じじぃの「人の死にざま_1382_エミー・ネーター(女性数学者)」

宇宙白熱教室 第3回 「 宇宙膨張驚異の発見 〜 ダークマター への道のり 〜」 動画 dailymotion
http://www.dailymotion.com/video/x4j2pwn
Emmy Noether 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=vFL3JLNuIvE
 エミー・ネーター

3 保存量と対称性(ネーターの定理)
http://scphysblank.tubakurame.com/analy/analych3.html
エミー・ネーター ウィキペディアWikipedia)より
アマーリエ・エミー・ネーター(Amalie Emmy Noether, 1882年3月23日 - 1935年4月14日)は、20世紀初めに活躍したドイツ出身の女性数学者。レオン・レーダーマンによれば「歴史上最も偉大な数学者の一人」であり、アルバート・アインシュタインによれば「(物理学に)最も価値ある貢献をした数学者」である。
環論において重要な概念であるネーター環を提唱した。対称性があるところには それに対応する保存則が存在するというネーターの定理は物理学の分野の基本定理である。
1935年、卵巣がんによりブリンマーにて死去。満53歳没。遺灰はブリンマー大学の図書館を囲む通路の下に埋葬された。

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白熱教室 「第3回 宇宙膨張 驚異の発見 〜ダークマターへの道のり〜」 2014年7月4日 NHK Eテレ
【講師】アリゾナ州立大学 宇宙物理学 ローレンス・クラウス教授
▽宇宙膨張 驚異の発見
さて、第3回からはいよいよ宇宙論の最大の謎へと迫っていく! まずは、1920年代にエドウィンハッブルによってなされた宇宙膨張の発見。
これは、未来永劫にわたり静的だと思われていたそれまでの宇宙像を一変させた。そして、宇宙には始まりがあるという事実を私たちに突きつけ、同時に宇宙の未来はどうなるのかという新たな疑問を投げかけた。つまり、宇宙の膨張はこのまま永遠に続くのか? それともやがて収縮に転ずるのか? という謎だ。クラウス教授は、それを知るためには宇宙にどの程度のエネルギーが存在しているかを知る必要があると力説し、白板を前に数式を駆使したエネルギーの解説を始める。そして、たどり着くのは、なんと予想外の未知の物質=ダークマターの存在! 驚天動地の最先端宇宙論への扉を開く。
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/cosmology/140704.html
7月4日 NHK Eテレ 白熱教室 「第3回 宇宙膨張 驚異の発見 〜ダークマターへの道のり〜」より
「宇宙は膨張している」という事実の発見。
1929年のことだ。それ以前の科学者たちは宇宙は永遠に変化しないいわば「静かな存在」だと考えていた。
だが、1929年全てが変わった。「宇宙には始まりがあった」という事実が明らかになった。それは「宇宙の終わりはどうなるのか」という新たな疑問まで生み出した。
その全てを変えた男は私の偉大なるヒーローの一人だ。
エドウィン・ハッブルアメリカの天文学者で、私たちの銀河系以外にもたくさんの銀河が存在することを初めて発見した人でもある。
実は、1925年ごろまでは、宇宙にはたった1つの銀河しかないと思われていた。たった1つだ。
宇宙には私たちの住む銀河系しかないと思われていたわけだから、その後の宇宙観の変化がいかに大きなものだったか分かるだろう。
ハッブルは望遠鏡を駆使した観測で他にも多くの銀河が存在することに気づいた。
それ以前は天文学者たちが「星雲」と名付けたぼんやりとしたものが見えていただけだった。
ハッブルはそのぼんやりとしたものは実は、私たちの銀河系の外にある別の銀河だという事実を突きとめたんだ。そして、彼はさらに驚くべき事実を発見した。
それらの銀河は私たちから遠ざかっていたんだ。
彼の発見はこんなイラストで表すことができる。私たちの銀河系がこのイラストの真ん中にあるとするとそれぞれの銀河はおおむね私たちから遠ざかっているということだ。
ちなみに私たちのそばにあるアンドロメダ銀河は重力の作用で近づいてきている。でも視野を広げてみると銀河は私たちから遠ざかっているんだ。
そして、驚くべきことに2倍遠い所にある銀河は2倍の速度で遠ざかっていて3倍離れた銀河は3倍速く遠ざかっている。
数式で表せば「速度は距離に比例する」ということだ。
ハッブルが発見したこの比例定数はハッブルにちなんで「ハッブル定数」と呼ばれている。
さてこのイラストは一見すると別のことを表しているように見える。
それは宇宙が膨張しているというよりも私たちは宇宙の中心にいるんじゃないかということだ。
問題は私たちが自分たちを中心に物事を考えてしまいがちだということだ。
でも前回までに学んだ「物理学者の道具」を使えば表面的なことに惑わされずその奥に隠された真実を見つけ出すことができるようになる。
そのためには私たちは自己中心主義を捨てなければならない。
