【徹底議論】中国とサウジアラビアが“急接近” そのウラにある思惑とは【深層NEWS】
サウジアラビアの首都リヤド
サウジアラビアは2022年に世界で最も経済成長の速い国になる、GDPは7.5%の成長見込み:レポート
02 Sep 2022 ARAB NEWS
リヤド:サウジアラビアの2022年の経済は、中国やインドなどのアジアの大国、および西ヨーロッパや北米の伸び悩んでいる経済国をしのぎ、最もペースの速い成長率になりそうであると報告された。
https://www.arabnews.jp/article/business/article_75472/
『2030年 お金の世界地図』
ジム・ロジャーズ/著、花輪陽子、アレックス・南レッドヘッド/訳 SBクリエーティブ 2024年発行
ガザ・イスラエル紛争、ウクライナ戦争、台湾有事……。私たちは、人類史上類を見ないほどの混迷の時代を迎えている。世界的混乱はこれからの世界の「お金の流れ」を大転換させつつある。これからの日本と世界は、一体どこへ向かうのか。10年後のお金の世界地図!
第2章 世界的投資家が予測するこれから10年で「伸びる国」
成長国の共通点は「安さ」と「劇的な変化」 より
大転換は戦争・災害・指導者によって生まれる
今、世界で成長している国に共通しているのは「安さ」と「劇的な変化」である。
安さと変化は、戦争と災害などからもたらされることが多い。戦争や災害などが起きると、物価は安くなり、人件費も安くなる。そこに優れたリーダーシップを持つ指導者が現われることで、劇的な変化を遂げることができるのだ。
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投資家や起業家に対して「この国に来てお金を稼ぎ、成功を収めなさい」とアピールし、実際の行動が伴っていれば、その国は確実に成長を遂げることになる。
サウジアラビア――次々と巻き起こる驚きべき変化 より
石油依存からの脱却
サウジアラビアは、現在、驚くべき変化を遂げている国である。
人口は3641万人とそれほど多くないが、移民人口は1345万人(2020年)と、かなりの数の移民を受け入れている。しかも国土は日本の約6倍と広い。
もともとは、一部のビジネスパーソンやイスラム教徒の巡礼など、限られた外国人の入国しか許していなかったが、2019年から観光ビザが解禁。続く2022年には、聖地メディナへの観光客受け入れも開始している。
外交的には中国と密接な関係を結び、中国の仲介で断交状態にあったイランと国交正常化に合意し、近隣外交を積極的に展開している。
サウジアラビアは、よく知られているように豊富な石油資源を中心に発展してきた国である。サウジアラビアは世界最大級の石油埋蔵量と生産量、輸出量を誇り、必要な政策を実施できるだけの資産をもっている。
一方で、価格の動きが不安定な石油収入に頼らず、非石油分野である製造業の企業育成が模索されてきた。
大きな転機となったのは、2015年のサルマン新国王の即位である。これを機に、指導者層の世代交代が加速し、国王の息子であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子を中心に経済運営が行われるようになった。
2017年には、サルマン国王とムハンマド王子(当時は副皇太子)が主導する「サウジ・ビジョン2030」を発表。政府系ファンドであるPIF(公共投資ファンド)を世界最大のファンドに拡大し、石油依存から脱却することなどが示され、大いに注目を集めた。
その後、「ビジョン2030」に基づくさまざまな開発政策が打ち出され、2017年には消費電力のすべてを再生可能エネルギーでまかなう巨大都市計画である「NEOM」を発表。観光・リゾート地の開発、文化・スポーツ施設建設などの核種プロジェクトが展開されている。
閉鎖的な国から、オープンな国へと激変
数十年前のサウジアラビアは、非常に閉鎖的な国だった。しかし、サウジアラビアの若い首相となったムハンマド・ビン・サルマンには大きな権力が集中しており、北朝鮮の金正恩と少し似たような立ち位置にある。良くも悪しくも、彼の政策によってサウジアラビアは大きく変わろうとしている。
サウジアラビアが変化している理由の1つとして、多くの若者が海外で教育を受けるようになったことが挙げられる。
留学先はアメリカが多いが、カナダ、オーストラリア、フランスなどもメジャーな留学先であり、近年はアニメや映画、J-POP人気を背景に、日本を留学先に選ぶ人も少なくないという。
海外で教育を受けた若いサウジアラビア人は、自国がさまさまな課題を抱えていることに気づいたのだろう。彼らが自国に戻り、世界にはもっと自由な国があると伝えた結果、若い世代が変革への行動を起こしたのだ。
もちろん、変革に抵抗する者は少なくないだろうし、また、変革は一気に進むものでもない。
女性が身に着けているアバヤ(黒いロングコート風の民族衣装)やヒジャブ(髪を覆う専用のスカーフ)が1日にして消え去るというわけではない。
ただ、すでに服装の規制は事実上撤廃されており、アバヤの下で自由なファッションを楽しんだり、家族の前ではアバヤを脱いで過ごしたりする女性は増えている。
また、2018年には女性による自動車の運転が解禁されるなど、少しずつではあるがサウジアラビアは確実に変化している。
抑圧的で閉鎖的な社会から、よりオープンな社会に移行すれば、その国はたいてい成功を収めることができる。サウジアラビアが発展すれば、世界経済にも良い影響を与えるだろう。
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じじぃの日記。
ジム・ロジャーズ著『2030年 お金の世界地図』という本に、「石油依存からの脱却」というのがあった。
ジム・ロジャーズ、
「サウジアラビアは、よく知られているように豊富な石油資源を中心に発展してきた国である。サウジアラビアは世界最大級の石油埋蔵量と生産量、輸出量を誇り、必要な政策を実施できるだけの資産をもっている」
石油は生物の死骸に由来する物質だという説がある。そのため、石油は大昔に海や湖の底だった場所に多く存在する。
海や湖の中でプランクトンなどの生物が死ぬと、その死骸が海や湖の底に溜まる。そして、その死骸に高温と高圧が加わることで石油に変わる。
サウジアラビアなどの中東で石油が多く発見されるのは、大昔に中東の辺りに大きく浅い海が存在したことが理由に挙げられる。
イメージ的には、サウジアラビアという国が石油の上に浮かんでいるような感じだ。
ジム・ロジャーズ、
「ただ、すでに服装の規制は事実上撤廃されており、アバヤの下で自由なファッションを楽しんだり、家族の前ではアバヤを脱いで過ごしたりする女性は増えている」
約10年前に書かれたある本にはこんな記事が載っていた。
ポケモンたちの中心的キャラクター・ピカチュウは、そのまま「PIKACHU」として世界の子供たちに愛されている。
ところがそんなピカチュウも、イスラム教圏ではまったく歓迎されていない。
サウジアラビアでは、一度発売されたゲームやグッズが国に押収され、子どもたちの手の届かないものになってしまうほどの嫌われぶりだ。
イスラム法評議会は、偶像崇拝を助長するとしてイスラム教徒がポケモンGOなどのゲームを使って遊ぶことを認めないとしていた。
ジム・ロジャーズ、