じじぃの「嗅覚・匂いが命を決める・第9章・昆虫・血の匂いを嗅ぐ蚊!匂いの雑学」

【あの人は今】"蚊に刺されやすい人を研究"話題になった高校生は今「オックスフォード大で研究できることが楽しい」|アベヒル

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=VsGDJ3TyiTQ

蚊はビールを飲む人が好み


蚊に刺されやすい人ってどんな人?

2022.02.28 コットン・ラボ株式会社
●蚊に刺されやすい人ってどんな人?
コロナウイルス感染症拡大に伴い、キャンプなど野外レジャー人気が高まっていますね。
そんな楽しい野外レジャーにつきものなのが、蚊などの虫刺され。

同じ環境にいても「自分だけよく刺されるな...」という経験した方は多いのではないでしょうか。
なんと蚊に刺されやすい人には共通していることがあるのだそうです。
そこで、蚊に刺されやすい人の特徴について説明していきます!
https://www.cotton-labo.co.jp/diary/blog/000693.html

『匂いが命を決める ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚』

ビル・S・ハンソン/著、大沢章子/訳 亜紀書房 2023年発行
 ・なぜわたしたちの鼻は顔の中央、先端についているのか?
 ・なぜ動植物は、ここぞというとき「匂い」に頼るのか?
 ・「Eノーズ」は将来、匂いの正確な転写・伝達を可能にするか?
ヒト、昆虫、動物、魚、草木、花など多様な生物の「生命維持」と「種族繁栄」に大きな役割を果たしている嗅覚。
そこに秘められた謎と、解き明かされた驚異の事実とは──。

第9章 血の匂いを嗅ぐ蚊 より

花の香りを嗅ぐ
蚊といえば、わたしたちは人の血を吸う厄介なちいさな虫を思い浮かべる。しかし実を言うと、蚊の採餌行動のほとんどは別の場所で行われている。蚊のオスは花の蜜しか吸わないし、メスも血を吸う前後にエネルギー補給のために花蜜を吸う。そして、蚊が蜜を吸う花は限られていること、また蚊の採餌行動には花の香りが大きく関わっていることもわかっている。蚊が訪れる花の種類が明らかになったのは、つい最近のことである。

ケニアのナイロビにある、国際昆虫生理生態学センター(ICIPE)の同僚たちが、非常によく考えられた方法を用いて、蚊が実際に採餌のために訪れているのはどの花であるのかをはじめて突き止めた。実験には、野外で採集された蚊が用いられた。最初に簡単な検査を行い、研究に使用する蚊の体内に果糖が含まれていることを確認し、つまり蚊が花蜜を摂取していることを証明した。その後研究チームは、蚊の腹の内容物のDNAバーコーディングを行い、蚊がどの植物から花蜜を摂取したかを特定することに成功した。
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先に述べたように、蚊もまたマラリア原虫に寄生される被害者である。それに対して、彼らに何かできることはあるのだろうか? ある種の蚊は、花蜜を摂りに訪れる花の種類を、抗マラリア効果のある化合物をあたえてくれる花に変えることによって自己治療していると考えられる。適切なものを食べて寄生虫による負荷を減らし、より多くの子孫を残せるようにしているのだ。

総じてマラリア蚊は、花蜜の報酬をたっぷりくれる花や、薬効のある花蜜を出す花を見分けられる鋭い嗅覚を発達してきた。マラリア蚊が好む花の香りには、彼らを虜にして「花蜜」へと引き寄せる、何らかの共通した特徴があると思われる。

人それぞれ?
先に、糖尿病患者の匂いが蚊を引き寄せやすいということを述べた。西アフリカのガンビアで実施された別の実験からは、蚊帳(かや)の中で寝ている妊娠中の女性は、妊娠していない女性の2倍、蚊を引き寄せやすいことがわかった。しかし、このちがいを生み出しているのがどの匂い物質なのかは、やはりわかっていない。

蚊を引き寄せやすい人とそうでない人のちがいに関するじつに興味深い事実が、感染力のあるマラリアに罹患している人とそうでない人を比較する実験によって明らかになった。よく設計されたこの実験に参加したのは、ケニア西部州に住む、3名を1組とする12名の子どもたちだった。ケニア西部州はマラリア感染の多発地帯として知られている。各グループの3名の子どもたちのうちの1人はマラリア原虫に感染していない子ども、もう1人は原虫が体内で無性生殖を繰り返す段階の非感染症マラリアに自然感染した子ども、別の1人は、体内に生殖母細胞をもち、マラリアを人に感染させる力をもつ子どもだった。この3つの状態の子どもたちを比較したところ、感染させる力をもつ感染段階の子どもの匂いは、その他の感染段階の子どもたちと比べて、マラリア蚊への誘引力が2倍高かった。しかし最初の比較実験のあと、マラリアに感染している子どもたちに抗マラリア薬が投与されると、蚊への誘引力の差はなくなった。
この結果から、子どもたちを蚊に刺されやすくしているのは、じつは彼らの体内に存在する、感染力のある段階に成長した寄生原虫の存在であることがわかった。
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立証されているのは、(残念ながら……)ビールを飲むと男性はかを誘引しやすくなるということだ。ブルキナファソで行われたある実験に参加したおよそ40人の男性は、ドロと呼ばれる地ビールを1リットルか、あるいは水1リットルのどちらかをあたえられた。15分後、ティエリー・ルフェヴルと共同研究者らは、被験者に何匹の蚊が誘引されたかを数えた。体温も呼気に含まれるCO2の濃度も同程度だったももかかわらず、ビールを飲んだ男性らは、明らかにほかの男性たちより多くの蚊を引き寄せていた。

このちがいの原因は、放出された匂いにあるのではないか。研究チームは次のように結論づけた。「これはビールの思いがけない副作用として蚊を引き寄せやすくなっただけでなく、もしかすると、蚊はビールを飲んだばかりの人を好むように進化してきたのかもしれない──おそらく飲酒によって宿主の防御行動が減るという理由で、あるいは宿主の血液に栄養が行きわたるという理由で。これは好奇心をそそられる仮説だが、確証を得るにはさらなる研究が必要である」

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じじぃの日記。

ビル・S・ハンソン著『匂いが命を決める ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚』という本に「血の匂いを嗅ぐ蚊」というのがあった。

「蚊のオスは花の蜜しか吸わないし、メスも血を吸う前後にエネルギー補給のために花蜜を吸う」

どういうわけか、血を吸う蚊はメスだけなのだそうだ。

蚊に刺されやすい人ってどんな人?

糖尿病の人とか、ビールを飲んだ人とか、汗を多くかく人が、蚊の好みなんだとか。

2022年12月に公表されたWHOの最新の世界マラリア報告によると、2021年の1年間に約2億4700万人が感染し、推計61万9,000人が死亡しています。
              厚生労働省

去年(2023年)は蚊が少なかった。
蚊が少なかったのは、猛暑で蚊も “夏バテ”だったからだとか。

蚊も地球温暖化の影響を受けているみたいです。