じじぃの「嗅覚・匂いが命を決める・第1章・プラスチックの匂い!匂いの雑学」

Save Our Sea PSA: Plastic Pollution

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=fHXNb2D8KX8

カメがクラゲと間違ってプラスチックを食べる


プラスチックが海を殺す!?近い将来、海中のプラごみが魚の量を超える

2020.07.23 BE-PAL

●ウミガメの52%がプラスチックを誤飲
僕は海辺に住んでいて、SUPやカヤックで海を漕ぐのを楽しみにしている。
よく漂流ごみを拾うのだが、気がついたことがある。それは「海上のごみは拾えるけど、海中のごみは拾えない」ということだ。ごみも沈んでしまえば視界から消え、なかったことになる。砂浜のレジ袋やペットボトルも波にさらわれるともう誰も気にしない。こうして海中にごみが溢れていく。
https://www.bepal.net/archives/105786

『匂いが命を決める ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚』

ビル・S・ハンソン/著、大沢章子/訳 亜紀書房 2023年発行
 ・なぜわたしたちの鼻は顔の中央、先端についているのか?
 ・なぜ動植物は、ここぞというとき「匂い」に頼るのか?
 ・「Eノーズ」は将来、匂いの正確な転写・伝達を可能にするか?
ヒト、昆虫、動物、魚、草木、花など多様な生物の「生命維持」と「種族繁栄」に大きな役割を果たしている嗅覚。
そこに秘められた謎と、解き明かされた驚異の事実とは──。

第1章 人新世の嗅覚 より

CO2の破壊的な役割
車を運転したり飛行機に乗ったり、工場を移動させたりする際にはさまざまな物質が排出され、それらは気候と大気中の分子に影響を及ぼす。人新世に関わる変化としてもっともよく喧伝されているのは環境中の二酸化炭素(CO2)レベルの上昇で、それが温室効果をもたらし、この世界の気温を劇的に変化させ、海水の酸性度を増し、地球全体の気候を不安定にしている。

CO2自体は、空気中の匂いに直接的な化学的影響をあたえない非反応型の化合物だが、環境中のCO2が植物が放出する揮発性物質を変えてしまうことはある。これは、植物の内部で生じる生理学的変化によるのだ。二酸化炭素には、植物による水の消費量を抑え、植物細胞の化学組成を変えることによって、植物の光合成活動を活発化させる力があるのだ。また、空気中のCO2濃度の変化は、昆虫が宿主を探し当てる能力にも影響をあたえうる。蛾は、花が開花する際に噴出されるCO2を追跡して花蜜の在りかを探し当てる。よって、CO2濃度が高まった環境で花をうまく探し当てられなくなると、受粉と害虫の蔓延の両方に影響が出る。

プラスチックの匂い
1907年のこと、ニューヨークでベルギー人科学者のレオ・べークランドが合成成分から造られた最初のプラスチック、ベークライトを発明した。それ以降、プラスチックの生産量は増加の一途をたどった。今では、世界全体の年間生産量は3億6000万トンと推定される。それがなぜ、嗅覚にとって問題なのか?

第4章で詳しく説明するが、鳥は嗅覚をさまざまな目的のために利用している。外洋鳥の場合、彼らの嗅覚の重要な特徴はジメチルサルファイド(DMS)の匂いを嗅ぎ取れることだ。これは、植物プランクトンが動物プランクトンに食べられるときにしばしば放出される、押しつぶされた植物プランクトンから出る合成物だ。つまり鳥たちにとって、この硫黄ガスの存在は、付近に大量の食べ物があることを示す証拠なのだ。

しかし不幸にも、プラスチックの時代である現代においては、DMSの臭いを頼りに食糧を探すこの行為が問題を生んでいる。プラスチックは、海に漂ってから数ヵ月もするとDMSを放出するようになる。そして自然界の生物たちに、これは食べられる物質だと誤解させてしまう。国連環境計画は、人類は年間およそ800万トンのプラスチックを海に流しており──その結果、非常に大きいものや微小なものを含めておそらく5兆トンを超えるプラスチックが海に漂流しており(そしてさらに増えつづけている……)、それは海の生物に被害を及ぼすのに十分な量である、と述べている。誤ってプラスチックを食べた鳥は、消化器官を傷つけられ、やがて死んでしまう。毎年およそ100万羽の海鳥の死んでいるのはそのせいだ。彼らの胃袋はわたしたち人間が廃棄したプラスチックのクズで一杯なのだ。

大海原で、DMSの匂いを手がかりに食料を探し当てる能力を発達させてきたのは鳥だけではない。アザラシやクジラも同じ方法で食糧を見つけており(第5章参照)、同様のプラスチックによる被害にさらされている可能性が高い。赤ちゃんガメについてのある調査では、この小さな生物のお腹の中にプラスチックがある割合は100パーセントだった。人類が莫大な量の使い捨てプラスチックを製造してきたことが、環境への重大な影響を生み出したのである。

太平洋ゴミベルト(地球上の海で確認されてい5つの「ゴミベルト」の1つ)では、潮の流れや風によって集められた廃棄ゴミ(プラスチックや捨てられた漁具も含む)が、テキサス州のおよそ2倍──ヨーロッパを基準にしたければフランスの3倍の広さの海域に漂っている。その海域の表面の大部分を覆っているのはマイクロプラスチック[環境中に存在する微小なプラスチック粒子]だ。いくつかの研究が、これらのマイクロプラスチックの数はすでに動物プラスチックの数は上回っていること──そして、すでに間違いなく、世界でもっとも深いマリアナ海溝にまで達していることを示唆している。こうした事態が、DMSの匂いに誘われる特性をもつ海鳥やその他の海の生物にどんな影響をあたえるかは、想像に難くないだろう。

                • -

じじぃの日記。

ビル・S・ハンソン著『匂いが命を決める ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚』という本に「プラスチックの匂い」というのがあった。

プラスチックは、便利なのだが、環境汚染の一因にもなっている。

むしろ、環境汚染の最たるものというイメージが強い。

プラスチックの匂い

「第4章で詳しく説明するが、鳥は嗅覚をさまざまな目的のために利用している。外洋鳥の場合、彼らの嗅覚の重要な特徴はジメチルサルファイド(DMS)の匂いを嗅ぎ取れることだ。これは、植物プランクトンが動物プランクトンに食べられるときにしばしば放出される、押しつぶされた植物プランクトンから出る合成物だ。つまり鳥たちにとって、この硫黄ガスの存在は、付近に大量の食べ物があることを示す証拠なのだ」

私は匂いについて鈍感だ。

「わさび」に近づいて 4、5秒 鼻をクンクンしてからウッとくる。

鳥はプラスチックの出す匂いに餌と間違えて食べるのだとか。

地球温暖化も気になるが、海のプラスチック・ゴミも気になります。