じじぃの「シアノバクテリア・初期の光合成生物の進化!共生の雑学」

【ゆっくり解説】植物?細菌?「シアノバクテリア」とは何者なのか?を解説/生物の誕生と進化に重要な役割を果たした藍藻とは

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=T5ioY0nXKLM

シアノバクテリアが宿主に取り込まれていく過程


シアノバクテリアの進化と葉緑体

東京薬科大学
その昔、シアノバクテリアが真核細胞に内部共生し、それが葉緑体へと進化した、つまり植物が誕生したとされています。
その根拠の一つが、光合成系がシアノバクテリア葉緑体とで似ている点が挙げられます。両者とも、チラコイド膜を持ち、そこで光化学系 I 等から構成される光合成の電子伝達系により、光エネルギーを ATPやNADPHといった化学エネルギーに変換します。次いで、可溶性画分である葉緑体ストロマあるいはシアノバクテリア細胞質にて、その化学エネルギーをもとに二酸化炭素を固定し、有機化合物を合成していきます。
https://www.toyaku.ac.jp/lifescience/departments/applife/knowledge/article-003.html

『「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ』

鈴木正彦、末光隆志/著 中公新書 2023年発行

第6章 大事な共生相手を攻撃する理由――植物と菌のコミュニケーション より

大気中窒素の固定――マメ科植物とハーバー・ボッシュ法

植物が必要とする栄養素のうち、リン酸は菌根菌の手助けによって獲得できることを紹介してきました。そのほかの成分についてはどうでしょう。重要なものとしては、窒素があります。
窒素は、タンパク質や核酸を形作るのにはなくてはならないものです。そのため、植物の生息地に窒素源があるかどうかは、植物にとっては大きな問題です。窒素は大気中に多く存在していますが、多くの生物は大気中の窒素を利用することができません。通常は土壌中に含まれるアンモニウム、硝酸イオン、有機態窒素を利用しています。ただ、硝酸イオンは微生物が脱窒反応を行うため、窒素分子となって大気中に放出されてしまうので、利用できる窒素はどんどん減少してしまいます。となると、放っておけば地上にある窒素源は枯渇してしまいます。しかし、現実にはそうなっていません。それはどうしてなのでしょうか。

ここで登場するのが、根粒菌バクテリアの一種)です。マメ科植物と根粒菌が共生することによって、大気中窒素の固定を行っています。これはとても大きな意味を持つ営みです。大気中窒素の固定を通じて、空気中に存在する多量の窒素分子が有機窒素化合物に変換され、それが循環して多きの植物の窒素源となっていくのです。

シアノバクテリアはスーパーな微生物

空中窒素固定は農作物の収量を増大させた重要な技術ですが、実は人類が空中窒素を固定する方法を開発するはるか以前から、マメ科植物は空中の窒素を固定してきました。窒素固定能力においては、マメ科植物は人間よりもはるかに先に行っており、優秀だったのです。
しかし、マメ科植物自体がこのような能力を持っているわけではありません。単独で実際に窒素固定を行う能力を持つ生物は、原核生物の一部に限られています。それは、光合成細菌とシアノバクテリアの一部、そして根粒菌です。

シアノバクテリア葉緑体の話でも登場してきましたが、窒素固定能力のあるシアノバクテリアは、大気中の炭酸ガスから光合成で炭素化合物を作り、窒素分子から窒素化合物を作るという見事な離れ業を行う驚異の生物です。古い原核生物だからといって、決して侮ることはできません。彼らが生来持つすごい能力のおかげで、人間をはじめ、高等生物も生きていけるのです。
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前述のハーバー・ボッシュ法は触媒を用い、1000気圧、500度という高温で作用させて腔苦衷の窒素を固定する方法ですが、根粒菌のやり方は常温・常圧で触媒を用いずに行うというものです。これは、格段に優れたやり方です。
第2章で述べたように、植物は空気中の炭酸ガスを固定するためにシアノバクテリアを細胞内に共生させ葉緑体としました。今度は、窒素(N2)を固定するために根粒菌を利用しています。植物の光合成による炭素固定能力や根粒菌の持つ窒素固定能力は、実に精巧な仕組みに基づいているのです。それにくらべると、人類が開発した化学的方法はそのレベルにはまだまだ及びません。

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どうでもいい、じじぃの日記。

シアノバクテリアとは?

「シアノバクテリア(cyanobacteria,藍藻(もしくはラン藻)とも呼ばれます)は、酸素を発生する光合成(酸素発生型光合成)を行う原核生物です。酸素発生型光合成は、植物の光合成と基本的に同じものです。シアノバクテリアの祖先は30~25億年前に地球上に出現し、初めて酸素発生型光合成を始めました。この光合成では水を電子供与体とする(水分子から電子を奪い、その副産物として酸素ができます。)ことができるため、水と光があればエネルギーが得られることとなり、当時の地球上で大繁殖したようです」
https://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~microbio/research6.html#:~:text=%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2%EF%BC%88cyanobacteria%2C%E8%97%8D%E8%97%BB%EF%BC%88,%E5%85%89%E5%90%88%E6%88%90%E3%82%92%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

約10億年前、シアノバクテリアが真核細胞に内部共生し、それが葉緑体へと進化した、つまり植物が誕生したのだとか。

まあ、ミトコンドリアさんとか、シアノバクテリアさんのおかげで我々の現在があるんですね。