じじぃの「カオス・地球_207_免疫超入門・第1章・モノクローナル抗体」

関節リウマチに作用する薬④(生物学的製剤等)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=WlGnvhjqDxo

抗体医薬品とは

協和キリン
抗体医薬品とは、私たちに本来備わっている免疫システムの主役の1つである抗体を利用した医薬品です。
●特定の抗原を認識するモノクローナル抗体
私たちの体内に細菌やウィルスなどの病原体が侵入すると、その異物(抗原)を攻撃するために、免疫細胞のB細胞から抗体がつくられます。
これらの抗体は、ある特定の抗原だけを認識して攻撃する性質を持ち、それを利用して作られたのがモノクローナル抗体です。
https://www.kyowakirin.co.jp/antibody/about_antibody/index.html

生物学的製剤

後藤内科医院
●生物学的製剤とは
生物学的製剤とは化学的に合成されたものではなく、培養細胞大腸菌などの細菌を利用し作成された、サイトカインなど生体由来の物質や細胞表面の物質などに反応する高分子化合物です。
高分子化合物であるため、細胞内に入ることはなく、血液中、細胞外、細胞表面で作用します。具体的な生物学的製剤としては、モノクローナル抗体製剤やレセプターなどとの融合蛋白が関節リウマチ、乾癬、強直性脊椎炎、ベーチェット病などの治療に使用されています。 下表に日本における各種生物学的製剤の適応疾患について示します。
http://goto-naika.c.ooco.jp/ra/biologics.html

免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム

【目次】

第1章 人類の宿命・病原体と免疫の戦い

第2章 ヒトに備わった、5つの感染防御機構
第3章 病原体との攻防
第4章 自己を攻撃する免疫――アレルギーはなぜ起こるのか
第5章 炎症とサイトカイン――さまざまな病気と免疫
第6章 免疫とがん
第7章 老化を免疫で止められるか
第8章 脳と免疫の深い関係

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免疫「超」入門 「がん」「老化」「脳」のカギも握る、すごいシステム

吉村昭彦/著 ブルーバックス 2023年発行

パンデミックによって感染症や免疫に関する情報を目にすることが多くなり、私たちの知識も増えたように見える。ただ、そこで出てきた情報は、曖昧なものや誤った情報、感情的なものなどもあり、玉石混淆ともいえる。
本書ではあらためて、ウイルスなどの病原体がどのように感染を起こし、免疫がどのように働くのか、その複雑なしくみを、基本から正しくわかりやすく解説する。

第1章 人類の宿命・病原体と免疫の戦い より

免疫のカギとなる「抗体」とは

抗体は、免疫を担っている細胞(免疫細胞)の一種であるB細胞によってつくられます。抗体が結合する相手のことを「抗原」と呼びます。ウイルスや細菌など病原体そのものではなく、抗体が結合する物質の総称です。抗体はY字の形をしていて、Y字の2つの先端がそれぞれ抗原にくっつく抗原結合部です。

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B細胞は、抗原に出会うと増殖します。しかし、すべてのB細胞が増殖するのではなく、その抗原に特異的に結合するBCR(B cell recepter)を持ったB細胞だけが増えます。これをクローン増殖と呼びます。増殖したB細胞はやがて遺伝子の発現様式が変化してプラズマ細胞(形質細胞)になり、細胞膜に刺さった状態のBCRではなく、細胞の外に分泌される抗体がつくられるようになります。

医薬品にも使われる「モノクローナル抗体
1個のB細胞は1種類の抗体しかつくりません。特定のB細胞が増殖してできた遺伝的に同じクローン細胞からつくられた均一の抗体を「モノクローナル抗体」と呼びます。抗体カクテル療法の説明で出てきました。実は新型コロナウイルス感染症の治療法として抗体カクテル療法が登場する以前から、モノクローナル抗体は医薬品として使われていました。

以前は、特定の抗体をつくるB細胞とがん細胞を融合させて無限に増殖できるようにして、その細胞を培養して増やすことで、モノクローナル抗体をたくさん得ていました。この手法を発明したのがジャルジュ・ケーラー博士とセーサル・ミルスタイン博士で、1984年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

現在では、生きたB細胞を使わずに、抗体の遺伝子だけを別の細胞に導入してモノクローナル抗体を大量につくらせる方法が用いられます。さらに、抗原への結合力を人工的に上げる方法が導入されています。この方法を開発したジョージ・スミス博士とグレゴリー・ウィンター博士は、2018年のノーベル化学賞を受賞しています。モノクローナル抗体の作製技術には人類の英知が詰まっているのです。

モノクローナル抗体を使った医薬品は「抗体医薬」と呼ばれ、現在の医薬品の主力の1つとなっています。抗体医薬は、化学的に合成したものではなく、生物がつくるものであることから、生物製剤とも呼ばれます。