさんは天体望遠鏡で宇宙を観測していて、宇宙が膨張していることを見つけた。
寒い夜中、毎日のように、観測し続けたんだろうなあ。
ハッブルさん、ありがとう。