じじぃの「自己免疫疾患・がんを薬で治す時代に!世界を救った日本の薬」

東京都立駒込病院 ①がん免疫療法 免疫チェックポイント阻害薬について(東京都病院経営本部) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0DPNeUKqi7o
免疫チェックポイント阻害薬 (immunooncology.jp HPより)

CTLA-4阻害とPD-1阻害 がん免疫.jp
樹状細胞から腫瘍抗原の提示を受けて活性化したT細胞表面にはCTLA-4が発現し、T細胞を活性化するCD28よりも強くCD80/86に結合することで、T細胞活性化が抑制されます。免疫チェックポイント阻害薬の抗CTLA-4抗体は、CTLA-4に結合することでCD80/86との結合を阻害し、T細胞活性化を増強・持続させます。これにより、活性化した抗腫瘍T細胞が誘導されます。
一方、腫瘍組織に浸潤した抗腫瘍T細胞から放出されたサイトカインは、がん細胞や腫瘍浸潤マクロファージにPD-L1を発現させ、T細胞上のPD-1と結合することで抗腫瘍T細胞活性が抑制されます。免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体は、PD-1に結合することでPD-L1との結合を阻害し、T細胞を活性化させます。さらに、がん細胞は、CTLA-4を恒常的に発現するTregなどの免疫抑制性細胞を誘導し、CTLA-4経路を介して抗原提示樹状細胞の働きを抑制しますが、抗CTLA-4抗体はADCC活性により腫瘍組織のTregを除去することにより、がんの免疫抑制を解除します。
http://www.immunooncology.jp/medical/visualization/05.html
『世界を救った日本の薬 画期的新薬はいかにして生まれたのか?』 塚崎朝子/著 ブルーバックス 2018年発行
がんを薬で治す時代に より
1992年、”プログラムされた細胞死を制御する分子”として、京都大学本庶佑(現・高等研究院特別教授)らが発見したPD-1は、後に自己に対する免疫反応を抑制する分子(免疫チェックポイント)であると解明された。この”免疫のブレーキ”を解除する、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(『オプシーボ』)は、小野薬品工業とメダレックス社(原:プリストル・マイヤーズスクイブ社)との共同開発によって製剤化され、2014年7月、世界に先駆けて日本で皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)の治療法として承認された。
がんを免疫力で抑えつけようという免疫療法は、1950年代末に着想されて以来、さまざまな試みがなされてきたが、めぼしい成果は得られなかった。免疫チェックポイント阻害薬は、逆転の発想でその扉を開き、世界の製薬企業は、免疫チェックポイントを標的とした多くの薬剤を開発中である。
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免疫チェックポイント分子では、PD-1に先立って、CTLA-4が発見されている。
87年にフランスの研究者により、マウス由来の細胞障害性T細胞(CTL)上に選択的に発現する受容体として、細胞障害性Tリンパ球抗原(cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4:CTLA-4)が同定された。88年にはヒトにおいても同定され、90年代になると、CTLA-4はT細胞の免疫応答の抑制に関与しており、ブレーキ役として働いていることが解明されてきた。米国テキサス大学のジェームズ・アリソン(James P.Allison)は、これを取り除くことでがん治療にならないかと考えた。90年に、CTLA-4と結合してその機能を阻害する抗CTLA-4抗体を作製し、がんを体内にもっているモデルマウスにこれを投与したところ、腫瘍が消えたことを報告している。抗CTLA-4抗体は、T才能の活性化を増強・持続させ、がん治療薬になる可能性が一足先に明らかにされていた。
しかし、95年に米国の2つのグループが、CTLA-4を阻害したマウスは重篤な自己免疫症状を起こし、生後3、4週間で死ぬという報告をしていた。本庶はこれを知っていたため、CTLA-4の阻害薬では重篤な副作用が生じると想定した。
一方、PD-1遺伝子欠損マウスでは、そうした自己免疫症状は、生後半年以降に緩やかに表れてくるため、PD-1を阻害しても副作用の発現頻度はきわめて低いだろうと考えられた。そこで、PD-1を阻害してがん治療を行う可能性を実験で調べてみることにした。
まず、蛍光染色により、PD-1が結合するリガンド(細胞表面に存在する特定の受容体に特異的に結合する物質)の発現を見てみると、リガンドは免疫細胞以外の細胞に幅広く発現しており、その中にがん細胞もあった。
PD-1のリガンド分子を単離するために、本庶らは米国のバイオ医薬品企業Genetics Instituteなどとの共同研究を行ない、2000年から01年にかけてPD-L1、PD-L2を相次いで発見した。予想通り、PD-L1は、さまざまな細胞や組織に広く確認されるのみならず、ヒトのがん細胞やがん組織でも高頻度に発現していた。

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どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本をよく見ている。
自己免疫疾患は、免疫細胞が自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで炎症などの症状を起こす。
がんにもいろいろ種類があるが、慢性的に炎症を起こすとがんができやすくなる。
2014年に日本で最初に承認された免疫チェックポイント阻害剤 抗PD-1抗体薬(商品名:オプジーボ)が、一部のがんで保険適用になった。
免疫チェックポイント分子にはPD-1の他に、CTLA-4があって、免疫の違った局面を阻害する。
これらを、組み合わせることでがんに対する効果が上がるのだそうだ。
そんなことが書かれていました。