Mickey and Minnie: A Love Story - Mickey's 90th Spectacular
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脳の構造
『匂いが命を決める ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚』
ビル・S・ハンソン/著、大沢章子/訳 亜紀書房 2023年発行
・なぜわたしたちの鼻は顔の中央、先端についているのか?
・なぜ動植物は、ここぞというとき「匂い」に頼るのか?
・「Eノーズ」は将来、匂いの正確な転写・伝達を可能にするか?
ヒト、昆虫、動物、魚、草木、花など多様な生物の「生命維持」と「種族繁栄」に大きな役割を果たしている嗅覚。
そこに秘められた謎と、解き明かされた驚異の事実とは──。
第6章 ネズミは嗅覚がすべて より
4つあるうちの第1の鼻
人にとっては、鼻は鼻でしかない。ただそれだけだ。しかし脊椎の有無にかかわらず、ほかのほとんどの動物にとっては、嗅覚は鼻以外のいくつかの別の場所にもあるもので、ネズミはそのよい例である。ネズミには匂いを嗅ぐための異なる4つの器官があり、それぞれ独特の形状と機能をもっている。
人と同様、ネズミの主嗅覚も頭骨内の鼻孔の上部にある。つまり鼻だ。ネズミの鼻の内部の粘膜組織は非常に入り組んでいて、そのぶん人の嗅粘膜よりずっと面積が広い。この粘膜には、さまざまな種類の揮発性の匂い分子に対応する。およそ1000万個の嗅細胞が並んでいる。それぞれの嗅細胞の特性は、それが発現する嗅覚受容体によって決まる。
ネズミは、タンパク質であるこの嗅覚受容体をおよそ1200種類ほどもっており、その数は人のおよそ3倍にあたる。1つひとつの嗅覚受容体は、特定の匂い分子に対応する特殊な形状のくぼみをもち、そのくぼみに適合した匂い分子に反応するが、じつはこのくぼみには、一定の共通部分がある。あらゆる動物の嗅覚系が、大量の匂いの情報を記号化できる理由はここにある。
さまざまな種類の嗅覚受容体を組み合わせることにより、より少ない種類の受容体で、非常に多くの異なる種類の匂いを識別することができる。受容体のなかには、1個から数個の匂い分子にしか反応しない特殊なものがある一方で、どんな匂い分子にも反応するものもある。
嗅覚受容体を発現する嗅細胞は、すべて主嗅上皮、つまり鼻の嗅粘膜に埋め込まれている。そこでは、嗅細胞は、わたしたちが俗に鼻水と呼んでいる粘膜の叢の中で泳いでいる。嗅粘膜はいくつかの区域に分かれていて、それぞれの区域は同じタイプの嗅細胞を発現しやすくなっている。
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このように、ネズミの鼻やその嗅上皮、そして主嗅球は、人の嗅覚系と基本的に非常によく似ている。
ではネズミは、その普通の鼻でどんな匂いを嗅いでいるのか? そう、重要な匂いのほぼすべてを嗅いでいる。
だれが味方でだれが敵か?
ネズミの暮らしでそれ(尿などのフェロモン)以外に重要なのは、わたしたち人間と同じでだれが友人でだれが敵か、だれが親族で、だれがそうではないかをうまく見きわめことだ。ネズミの場合はそのほとんどを嗅覚が行なっている。ここで、第2章の人の嗅覚について書いた部分をぜひ読み返してほしい。人の場合も、ネズミと非常によく似た匂いの相互作用が行われていることがわかる。
個体識別が重要である理由の1つは、それによってその個体と自身の類似性をある程度判断できることだ。これには、免疫系に含まれるさまざまなタンパク質が重要な役割を果たしている。
それについては、本書の人の行動についての章ですでに触れている。このタンパク質もやはりネズミの尿中に存在しており、含まれている割合は個体によって異なる。鼻と鋤鼻器にある嗅細胞は、どちらもこのタンパク質を検知することができ、ネズミは匂いに導かれてパートナー選びをする。あまりにも自分と似た相手を選ぶのはよくないが、一方で、あまりにもちがいすぎる相手を選ぶのもいいことではないだろう。やはり、嗅覚はネズミの一生に関わる重要な問題を決定しているのだ。
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じじぃの日記。
ビル・S・ハンソン著『匂いが命を決める ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚』という本に「ネズミは嗅覚がすべて」というのがあった。
ネズミは嗅覚がすべてなのだそうだ。
赤ん坊が生まれるまでにたどる道筋を描いた本を見ることがある。
胎児の脳を、ダーウィンの進化論からみると、ある程度説明がつくのだという。
第1段階 爬虫類脳 脳幹・小脳・大脳基底核
第2段階 哺乳類脳 大脳辺縁系(海馬・扁桃核・視床)
第3段階 人間の脳 新皮質(前頭葉・前頭前皮質)
これらの脳が進化の段階で、古い脳(爬虫類脳)の上に新しい脳が包み込んでいくような形になっている。
ネズミでは新皮質がつるつるだが、ヒトではきわめて複雑に入り込んだ形で、莫大な表面積の組織を頭蓋に詰め込めるようになっている。