じじぃの「マツタケ・猛暑・約1ヵ月遅れで収穫・菌根菌!共生の雑学」

秋の味覚の王様マツタケ、例年よりも入荷が遅く

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=ONsZpaSHOu0

マツタケ 菌根菌


きのこの生態を解き明かし、世界初のマツタケ人工栽培をめざす。

2019/9/30 近畿大学農学部
シイタケとマツタケでは栄養の取り方が異なります。
子実体を形成する担子菌類や子嚢菌類には養分の摂取方法が異なる菌があり、それによって木材腐朽菌、菌根菌などと分類されています。スーパーなどで見かけるシイタケなどのきのこのほとんどは、「木材腐朽菌」と言い、木材の組織を分解して栄養源にしているので、木が生きている必要はなく枯死木に付いて成長します。ちなみに、マッシュルームは腐葉土の栄養分を摂っています。

これに対してマツタケは「菌根菌」と言い、木と共生しています。菌根菌は植物の根っこの部分に付いて、土壌中に伸ばした菌糸で植物の根っこが届かない部分から水分やミネラルなどの養分を得て、それを木に供給する。その代わりに木は光合成でつくられた養分をマツタケに渡す。だから木と共生しているというわけです。マツタケなどの菌根菌の方が人工栽培が難しいとされています。
https://www.nara.kindai.ac.jp/labo/research/007.php

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石川香、岩瀬哲、相馬融/著 ブルーバックス 2023年発行

第5章 生物界の空間的・時間的な広がりを考える生物学 より

菌類のライフスタイル③ 共生

共生菌がつくる代表的なキノコに、マツタケがある。
マツタケの栽培が難しいのは、生きたアカマツの根が必要だからである。マツタケは担子菌に分類される菌類だが、菌根という特殊な構造をつくって植物の根と共生している。菌根をつくる菌類は菌根菌と呼ばれており、菌根の形態によって外生菌根菌やアーバスキュラー(樹枝状の意)菌根菌などに分類される。外生菌根菌は1万種を超えるが、アーバスキュラー菌根菌は200種余りと記載は少ない。

マツタケ菌もふくめ、菌根菌の大部分は必要な炭水化物のほとんどを宿主の植物に依存している。
植物から菌根菌に送られる炭水化物量は時に光合成産物の2割にもなるという報告があるが、それでも植物にとってありがたいのは、菌根菌が土壌から吸収するリンや窒素化合物を効率よく供給してくれるからである。すなわち植物も菌根菌もお互いがいなければ成長できないのだ。菌根菌と共生する陸上植物群は、コケから被子植物まで、じつに8割を超えるといわれている。森の植物たちは種を超えて菌根菌の菌糸ネットワークでつながっており、病める植物には他の植物の炭水化物が供給されるという報告もある。森の地上部に現れるキノコの多くは菌根菌であるが、木の子であり、木の親であるといったところだろうか。菌類と植物の関係を知ると、森を見る目が変わってくる。

菌類の共生というキーワードで、もう1つ重要なのは地衣類であろう。地衣類は菌類(地衣類をつくる菌類の種類は約98%が子嚢菌)が藻類やシアノバクテリアと共生する複合体であり、約2万種が記載されている。菌糸でつくられた体の一部に光合成微生物を住まわせ(藻類層)、光合成産物である炭水化物をもらうかわりに、無機養分や水分をあたえるという共生関係だ。

原則として、1種の菌類と1種の共生藻で構成されている。
からだの一部が切れて(裂芽、粉芽)共生藻とともに無性的に増えたり、菌類らしく胞子でも増える。胞子は発芽して、共生可能な藻類と出会うと再共生して地衣体をつくる。

地衣類は私たちの身のまわりに多く存在し、街路樹の幹や人家の壁、高山の森林限界を超えた標高の高い地点の岩の表面など、あらゆるところで見ることができる。
生態系の一次遷移において裸地にまず現れる生物とされ、岩石の風化作用を促進する。それが地衣類の遺骸(有機物)と合わさって初期の土壌を形成するのに重要な役割を担っている。

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どうでもいい、じじぃの日記。

「共生」という言葉からは、まず昆虫と花、鳥と花の関係が思い浮ぶ。

植物はその美しい形や色、そして香りでミツバチを誘う。

ランの花はハチドリの形にあわせて深くなり、ハチドリも花からうまく蜜を取るように長いくちばしに進化を遂げている。

マツタケの栽培が難しいのは、生きたアカマツの根が必要だからである。

「これに対してマツタケは『菌根菌』と言い、木と共生しています」

マツタケが木と共生していると言うのには驚いた。

木がキノコに影響を与えるというのは分かるが、キノコも木に影響を与えているというものだ。

ここまで分かってきても、マツタケの人工栽培は難しいらしい。

地球温暖化のため、今年の夏はやたらと暑かった。

それでも、マツタケは例年のように採れているそうです。

まあ私は、同じ値段でいうと、マツタケよりウナギです。

天然ウナギの旬は10~12月で、冬は脂がのって美味しいのだとか。