じじぃの「リウマチ治療薬・生物学的製剤とは!免疫が挑むがんと難病」

関節リウマチの症状の進み方 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=PYVTy4PLCTo

関節リウマチのメカニズムとは? 専門医が語る関節リウマチ いしゃまち
関節リウマチは、膠原病の中の一つの病気です。
膠原病とは1942年、クレンペラー博士が提唱した疾病概念です。膠原病では、細胞同士を結び付けている結合組織(膠原繊維)や血管に炎症が起こり、病気が全身に及び、それまでの「病気は特定の臓器に存在する」という臓器別の考え方が一変されました。
https://www.ishamachi.com/?p=17773
生物学的製剤 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター
生物学的製剤は最先端のバイオテクノロジー技術によって生み出された医薬品で、関節リウマチに対しては2003年から国内での使用が開始されています。
これまでの抗リウマチ薬に比べて薬剤費が高価ですが、有効性にかなりの期待ができる薬剤で、特に関節破壊抑制効果に優れていることが知られています。
最初にどの製剤を使用すべきかという明確な指針はなく、欧州リウマチ学会 (European League against Rheumatic Diseases, EULAR) では、国内で発売されている全ての生物学的製剤(TNF阻害薬 [レミケード、エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジア]、抗IL-6受容体抗体 [アクテムラ]、T細胞選択的共刺激調節薬 [アバタセプト])を最初に使用する生物学的製剤として推奨しています。標的とする生体内物質(TNF、IL-6、T細胞)以外にも、投与方法(点滴もしくは皮下注射)、投与間隔(週1-2回から2ヵ月に1回)、薬剤費(3割負担で月1.5万円程度から3万円強)ほか各々特徴がありますので、以下のコメントを参考に主治医の先生と相談して使用する生物学的製剤を決めて下さい。
【ヒュミラ】
「ヒュミラ」は1本(40mg)約7万円です。通常、2週間に1本投与し、体重による用量変更はないため、自己負担額は約4万円(3割負担の場合)となり、これに再診料・検査料・処方箋料などが加わります。リウマトレックスなどの他の抗リウマチ薬を併用しない場合は、80mgまでの増量も可能です。
http://www.twmu.ac.jp/IOR/diagnosis/ra/medication/biologics.html
『現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病』 岸本忠三、中嶋彰/著 ブルーバックス 2016年発行
新しいリウマチ治療薬も登場 より
ヤ―ボイで成功をおさめた米プリストルは、チェックポイント分子のCTLA-4を活用して新しいタイプの関節リウマチ治療薬も開発した。それはオレンシア(一般名アバタセプト)というバイオ医薬だ。欧米に続き日本でも2010年に承認、市販が始まっている。
関節リウマチの治療に、なぜCTLA-4分子なのかと疑問を持たれた方もおられるだろう。
基本的な考え方はこうだ。炎症が起きて骨が溶け、最後には関節が破壊される関節リウマチという病気は、免疫の攻撃する営みが強すぎるせいで起きる自己免疫疾患だ。ならば溶解性のCTLA-4分子を患者の体内に注入し、免疫細胞の暴れすぎにブレーキをかければ、病気の進行を止めることができる、というわけだ。
オレンシアは遺伝子組み換え技術を使って、CTLA-4分子と、抗体のIgGを融合させてつくる溶解性の薬剤だ。治療の際には注射で患者の体内に送り込む。IgGをCTLA-4とペアにするのは、生体の中で安定化させるのが狙いだ。
投与されたオレンシアは血管の中をフアフアと浮遊しながら体内に広がっていき、やがて樹状細胞と巡り合う。すると次に、興味深い現象が起きる。CTLA-4分子が樹状細胞表面のB7分子と結合してしまうのだ。
B7は、樹状細胞がT細胞に抗原を提示する際に、T細胞の表面にある副刺激分子CD28が結合する相手の分子だ。こうしてT細胞には撃ち方はじめのシグナルが入り、攻撃モードに入っていくのだった。
しかし、B7分子が溶解性のCTLA-4分子によって覆われてしまうと、そうはいかない。CD28分子は結びつく相手がいなくなり、その結果、ヘルパーT細胞もキラーT細胞も攻撃態勢に入れなくなってしまう。
関節リウマチ治療用のバイオ医薬は数多く開発され、治療で劇的な効果を示してきた。それらは関節で炎症を起こす直接的な犯人とされるインターロイキン6(IL6)やTNF(腫瘍壊死因子)のシグナルを阻害することによって炎症の悪化を防ぐ抗体医薬だった。
それに対しオレンシアは、免疫活動のそもそもの始まりである抗原提示の段階で働くのが特徴だ。関節リウマチの患者では樹状細胞から抗原提示を受けたT細胞が四六時中、”興奮”状態にあり、そのせいで手足の関節部で免疫細胞がIL6やTNFを過剰に分泌している、とされる。ならば、この営みを上流部で断とうというわけだ。
ただし、局所の炎症を抑制するために免疫の営みを全身にわたって弱めるしくみにはある種のリスクも伴う。免疫の働きが弱った分、病原体によってさまざまな感染症にかかりやすくなると考えられるからだ。

                          • -

どうでもいい、じじぃの日記。
スウェーデン王立科学アカデミーは、2018年のノーベル化学賞を遺伝子組み換えの分野で画期的な進歩をもたらしたとして、米カリフォルニア工科大のフランシス・アーノルド教授(62)、米ミズーリ大のジョージ・スミス名誉教授(77)、英医学研究会議のグレゴリー・ウインター博士(67)に授与すると発表した。
ウインター博士は遺伝子組み換えによる生物学的製剤「アダリムマブ(ヒュミラ Humira)」を開発した。この薬は2002年に米国で承認され、関節リウマチやクローン病などの治療に使われている。
2010年10月、「ヒュミラ」が日本で認可された。ヒュミラはインスリン注射のように皮下注射する薬だ。
ヒュミラは、2週間に1本、1.5ヵ月では4本投与する。1本約7万円なので1.5ヵ月では28万円にもなる。
なぜ、こんなに高いかというと、化学的に合成した医薬品ではなく生物が合成する物質(タンパク質)を応用して作られた治療薬だかららしい。
そういえば、がん治療薬 免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」もやたらと高額だ。