じじぃの「ジム・ロジャーズ・2030年世界地図・第3章・貿易収支が赤字の国」

【昨年度の貿易統計】過去最大21兆7285億円の赤字に

動画 YouTube
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図録▽貿易収支の推移(日本と主要国)

日本の貿易収支は、東日本大震災福島第一原発事故が起った2011年に天然ガスの大量輸入によってマイナスに転じて以降、マイナス幅が拡大した(図録4760参照)。
その後、2015年から回復に向かい、2016年には再度黒字化した。その後、低下に転じ、2022年には大幅な赤字となっている。2022年の大幅赤字はロシアのウクライナ侵攻で原油などの資源価格が上昇、円安の影響が重なり、輸入額が大きく増えたためである。

先進国の中では、米国がかなり以前から大きな貿易赤字が継続・拡大しているのに加え、英国、フランスが相次いで貿易赤字国として目立つようになった。
https://honkawa2.sakura.ne.jp/5040.html

『2030年 お金の世界地図』

ジム・ロジャーズ/著、花輪陽子、アレックス・南レッドヘッド/訳 SBクリエーティブ 2024年発行

ガザ・イスラエル紛争、ウクライナ戦争、台湾有事……。私たちは、人類史上類を見ないほどの混迷の時代を迎えている。世界的混乱はこれからの世界の「お金の流れ」を大転換させつつある。これからの日本と世界は、一体どこへ向かうのか。10年後のお金の世界地図!

第3章 世界的投資家が予測するこれから10年で「沈む国」

「沈む国」「伸びる国」はここで決まる より

国の「バランスシート」に注目する
ここから10年で「沈む国」「伸びる国」を予測するにあたり、1つの指標となるのは債務である。

重要なのは、その国がどれだけ資産を持っているか、そして負債がどれだけあるかだ。

企業のバランスシートを見るように、国を見るときもバランスシートに注目すべきである。

資産が多く負債が少ない国は、バランスシートが健全であるため、「伸びる国」の条件を持っているといえる。特に負債が増加していなければ、その国が成長する可能性は高い。

歴史的に見て、重い債務を抱えている国は、暴落を余儀なくされることになる。
国の債務は、さまざまな指標から見る必要がある。

たとえば、貿易収支は非常に重要な指標である。貿易収支が赤字になっていれば、債務が増加増加しているか、今後増加する可能性が高い。それが、国の経済に深刻なダメージをもたらすことになる。

つまり、貿易収支は国の経済を良くも悪しくも大きく変化させるファクターなのだ。

「伸びる国」の条件
国が経済的に成長するための重要な条件は、大きく分けて2つある。

1つ目の条件は、世界が必要とするものを手にいれ、それを供給するということである。

わかりやすい例を挙げれば、天然資源の開発だ。

先述したようにイギリス経済は1970年代に破綻の危機を迎えたが、マーガレット・サッチャーという新たな指導者が誕生してから政策の大胆な転換を行った。サッチャー福祉国家からの脱却を図り、財政赤字の削減に着手。進むにつて、イギリスの経済は活性化していった。

しかし、私はサッチャーの政治手腕が成功を導いたという説には懐疑的である。この好況の背景には北海油田があったことを忘れてはならない。
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ちなみに、「世界が必要とするもの」は天然資源に限らない。

日本の製造業は高度経済成長期にかけて、世界で最も優れた製造技術を有していた。このような背景ももと、日本は経済的な成功を収めることができた。

日本が沈む国となったのは、債務を積み重ね続けたからである。どんなに優れた製造技術を持ってしても、債務が増え続ける限り、経済的な成功の維持は不可能である。

そしてもう1つの条件――成長に重要となるのは労働人口だ。

もちろん、ただ労働人口が多ければいいというわけではなく、きちんとした教育を受けた若い世代の人口の多寡が大きな鍵となる。

国に働き手が多く存在したとしても、高齢者が多ければ社会保障費は増大し、経済に大きなブレーキをかけることになる。

日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少を続けており、2050年には5275万人まで減少することが見込まれている。ピーク時の8716万人と比較すると、実に40%近い減少率である。

生産年齢人口が減少すれば、労働力は不足し、経済規模は縮小するから、国にとってもマイナス要素は大きなものとなる。

私がある国の将来を考えるときには、①人口が増加しているか、②生産年齢人口が充実しているかを常に確認するようにしている。

労働人口は国の成長の鍵
移民の受け入れも、労働人口を増やす重要な手段である。日本は移民の受け入れに対して消極的だが、移民に対する警戒度の高さは何も日本に限った話ではない。
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ドイツでは移民排斥を訴える極右政党が一定の支持を集めているが、これは急激に移民を受け入れた反動だろう。

シンガポールとドイツの例から学ぶべきは、移民の受け入れはコントロールが必要ということだ。移民を急激に受け入れれば大きなトラブルは免れないし、特に日本のように外国人に不寛容な国ではなおさらだ。

これから伸びていくのは、上手にコントロールしながら移民の受け入れに成功した国ということになるだろう。

法規制で読み解く経済発展
「伸びる国」になるための条件の3つ目は法規制だ。
国が起業が奨励していれば、起業家は国際的に資金を調達することも可能だが、法律が規制していればそれは難しくなる。

同様に国内に資金を持ち込んだり持ち出したりすることに、どれだけ制限があるかに注目してほしい。

いずれにせよ、国が不要な規制を緩和し、繁栄に必要なことを奨励すれば、国内外から投資先として注目されるようになり、多くの起業家がそこでビジネスをしようと意欲を持つようになる。

国がもっともらしい情報を発信していたとしても、起業家が「資金調達が難しい」と感じたならば、それはただのPRということだ。
起業家は国外に活路を見出そうと考え、国を出て行ってしまうはずだ。

もちろん、前述したように国が起業かの活動を奨励する環境があれば、ビジネスはよりうまくいきやすい。困難な環境であっても能力のある起業家は成功することができるが、環境は良いに越したことはない。

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じじぃの日記。

ジム・ロジャーズ著『2030年 お金の世界地図』という本に、「『沈む国』『伸びる国』はここで決まる」というのがあった。

労働人口は国の成長の鍵

ジム・ロジャーズ、

「そしてもう1つの条件――成長に重要となるのは労働人口だ」

「これから伸びていくのは、上手にコントロールしながら移民の受け入れに成功した国ということになるだろう」

このジム・ロジャーズの本によれば、ベトナムは今後最も成長が期待される国の1つらしい。

ジム・ロジャーズ、

ベトナム人は日本人と同様、真面目で勤勉な国民性で、なおかつ手先が器用なことでよく知られている」

ベトナム人は日本人と親和性が高いとか。

あとは、ブラジルとかパラグアイの人とか。