じじぃの「ファージディスプレイ法・モノクローナル抗体とは?免疫が挑む難病」

Humira Instructional Video 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=KYnUrw8yqaY
生物製剤 - ヒュミラ (Humira)

2018年のノーベル化学賞、米英の研究者3氏に 酵素の開発で 2018年10月04日 ニュースを旅する
スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は3日、2018年のノーベル化学賞(Nobel Prize in Chemistry)を、米国人のフランシス・アーノルド(Frances H. Arnold)氏(62)、同じく米国人のジョージ・スミス(George P. Smith)氏、英国人のグレゴリー・ウィンター(Gregory P. Winter)氏(67)に授与すると発表した。
進化の原理を応用し、バイオ燃料から製薬まで幅広く活用されている酵素を開発したことが評価された。
アーノルド氏は、自然の進化をまねて、たんぱく質の一種である酵素を人工的に改良することに成功。
これを用いて、環境負荷が小さいバイオ燃料や医薬品を生産する技術を開発した。
スミス氏は、大腸菌などの細菌に感染するウイルス「バクテリオファージ」を用いて、新しいたんぱく質を作る「ファージディスプレー法」を開発。
ウィンター氏は、この手法を使って、がんや関節リウマチなどの新薬に使われているモノクローナル抗体を効率よく作製する技術の基礎を築いた。
http://navione.seesaa.net/article/462002865.html
Trio wins chemistry Nobel for work on antibody drugs, smart enzymes OCTOBER 3, 2018 Reuters
The fruits of this work include the world’s top-selling prescription medicine - the antibody injection Humira sold by AbbVie for treating rheumatoid arthritis and other autoimmune diseases.
Humira, or adalimumab, was the first drug based on Winter’s work to win regulatory approval in 2002. It has since gone on to become a blockbuster, with sales last year of $18 billion.
https://www.reuters.com/article/us-nobel-prize-chemistry/trio-wins-chemistry-nobel-for-work-on-antibody-drugs-and-detergents-idUSKCN1MD10S
生物学的製剤
●生物学的製剤とは
生物学的製剤とは化学的に合成されたものではなく、培養細胞や大腸菌などの細菌を利用し作成された、サイトカインなど生体由来の物質や細胞表面の物質などに反応する高分子化合物です。
高分子化合物であるため、細胞内に入ることはなく、血液中、細胞外、細胞表面で作用します。具体的な生物学的製剤としては、モノクローナル抗体製剤やレセプターなどとの融合蛋白が関節リウマチ、乾癬、強直性脊椎炎、ベーチェット病などの治療に使用されています。 下表に日本における各種生物学的製剤の適応疾患について示します。
http://goto-naika.c.ooco.jp/ra/biologics.html
『現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病』 岸本忠三、中嶋彰/著 ブルーバックス 2016年発行
免疫学ことはじめ モノクローナル抗体 より
モノクローナル抗体とは、強いて日本語にすると「単一抗体」である。生命科学以外の研究者には理解がかなり難しいが、非常に重要な存在だ。
体内に病原体が侵入すると、免疫は抗体の集団をつくり出す。ミクロの世界では、病原体といえども「大きな」存在で、恐竜にたとえると恐ろしい牙を持つもの、太くて強力な足を持ったもの、長い尻尾を持つもの、などさまざまな特徴を備えている。
このため病原体と戦う抗体の群れにも、牙とがっちり結びつくような抗体、尻尾をつかんで離さない抗体など、さまざまな抗体が混在している。免疫学では、このように特徴的な抗原の部位を「抗原決定基」と呼んでいる。
たとえばがん細胞を見てみよう。実はがん細胞の表面を凝視すると、さまざまな分子がついている。それらの中には、そのがん細胞だけにしか見られない分子もあれば、どんな細胞にも共通して存在する分子もある。このため、がん細胞に対する抗体の群れには、抗原決定基に対応するさまざまな形状の抗体が混じっている。
だが、抗体はこうした混ざりものの状態ではあまり役に立たない。病気の治療には混ざりものの中から、最も攻撃力を持つ抗体を選びだして使いたい。欲しいのは決定的な”仕事”をしてくれるただ1種類の抗体だけ。これをモノクローナル抗体という。
医療現場でがんや関節リウマチンの治療に使用されている抗体医薬もモノクローナル抗体だ。モノクローナル抗体の技術は、ヘルパーT細胞やキラーT細胞など、いくつかの種類(サブセット)があるT細胞の分類にも役立った。

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どうでもいい、じじぃの日記。
10月3日スウェーデン王立科学アカデミーは、2018年のノーベル化学賞を遺伝子組み換えの分野で画期的な進歩をもたらしたとして、米カリフォルニア工科大のフランシス・アーノルド教授(62)、米ミズーリ大のジョージ・スミス名誉教授(77)、英医学研究会議のグレゴリー・ウインター博士(67)に授与すると発表した。
ウインター博士は遺伝子組み換えによる生物学的製剤「アダリムマブ(ヒュミラ Humira)」を開発した。この薬は2002年に米国で承認され、関節リウマチやクローン病などの治療に使われている。
2010年10月、「ヒュミラ」が日本で認可された。ヒュミラはインスリン注射のように皮下に注射する薬だ。
このヒュミラを注射してから、下痢状のうんこがバナナの実のように出るようになった。おしりからの出血もなくなった。
ヒュミラは関節リウマチを抑える薬剤として開発された薬なのだが、大腸の炎症も抑えてくれる。
私の命は、2018年ノーベル化学賞を受賞される3人(とその他大勢)に支えられているのだった。