そこで宇宙を単純化してもし宇宙が2次元だったらと考えてみよう。
これは銀河の1つ1つを〇として描いたものだ。
前回の講義に出てくれた人にとっては牛の群れ(〇)に見えるかもしれない。
左側は等間隔に銀河を配置したもので右側はそれがその後膨張し銀河同士が離れた様子を表している。
こうして宇宙全体を俯瞰して見ることができれば右側の図が左よりも膨張していることは明らかだ。
では、この中の1つの銀河を選んでそこから宇宙を眺めると一体どう見えるのか。
選んだ銀河を中心に2つの図を重ねてみると、ハッブルが見た宇宙とちょうど同じように見えるようになる。
2倍の距離にある銀河は2倍速く遠ざかっているし、3倍離れた銀河は3倍速く遠ざかっている。
ここで重要なのはどの銀河を選んでも結果は同じだということだ。例えばこれを選んでも同じことが起きる。
ハッブルの観測結果は私たちが宇宙の中心ではないこと、いや宇宙には中心がないことを明らかにしたとも言える。
楽観主義者なら「どこもが宇宙の中心だ」と言うかもしれない。
ハッブルのこの重要な発見は宇宙観を一変させた。
君たちにはその発見がどのようになされたのかを教えよう。
ハッブルによると「銀河の遠ざかる速度」は「その銀河までの距離」に比例する。
これは銀河を観測することによって発見されたものだ。つまり、銀河の「速度」と「距離」を測定する必要があった。
では、まず「速度」の測定だが、これは簡単だ。
ここフェニックスに住むこの2人の男性だって知っている。
列車が通り過ぎるのを見ながら彼らはこんな会話をする。彼らが何のことを話しているのかは君たちの多くにも分かるだろう。
列車が目の前を通り過ぎる時、汽笛の音色が高い音から低い音へと変わる。
列車がこっちに向かってくる時は音の波長が押し縮められ、一方遠ざかる時は引き伸ばされるからだ。
実は、光に関しても同じことが言えるんだ。物体が私たちから遠ざかっているとその物体から放たれる光の波長は引き伸ばされる。
引き伸ばされて色で言うと赤みがかって見えるようになるんだが、これを「赤方偏移」という。
恒星は光を放つ。例えば太陽も光を放っている。
ニュートンのすばらしい発見の1つは星は7色の光を放っているということだ。私たちはその7つの色を見ることができてそれを「スペクトル」と呼んでいる。
星が私たちから遠ざかるとそのスペクトルの帯が全体に長い波長の方赤の方にずれる。赤色の度合いによって銀河がどれくらいの速度で動いているのかが分かる。ある銀河の赤方偏移の度合いを調べればその銀河の遠ざかる速度が分かるんだ。
「速度」を測るのは簡単だと分かったが、問題は「距離」だ。
銀河までの距離をどう測るか。長い巻き尺があるわけでもない。だからこれも物理学を使おう。
では、この部屋の明かりを100ワットの電球1つを残して全て消したと考えてくれ。
ここで重要なのは電球の見た目の明るさは電球からの距離の2乗に反比例して減少するということだ。
つまり、今この場所での見た目の明るさは1ワットだったとすると電球の本来の明るさは100ワットと分かっているからちょっと計算すれば電球からの距離が分かるはずだ。
もし、宇宙が100ワットの電球ばかりで出来ていたら話は早いんだが、そうではないので本来の明るさが分かっている星を見つけなければならない。
「標準光源」と呼ばれるものだ。だが、それを探すのがとても難しかった。
標準光源さえあれば、その光の本来の強さは分かっているので見た目の明るさから星までの距離が分かるはずだった。でも完璧な標準光源はなかった。
これはハッブルが調べ上げたさまざまな銀河の速度と距離のデータだ。
ハッブルがすばらしかったのはこの一見バラバラなデータを見て距離と速度は比例するということを見抜きそれを示す直線を引いたことだった。
彼は正しい推測をしたんだ。
だが実は、距離を10倍間違えて測定していた。彼の時代には信頼できる標準光源がなく距離を測るのが難しかったからだ。でも今我々は信頼できる標準光源を知っている。
この写真は私のお気に入りの1枚だ。
この銀河は私たちからものすごく遠い場所にある。
数千万光年も離れた距離にあるので、その光が私たちの所に届くまで何千万年もかかる。

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このように、宇宙の始まりについては分かってきました。では膨張を続ける宇宙は今後、どうなるのか、という疑問が起きます。永遠に膨張するのか、それとも減速して収縮に転じるのかです。それについては宇宙のエネルギーを知ることで理解できると言います。
ただし、エネルギーは実は捉えにくい概念です。速度や質量のように計れるものではありません。ですが、物理学者は位置エネルギーと運動エネルギーとの2つの側面から捉えることで質量をもつ物体の全エネルギーを表現しました。
位置エネルギーと運動エネルギーの総量は一定に保たれます。これは数学的に厳密に導かれます。
これに最初に気づいたのは女性数学者エミー・ネーター(1882〜1935)でした。
彼女は物理法則が変化しない場合、必ず保存される何かがある、と考えました(ネーターの定理)。彼女は物理法則が時間が経っても変わらないならば保存される量があることを数学的に証明しました。それが、エネルギーなのです。