中国「一帯一路」提唱から10年…15兆円超が不良債権化との推計も ウズベキスタンで見た開発の現場は
2023年10月16日 東京新聞
●アジアユースの会場、TDL2個分を開発
「2年後にはここに新都市が生まれる」。ウズベキスタンの首都タシケント郊外で進む工事現場で今月上旬、タクシー運転手のアリシャさんが誇らしげに語った。
中国メディアによると、2025年のアジア・ユース競技大会競技大会の会場として15の屋外運動場を建設するプロジェクトを中国企業が2億8900万ドル(約434億円)で請け負った。開発面積は東京ディズニーランド2つ分の約100ヘクタールに及び、周辺では商業施設や住宅も開発中という。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/283939
『2030年 お金の世界地図』
ジム・ロジャーズ/著、花輪陽子、アレックス・南レッドヘッド/訳 SBクリエーティブ 2024年発行
ガザ・イスラエル紛争、ウクライナ戦争、台湾有事……。私たちは、人類史上類を見ないほどの混迷の時代を迎えている。世界的混乱はこれからの世界の「お金の流れ」を大転換させつつある。これからの日本と世界は、一体どこへ向かうのか。10年後のお金の世界地図!
第2章 世界的投資家が予測するこれから10年で「伸びる国」
成長国の共通点は「安さ」と「劇的な変化」 より
大転換は戦争・災害・指導者によって生まれる
今、世界で成長している国に共通しているのは「安さ」と「劇的な変化」である。
安さと変化は、戦争と災害などからもたらされることが多い。戦争や災害などが起きると、物価は安くなり、人件費も安くなる。そこに優れたリーダーシップを持つ指導者が現われることで、劇的な変化を遂げることができるのだ。
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投資家や起業家に対して「この国に来てお金を稼ぎ、成功を収めなさい」とアピールし、実際の行動が伴っていれば、その国は確実に成長を遂げることになる。
ウズベキスタン――順調な経済発展を実現 より
社会主義国家から資本主義国家へ
今、地政学的リスクを回避する目的で投資を行うなら、私はウズベキスタンを選ぶだろう。現に、私はウズベキスタンの投資会社に、いくつかの投資を行っている。
ウズベキスタンは中央アジア南部の砂漠地帯にある共和国である。かつてはソ連を構成した国であるが、1991年のソ連解体に伴って独立している。
独立した当初、経済は低迷していたが、社会主義から新本主義経済に移行し、1990年代半ばから徐々に回復基調に入り、順調な経済成長を遂げている。
ウズベキスタンは、一気に資本主義化したわけではなく、約25年にわたって政権を握ったカリモフ大統領の強力なリーダーシップの下、極めて斬新的な形でしか移行がなされなかった。
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しかし、2016年に就任したミルジョエフ大統領は、5ヵ年計画を発表し、国家規模の改革と自由化政策を推し進める道を選択した。
その後、観光産業の活性化や、農業の近代化、起業の推奨、ビジネスや外貨購入の自由化といった施策を導入し、大きな成果を上げてきた。
外資系企業数は2017年の5000社から2020年末には1万社へと大きく増加しているし、投資関連法や自由経済区(FEZ)に関する法律、税の優遇措置、投資家ビザの整備も着々と進んでいる。
世界銀行が発表した2020年版ビジネス環境ランキングによると、ウズベキスタンは69位にランクインしており、12年の166位と比較すると大きく飛躍していることがわかる。こうした動きを受けて、ムーディーズは、「安定的」「ネガティブ」から「ポジティブ」へと評価を改め、格付けをB1へと引き上げている。
ウズベキスタン経済を支える柱
ウズベキスタンでは、旧ソ連時代に産業を支える技術者が必要だったこともあり、もともと一定レベルの教育が施されていた。独立前は、国立大学にかかる費用は政府が負担していた。
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種別に見ると農業が盛んで、綿花栽培を主要産業としており、2021年には世界6位の生産量を記録している。たとえば、サウジアラビアが寄港的な問題から農業国として発展するのが難しいのとは対照的だ。
また、天然資源にも恵まれ、天然ガス、ウラン、金などを豊富に産出。一説には金の埋蔵量は世界12位、石炭の埋蔵量は世界10位となっている。
今後も石油や天然資源の肺発が見込まれ、経済成長は続くと考えられる。
ウズベキスタンには、共産主義の問題点を理解し、豊富な天然資源を活かして経済発展を図ろうとした人たちがいた。ソ連の失敗を目の当たりにしたからこそ、起業家精神を育むことができたともいえる。
ウズベキスタンは、私にとって魅力的な投資対象国の1つとなっている。
地図を見れば明らかだが、ウズベキスタンが中国に地理的に近いというのも好条件といえる。両国は再生可能エネルギー、デジタル技術、ブハラ州での風力発電所やタシケント州での太陽光発電所の建設事業、蓄電池システム構築への融資などで協力に合意している。今後、中国の存在感が高まるとともに、ウズベキスタンが経済的に飛躍する可能性はある。
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じじぃの日記。
ジム・ロジャーズ著『2030年 お金の世界地図』という本に、「社会主義国家から資本主義国家へ」というのがあった。
ウズベキスタン共和国、通称ウズベキスタンは、中央アジアに位置する共和制国家。
中央アジアの内陸国であり、北はカザフスタン、北東はキルギス、南東はタジキスタン、南はアフガニスタン、南西はトルクメニスタンが存在する。首都はタシュケントで、最大の都市でもある。
ウズベキスタンはテュルク語圏の一部であり、テュルク評議会、テュルク文化国際機関、テュルク語圏諸国議会のメンバーでもある。国連、WTO、CIS、上海協力機構(SCO)、ユーラシア経済連合、CSTO、OSCE、イスラム協力機構などの国際機関に加盟している。
ウィキペディア(wikipedia) より
ウズベキスタンは、面積 44万7400km2(日本の約1.2倍)、人口 約3,239万人(2017年現在)、首都 タシケント (Toshkent) 270万人である。
国土の4分の3を砂漠とステップ(草原)が占める。
ウズベキスタンの最大の魅力は、壮大なイスラーム建築群だ。
空に高くそびえるミナレット、美しい装飾タイルで飾られた壁や印象的な青いドーム。そして砂色した町並み。シルクロードに最も近いイメージの国だ。
ジム・ロジャーズ、
「しかし、2016年に就任したミルジョエフ大統領は、5ヵ年計画を発表し、国家規模の改革と自由化政策を推し進める道を選択した」
「地図を見れば明らかだが、ウズベキスタンが中国に地理的に近いというのも好条件といえる」
習近平国家主席は1月24日、国賓として中国を訪問したウズベキスタンのミルジョエフ大統領と北京の人民大会堂で会談した。
習近平、
「双方は新時代における全天候型の包括的な戦略的パートナーシップの発展を契機に、高水準の政治的相互信頼によって中国ウズベキスタン運命共同体の礎を強固に築き、『一帯一路』の質の高い共同建設によって各々の現代化事業の推進を支える必要がある。政府間協力委員会などの場を活用し、戦略的意思疎通を強化し、戦略的相互信頼を全面的に深める必要がある」
このジム・ロジャーズの本によれば、ウズベキスタンは今後最も成長が期待される国の1つらしい。