じじぃの「新型コロナ治療・もう1つの選択肢・モノクローナル抗体療法!ミヤネ屋」

新型コロナ治療の抗体療法、米イーライ・リリーが臨床試験開始

2020.06.02 CNN.co.jp
米製薬大手イーライ・リリーは1日、新型コロナウイルス治療のための抗体療法について、米国の入院患者を被検者とする第1段階の臨床試験を開始したと発表した。
同社は米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のワクチン研究センターと共同で有望な抗体を選び出し、イーライ・リリーが「モノクローナル抗体療法」という治療法を開発した。モノクローナル抗体療法は、エイズウイルス(HIV)やぜん息、エボラ熱、一部のがんなどの治療で有効性が示されている。
https://www.cnn.co.jp/usa/35154661.html

情報ライブ ミヤネ屋

2020年5月4日 日本テレビ
【司会】 宮根誠司林マオ 【コメンテーター】梅沢富美男おおたわ史絵、高岡達之、郡司恭子、蓬莱大介
●注目治療 期待の“コロナ”治療薬・実用化への道のり
大阪大学名誉教授・宮坂昌之氏が生解説。
1.新型コロナ治療の1つの選択肢「血漿療法」について
武田製薬などのチームが開発に着手、7月に治験開始予定。
メリットは良いドナーが見つかれば早く作れるが、デメリットは大量の血漿が必要で大量生産に課題がある。
メリット・・・ワクチンや特効薬がない現状では重症化を阻止する治療法として期待大、エボラウイルス治療では効果が確認されている。
デメリット・・・永久的に抵抗力を得るものではない。誰にでも効果があるわけではない。副作用が無いわけではない。未知のウイルスを取り込み思わぬ病に侵される恐れもある。
抗体には「善玉抗体」、「悪玉抗体」、「役なし抗体」の3種類がある。血漿治療法で効果が期待できるのは善玉抗体が多く含まれているものだけ。
悪玉抗体が多いと逆に重篤化する。
2.新型コロナ治療のもう1つの選択肢「モノクローナル抗体療法」について
米国と中国の研究チームは、新型コロナウイルス抗原を特異的に検出できるモノクローナル抗体の開発に成功したと発表した。
回復した患者からBリンパ球を抽出、新型コロナに効果のあるBリンパ球を探し出す。そこから目的の抗体遺伝子を取り出して増やし、抗体遺伝子から抗体を作り、薬にするという。
新型コロナに反応するBリンパ球を見つけるのに手間がかかる。
早ければ秋にも実用化できるという。
https://www.ytv.co.jp/miyaneya/

『現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病』

岸本忠三、中嶋彰/著 ブルーバックス 2016年発行

免疫学ことはじめ モノクローナル抗体 より

モノクローナル抗体とは、強いて日本語にすると「単一抗体」である。生命科学以外の研究者には理解がかなり難しいが、非常に重要な存在だ。
体内に病原体が侵入すると、免疫は抗体の集団をつくり出す。ミクロの世界では、病原体といえども「大きな」存在で、恐竜にたとえると恐ろしい牙を持つもの、太くて強力な足を持ったもの、長い尻尾を持つもの、などさまざまな特徴を備えている。
このため病原体と戦う抗体の群れにも、牙とがっちり結びつくような抗体、尻尾をつかんで離さない抗体など、さまざまな抗体が混在している。免疫学では、このように特徴的な抗原の部位を「抗原決定基」と呼んでいる。
たとえばがん細胞を見てみよう。実はがん細胞の表面を凝視すると、さまざまな分子がついている。それらの中には、そのがん細胞だけにしか見られない分子もあれば、どんな細胞にも共通して存在する分子もある。このため、がん細胞に対する抗体の群れには、抗原決定基に対応するさまざまな形状の抗体が混じっている。
だが、抗体はこうした混ざりものの状態ではあまり役に立たない。

病気の治療には混ざりものの中から、最も攻撃力を持つ抗体を選びだして使いたい。欲しいのは決定的な”仕事”をしてくれるただ1種類の抗体だけ。これをモノクローナル抗体という。

医療現場でがんや関節リウマチンの治療に使用されている抗体医薬もモノクローナル抗体だ。モノクローナル抗体の技術は、ヘルパーT細胞やキラーT細胞など、いくつかの種類(サブセット)があるT細胞の分類にも役立った。

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どうでもいい、じじぃの日記。
病原体と戦う抗体といっても、数万種もある。
その中から、新型コロナにだけ仕事をする抗体1種類だけを選ぶのが「モノクローナル抗体」らしい。
昔と違って、スパコンとAIを活用すれば必要な抗体を選び出すのは容易になってきているのだそうだ。