じじぃの「がん細胞・白血病・なぜ増えつづけ・なぜ転移するのか?生物学の雑学」

細胞周期


細胞周期

ウィキペディアWikipedia) より
細胞周期(cell cycle)は、一つの細胞が二つの娘細胞を生み出す過程で起こる一連の事象、およびその周期のことをいう。細胞周期の代表的な事象として、ゲノムDNAの複製と分配、それに引き続く細胞質分裂(dh)がある。

細胞周期は、光学顕微鏡での観察に基づき、間期(interphase)とM期(M phase)とに分けられる。間期はさらにG1期、S期、G2期に分けられる。M期は有糸分裂と細胞質分裂によって構成される。有糸分裂では姉妹染色分体が細胞の両極に分かれ、引き続く細胞質分裂では細胞質が割れて2つの細胞が生み出される。一時的にもしくは可逆的に分裂を停止した細胞は、G0期と呼ばれる静止期に入ったとされる。

【静止期(G0期)】
G0期は、細胞分裂も分裂の準備も行われていないG1期が延長している状態ととも、細胞周期から分かれた活動停止状態とも捉えられている。
また、神経細胞や心筋細胞などは、細胞分化の果てに有糸分裂の後分裂を止め、成熟し、残りの寿命期間を本来の機能を発揮し続ける。

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第2章 個体の継承と形成に関する生物学 より

がん細胞はなぜ増えつづけ、なぜ転移するのか

図らずも何かのはずみで、特に問題もないのに一部のG0の細胞が細胞周期に戻ってしまうことがある。分化をリセットしてしまう、これを脱分化という(現実の脱分化にはさまざまなレベルがあり、完全なリセットにはいたらない場合も知られている)。
たとえば健全な幹細胞の集団の集団の中で、ある1個が突然分裂して増え始め、秩序だって配列していた仲間の細胞たちを圧迫する。これが腫瘍であり、なかでも周囲の臓器に入りこんだり(浸潤)、さらに他の臓器へと移動したり(転移)するような、たちの悪いものががん細胞だ。がん化するきっかけはさまざまだが、とにかくがん細胞周期のサイクルに戻ってどんどん増える。

このサイクルに入っているということは、分化から外れ、自分の役割を見失っているということだ。だからがん細胞は原理的に全身どこでも生じるし、どこへでも移動できる。

人体で体細胞分裂がさかんな部位というと皮膚や小腸などがあるが、なかでも群を抜いているのが骨髄の造血幹細胞だ。その分裂のスピードはすさまじいもので、したがってこの幹細胞ががん化すると、猛スピードでそのコピーがつくられ、それらは血球として血液中に放出され、あっという間に全身に広がってしまう。これが血液のがんといわれる白血病である。

白血病はがんの中でも厄介なものの一つである。コピーされたがん細胞が全身に散逸するため、どこにもとのがん細胞があるか特定できないからだ。
したがって現在確立している治療法の一つは、全身の骨髄の細胞をいったん放射線で殺し、新たな造血幹細胞を移植することで骨髄の再建をはかる。これが骨髄移植である。

先ほどのキメラの話を思い出していただきたい。他人の骨髄を移植すれば当然激しい拒絶反応が起こる。しかも、骨髄はこの拒絶反応の主役の白血球たちをつくりだす場である。他の部位の移植でももちろんそうなのだが、骨髄移植に関しては可能な限りドナー(提供者)とレシピエント(受容者)のゲノムの最小化したい。そこでつくられたのが骨髄バンクである。
骨髄バンクに登録されているのは拒絶反応にかかわるHLA(またはMHC)という6つの遺伝子である。この型をハプロタイプという。

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どうでもいい、じじぃの日記。

がん細胞はなぜ増えつづけ、なぜ転移するのか

休眠中、すなわち細胞周期G0期にあるがん幹細胞が何らかのはずみで、眠りから覚める場合がある。

「図らずも何かのはずみで、特に問題もないのに一部のG0の細胞が細胞周期に戻ってしまうことがある。分化をリセットしてしまう、これを脱分化という(現実の脱分化にはさまざまなレベルがあり、完全なリセットにはいたらない場合も知られている)」

つまり、がんになるかならないかは、運次第というのが多分にあるらしい。

作家の伊集院静さんが11月24日に亡くなった。73歳。

10月27日に「肝内胆管がん」の治療のため、執筆活動を休止すると発表していた。

伊集院さんは立教大学時代、野球部で4番を打つなど活躍をしていたのだとか。

9月30日号『週刊現代伊集院静「それがどうした」という記事を読んだばかりだった。

記事のなかで、MLB大谷翔平選手について触れていた。

ご冥福をお祈りします。